ラグビー部リレー日記

仲間と成長

投稿日時:2018/12/05(水) 23:59

ボールを持つといつの間にかトライを取っている東大ラグビー部のスピードスター、荒木からバトンを受け取りました、パワフルなアタックでチームを牽引する浦山です。
いつのまにかこれが最後のリレー日記となってしまいました。これまでくだらないことしか書いてこなかったことを若干後悔しております。




紹介にもほのめかされていたように、私は東大ラグビー部随一の非行少年だった。いつもニコニコしてどんな人とも分け隔てなくそこそこに仲良くできるような人間、とは程遠い存在で、ラグビー部でのこの4年間、いろいろな人に迷惑をかけてきた。迷惑の内容を書くのは諸々の理由により控えさせていただくが、私のことをよく思っていない人は少なくなかっただろう。そんな状況ではグラウンド内でいくら奮闘してもなかなか評価されず、一方で私は評価されないことに苛立ちを覚え、ひねくれたりしてまた自分の評価を下げた。さらには、これからという時期に毎度のように怪我をしてグラウンドから離れたり、本当に苦しい時分をを過ごした。


今になって振り返ってみると、自分は自ら“与える”ということができていなかった。うまく説明するのは難しいが、ここでいう“与える”というのは、他人から何かをしてもらう前に自分が他人に手を差し伸べたり、善意を持って接するというような意味で言っている。隣人愛brotherly loveとでもいうのだろうか。その時の私は、何もしてもらえないなら何も返さない、頑張っても評価されないから頑張らない、そんな殺伐とした人間だった。


しかし、今シーズンの初め、チームのために自分の時間を大きく割いて動き、何の見返りも求めることなく他人のために働く同期を見て気づいた。自ら善意を与えていれば自ずと周りから善意は返ってくるし、そうして絆や信頼が生まれてくるものだと。これは何も同期だけのことではない。東大ラグビー部に関わる人々の中には無償で部のために動いてくれている人が監督コーチ陣を含めOBの方々にもたくさんいる。4年になって自分の小ささを痛感させられた。しかし、その時自分がチームのためにできることは何もなく、せめて誰の助けも借りずに自分の力で立つのが精一杯だった。4年になって周りから、更生したとか、激変したと言われるが、自分の力で立つだけでそこまで言われる自分が恥ずかしくもあったし、自分というより環境が変わったのだと思う、これだけ自分が助けられ、与えられて、さすがに自分も変わらないわけにはいかなかった。
しかし、シーズン序盤に自分のペナルティ走に付き合ってもらっていた自分が、夏頃には他の仲間のためにプラスアルファでペナルティ走を走ったり、分析の仕事でチームに貢献したり、徐々に自分から“与える”ことができるようになった。最後には少し4年生らしく、先輩らしくなれたのかもしれない。


そして、そんな自分を常に支えてくれたのが同期である。自分が精神的に病んでいる時や、半分チームから見放されているような時も同期は自分とちゃんと向き合ってくれたし、時には気にかけてくれ、時にはというには多すぎるかもしれないが、笑いのネタにしたりもした。同期無くして今の自分はない。そんな同期には本当に感謝しているし、私が4年間ラグビー部を全うできたのは誇張ではなく本当に同期のおかげだと思っている。本当にありがとう。



自分に似合わぬ〇〇真面目な文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。
次は東大ラグビー部きってのイケメンで、試合中でも必ずキメ顔で写真に映るWTBの江崎にバトンを渡します。

 

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