ラグビー部リレー日記

Jokerとラグビー部

投稿日時:2020/03/14(土) 20:26

 ソニービルウィリアムズ選手のようなオフロードパスを披露する、同い年の前原先輩からバトンを受け取りました、五島隆真です。前原さんの手術の成功、お祈りしております。
 新入生の皆さん、合格おめでとうございます。入学したらどんなサークル、部活に入ろうかなとわくわくしていることと思います。そこで、参考になるかどうかはわかりませんが、ラグビー部に異色の入部をした自分の話をしたいと思います。

 一話 僕を育んでくれた故郷Joker

 僕は二年前に合格した。それまではスポーツをほぼ全くやってこなかったので、大学では何かスポーツをしたいなと思っていた。何のスポーツをやるか色々迷ったが、大学からでも比較的始めやすそうで、高校の体育の授業で好きだったテニスをやりたいなと思った。そこで、学内のテニスサークルである、Jokerというところに入った。そこは、東大生誰でも入れるところで、全体で人数は30人ほどの、のほほんとしたテニスサークルであった。活動は週二くらいで、集まった5~10人くらいで楽しくテニスをする感じである。Jokerを陰キャの集団などと馬鹿にする人もいるが、はっきり言ってJokerは素晴らしいサークルである。Jokerは中高のときにいた将棋部に何か似た雰囲気があって居心地のよさを感じていた。しかし、サークルの緩い雰囲気に甘えて、朝寝坊して一時間遅れで行ったり、次第には眠いからと行くのも面倒になってあまり行かなくなったりしてだらけていってしまった。このままでは良くない、もっと充実した大学生活を送りたいと心のどこかで思っていた。
 そんな中、僕はラグビーというスポーツの魅力に少しずつ惹かれていった。大男が相手を何人もなぎ倒しながら突進していったり、一人で相手を何人もかわして走っていったり、バスケットボールのような華麗なパス捌きでボールをつないでいく様を見て、こんなエキサイティングなスポーツがこの世にあったのか!と驚愕した。生まれ変わったらダミアンマッケンジー選手になりたいとも思った。そこで、にやける真似をしていたらいつの間にか無意識でもにやけるようになってしまったのだろう。口角が上がっているのを馬鹿にしてくるゴタツくんには、微笑みの貴公子と呼んでいただきたい。
 そして、僕は全然考えていなかったラグビー部に入ることを考えるようになった。途中入部は難しいと思ったのでとりあえず翌年の春が来るまではJokerで仮面浪人することにした。Jokerではテニスの楽しさ、スポーツの楽しさ、スポーツをできる環境のありがたさを学ばせてもらった。Joker、本当にありがとう。

 二話 さよならJoker 涙のラグビー部入部

 去年の春、僕は二回目のテント列に参加した。Jokerとしてではない。新入生としてである。ラグビー部入部試験を目の前にして、入試以上に緊張した。自分はスポーツ経験がほぼない、しかも二年生というとんでもない化け物である。こんな者を受け入れてくれるのだろうかと思うと自然と足が立ちすくんだ。しかし、失うものはない。もし入れなくてもJokerに戻ればいい。新入生はほとんどもういなくなり、新歓の勢いも終わりかけていた時間帯だった。僕は勇気を出してラグビー部のブースに踏み込んだ。
僕「あのー、入部を考えているんですけど...」
先輩「おー、まじ!? 自分から来てくれる人初めてだわ!おいでおいで!」
僕「実は僕、新入生ではなくて二年生なんですけど大丈夫ですか?」
先輩「?? え、まじ?すごいじゃん!そんな熱いやつ俺たちは大歓迎だよ!ちょっと話聞いてってよ」
(うる覚えなので一部自作)
 嬉しかった。正直、こんな自分が相手にされるとは思っていなかった。誰でも温かく迎え入れるという、そんなラグビー部がJokerと偶然重なった。テント列を終えて僕は80%くらい入部することを決めた。その後も色んな新歓イベントに誘っていただいた。ラグビー部の楽しくて仲よさそうな雰囲気に惹かれていった。そしてついに僕はラグビー部に一浪して入部したのである。(ちなみに入試も一浪しています。)

 三話 二度の脳震盪 退部の危機

 聞いた話ではラグビー部に(入試ではなくて)浪人して入部する人は前例がないようだった。だから最初から僕は相当変わった人だと思われてしまった。僕が本当は二年生であるということを説明するのは大変で、しばしば同期の一年生を混乱させてしまった。七月くらいまで知らなかったという河内くんには申し訳なく思っている。
 周りの人は五島がラグビー部に入るというのは冗談で言っているだけだと思っていたらしい。「一ヶ月も続けば上等」などと言われたりもした。ただ、最初の方は未経験者ということで色んな人から個別にパスの放り方やタックルの入り方など基本的なことを丁寧にゆっくり教えていただき、ついていけるなと思っていた。しかし新入生として甘えられるのは五月くらいまでであった。六月くらいから練習時間も増え、コンタクト練習も出てきて、試合にまで出させられるようになった。雨であろうと関係なく練習は行われる。やっぱり部活はサークルとは訳が違う。運動部の厳しさを思い知っていった。
 そんな中、9月4日、僕は人生で始めて脳震盪というものを経験した。目が覚めたら自分がどうしてベンチに座っているのかが分からず、何月なのかも分からず、こんなシュールな体験をしたことはなかったので思わず笑ってしまった。タッチの強度の試合形式の練習なのにこうなってしまった自分が情けなかった。幸い、記憶はすぐに戻ったので軽症であり、2週間後に復帰した。しかしまた災難が襲いかかった。復帰直後の19日、二度目の脳震盪をしてしまった。直後に意識はあったがなんか頭がちょっと痛いという状態が数時間続いた。家に帰って父に報告したら、やっぱりラグビーやめたらどうだと言われた。こんな短期間で、しかも練習で二回も怪我をしてしまうのはラグビー向いてないのではないか、危なすぎる。今まで続けられてきただけでも良くやったと思うよと。
 父の言うことはもっともかもしれない。僕は退部の可能性も考えるようになった。

 四話 日本中が沸いたラグビーワールドカップ ラグビーへの思い再燃

 二度目の脳震盪が起きた翌日、ずっと楽しみにしていたラグビーワールドカップが開幕した。ラグビー部を続けるかどうか結論を出すのは一旦置いといて、とりあえずワールドカップを楽しむことにした。脳震盪を二回連続でしてしまったことにより、安静にしなければならない状態が長く続いたので、家で試合をずっと見るようになった。面白い試合は何回か録画を見なおしたりした。
 9月28日、日本対アイルランド。アイルランドは22日にスコットランドを圧倒して勝っており、世界ランク1位とも言われていた。何とか善戦して欲しいなという思いだった。あいにく前半は外出していて結果を見られず、学年ラインで聞いてみたら54対3で日本が負けているとのこと。嘘をついたゴタツくんは許しません。でも急いで帰って見てみたら日本が3点差を追っていて、いける!と思った。福岡堅樹選手の逆転トライを見たときはじっとしていられなかった。勝利の瞬間と大男たちの嬉し涙。心が震えた。ラグビーはこんなにも感動するのか。答えは自ずと決まりかけていた。ラグビー続けたい。もうちょっと頑張ってみようと思った。
 10月13日、日本対スコットランド。初の決勝トーナメント進出に向けた最後の一戦であった。祈るような思いだった。稲垣選手のトライは本当に鳥肌が立った。勝利とグループ首位通過の決定の瞬間は一生忘れることはないだろう。こんな日本中が熱い時にラグビーしててほんと良かったと思った。ラグビーを続けたいという意志がより強固になった。結局、僕はラグビー部を続けることにした。
 ラグビー日本代表、勇気をたくさんくれて本当にありがとう。

 五話 Victory Road この道ずっと行けば最後は笑える日が来るのさ

ワールドカップで最も印象に残ったのはチェスリンコルビ選手であった。身長は僕と同じくらいで南アの周りの選手たちと比べるとすごく小柄なのにスピードを武器に大活躍しているのがかっこいいと思った。特に決勝での優勝を決定づけるトライは勇気と感動を大いにもらった。入部当初はジョナロムー選手のような大型暴走ウイングになりたいと思っていて、それもすごく魅力的なのだが、体のサイズをそこまで大きくするのは難しいので、コルビ選手のような小動物的俊敏ウイングになりたいと最近になって思っている。
ただ言うのは簡単だが、自分の理想と現実は大きくかけ離れている。ありえないほど練習でノックオンをするし、ありえないほど体力はないし、ありえないほど体は弱い。今までほとんどスポーツをやってこなかったので怪我もあまりしたことがなかったが、去年の10月から12月は膝の怪我や捻挫にも悩まされた。最近では、軽い疲労骨折が判明し、一ヶ月ほど練習には参加できなくなった。思っていた以上に壁の連続である。確かに僕はラグビーに、というかスポーツにもともとあまり向いていないのかもしれない。しかし、壁を超えていくごとに少しずつ確実に強くなっていけると思う。リハビリとトレーニングをやり切ってしっかり復帰するのが今の目標である。決して楽な道ではないかもしれない。しかしこの道をずっと行けばいつかは輝ける日が来る。そう信じて日々頑張っていきたいと思う。 続

どうでしたでしょうか。これを読んで自分もラグビーを思いっきりやりたいと思った新入生はぜひラグビー部の入部を考えてみてください。テニスをまったりとやりたいと思った新入生はぜひJokerの入会を考えてみてください。何か打ち込めるものを見つけて楽しい大学生活を送れることを願っております。

次は、ボーデンバレット選手のような甘いルックスで後輩から大人気の同い年の倉上先輩にバトンを回します。
 

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