ラグビー部リレー日記

三度目

投稿日時:2015/04/20(月) 16:56

同期の井上からバトンを受け取りました、三年棚橋春喜です。
このたびは更新が遅くなり申し訳ありません。
このごろ思うところについて書かせていただきます。

泰西のいにしえ。ギリシアの地において、偉大なる知の先人たちは『時間』の概念に二つの名を与えた。
 

クロノスとカイロス
死にゆく者の時間と永遠なる神々の時間
移ろいゆく不可逆の時間と巡り繰り返す時間
 

前者は直線の時間である。時は奔流のように止めどなく流れ、決して戻ることはない。その中で人は、赤子から青年に、青年から成人に、そいて老いとともに死に近づいていく。
後者は円環を描く。天体の円運動がもたらす終わりのない循環である。天球を太陽と月が一巡りすることで一日となり、それが365回訪れると季節がめぐる。昼と夜、春夏秋冬、月の満ち欠けが絶え間なく繰り返し、いずれまた同じ場所に戻ってくる。
我々を取り巻く時間はこの二つの様相をもち、その中で我々は生きている。
 

さて、この二つの時間は私のラグビーとともにある生活にいかなる解釈を与えるか。
日々は練習の繰り返しである。日が登る度駒場のグラウンドでボールを追う。何度もスクラムを組み、何度も走り、何度もバーベルを上げる。そして毎日繰り返す。
日々の積み重ねは年月を経る。私がこの生活の循環の中に身をおいて三度目の春を迎えようとしている。季節が巡ることは試合が巡りくることになる。1年生の時分、大敗した防衛大戦がまたやってくる。2年生の頃、歓喜に震えた九州大戦が今年もひかえている。記憶の中にある対戦相手が、グラウンドが一年の空白をおいてまた訪れる。
 

ラグビー部における生活は、毎日・毎年の繰り返し、つまりカイロス的時間の中にある。
しかし、私は単調な反復の中に我が身を埋めているわけではない。私という個人は絶えず移り変わるクロノス的時間の中にある。
今日は昨日より強く、激しく、速く。明日は今日より、一歩前へ。息もつかせぬめまぐるしい毎日の繰り返しの中で、経験は、理解は、肉体は成長する。果ても見えぬ無限の時間の直線の上、戦いの中にいるのなら、強くならねばならぬ。
桜は散った。今年も定期戦がやってくる。昨年より大きくなった自分。昨日より強くなった自分。三度目の春は未だ経験したことのない、『三年生としての』春である。
「現在」を全力で闘う他ない。



次は、最近新しい自転車を買った同期の大畑君にまわしたいと思います。

 

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