ラグビー部リレー日記 2015/1

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4年生という意味

 written by 藤堂 欣充 投稿日時:2015/01/24(土) 22:31

こんにちは。岡本からバトンを受け取りました。
法学部にもっとも近い経済学部生、4年の藤堂です。

奇しくも今日、僕らの代のJrコーチをして下さった宮野さんやその同期の堀越さん、瀬能さんが新4年生に激励会を開いて下さった。
思い返すと検見川でのセービング練習やクロスカントリーから始まり、駒場ではエビやダウンボールを毎日繰り返し、山中では靭帯が切れたことに気付かず黙々と車を押していたことが昨日のことのように感じられる。
繰り返しになるが落合さん達や悠史さん達のJrコーチ陣には本当にお世話になり感謝の言葉は書ききれない。
あれから3年たち、最高学年になった。
3年生の春ごろまでは、練習中は与えられたメニューをただただ無我夢中でこなし、自分の課題や上手くいかなかった点を見つけて練習後に何人かつかまえて自主練(もっぱらスクラムだったが)を行うことだけが自分のすべきことであり、その先もそのルーティンを繰り返すことが全てだと思っていた。

しかし、練習の合間に加藤さんや江村さんが言葉を絞り出して引っ張る姿を見て気づかされた。そうではないんだと。
上級生には練習の質を、試合の雰囲気を、作り上げる責務がある。ただ黙って自分のプレイと向き合うだけの人間であってはならない。そして特に、首脳陣以外の4年生がどれだけ真摯に練習について考え試合中に体を張れるかがその代の成り行きのカギを握っていると感じた。
カリスマ的存在だった松木さん、セットプレーの中心だった大川さん鉄本さんが抜け、今年特にFWは4年生の地力が試されている。
たいしたテクニックもラグビー偏差値もない自分が練習中にあれやこれや言うのは簡単なことではないが、可能な限り声を出し、時には反面教師といった形でも見本となるようなポジティブさを持って取り組んでいく。

プレーヤー一個人としては、今年の目標は「試合に出て」「勝つ」ことだ。
ここにダラダラ書くことでもないので詳述はしないが、去年一年間通して思ったことは、自分は信頼されるプレーヤーではなかったということ。
まずは大きなミスをしない安心感を周りに与えられるようにならねばならない。

語るのが苦手なので短くまとめてしまいましたが、残りは次回にとっておこうと思います。

次のバトンは
心はガラスのハート、頼るのは人のノート、我らが経済学部のニート芹澤くんにお願いします。

嫌われる勇気を持とう

 written by 岡本 捷太郎 投稿日時:2015/01/23(金) 04:00

同期の山本よりバトンを受け取りました岡本です。
最後の法学徒とのフレコミがありましたが、おそらく法学部同期の中で本当に「最後の法学徒」となってしまう可能性が高いのでは、と自覚させられる今日この頃です。


さて、去る1月15日に行われたプレシーズンミーティングにて、チーム全体としては「全員がラグビーを真剣に考える」というテーマが掲げられましたが、ここでは私個人の、本年度のテーマを述べさせて頂きたいと思います。
それはずばり、「嫌われる勇気を持つ」ことです。

思えば人生22年、私はずっと優等生でありました。
「勉強しろ」と言われれば勉強しましたし、「働け」と言われれば働きました。
何でも言うことを聞く素直な人間で、不平不満は滅多に吐いた事がありません。
一方で、それは周囲の人間に嫌われるのがただ恐怖だったのだ、ということもまた自覚しておりました。

ところが去年の冬でしょうか、ついに己が塗り固めてきた仮面がぼろぼろと剥がされていくような、そんな出来事がありました。
後輩の津川が先輩某マネージャーを冗談交じりにからかった後、
放った一言を今でも覚えています。
「僕は嫌われることを恐れないので。自分守ってたら何にもならないじゃないですか。」
津川はいつもの様にガハハハハと豪快な笑い声を上げながら去って行きました。
他愛のない会話の一言ではありましたが、僕は一種の憧れともいえる、津川の生き様に触れた気がしました。

「津川には首脳陣に対しても忌憚なく意見を発信して、チームを牽引していこうという覚悟がある。
自らに対する反論、反感は生じ得るかもしれないが、間違いなくその相克がチームの原動力になるはずだ。」
「一方で僕はなんだ。ラグビーを考えていないわけではない、経験だって浅いわけではない。
なのに周りに追従しているだけで、何一つチームに発信することがない、還元するものがない。」
津川の言葉を反芻する度に、頭に渦巻いていたのはこんな感情でした。

だからこそ思うのです。「今年こそ私は、憎まれ役にならねばならない」と。
チームを強くするためには、仲良くラグビーをするだけではいけないでしょう。
時には殴り合いの喧嘩になっても、それぞれの思いを本気でぶつけねばならない時があるでしょう。
そしてそんなぶつかり合いが、「全員がラグビーを本気で考えた」末の営みである限り、この部は本当に強くなるのだと思います。
そんな時、私は皆にいい顔をする人間ではなく、先頭で言葉と拳をぶつけ合う、そんな人間でありたいと思っています。


次は、私の様な優等生とは対極の存在、(いい意味で)ワルガキの中のワルガキの藤堂欣充にバトンを託します。

4年生としてできること

 written by 山本 高大 投稿日時:2015/01/22(木) 23:48

同期の古橋よりバトンを受け取りました山本です。

 

「自分自身がどうしたら上手くなるのかということだけじゃなく、どうしたら周りもレベルアップするのかについて各々考えてほしい」

昨年12月に行われた新首脳(2015年の首脳陣)が主導する練習2日目、練習前に3年生(今の新4年生)のミーティングで言われたことだ。最上級生が雰囲気を作っていかないと東大は練習が成り立たなくなる。各々のことだけでなく、チーム全体の成長を考えないと勝利はあり得ない。ちょっと考えれば当たり前のことだが、僕自身はそれを聞いてちょっとした衝撃を受けてしまった。今まで自分自身がどうしたら成長できるかについては少しは考えたつもりではあるが、チームのレベルアップについて考えたことはあまりなかった。これが4年生になるということなんだなと初めて実感した気がする。

 

年が明けるとウエイト・パート練習の期間が始まった。例年と同じようにヒィヒィ言いながらバーベルを持ち上げているわけだが、ふとした瞬間に、もう1月何日という日を東大ラグビー部員として迎えることは無いんだ、ということに気付いた。ラグビー部員として迎える最後の日付。最上級生となれば当たり前のことなのだが、そのことが少し怖いと感じた。僕自身はこの3年間はそれ相応の長さがあったような気がするが、それでも1年後はこの部にいない、そんな当たり前のことが怖いと感じたし、そのことで自分が最上級生なんだということを改めて痛感した。そして同時に、4年生として僕がチームの成長に貢献できることは何なのか、改めて考えさせられた。

 

すこし話を前に戻す。1年生の秋、僕にとっては日々の練習が本当に辛かった。フィットネスでは大体の場合ほとんどの人に周回差をつけられ、プロップの仕事場であるスクラムでもボコボコにされ、全く光が見えてこなかった。特にスクラムはボコボコにされるだけでなく、何をどうやっても組み合う時に地面に墜落してしまい、もう恐怖でしかなかった。試合では未経験者で同期の古橋がBKのようなランをみせたり、松田が強烈なタックルをさく裂させたりしている中、僕は本当に何も出来ていなかった。

そんな中でも続けてこられたのは、同期や先輩が面白かったり、自分にとって今まで経験したことのない強い感動を覚える試合があったりと、理由は色々あったと思うが、その中でも当時4年生の持田さんの存在が大きかったように感じる。持田さんもラグビーは大学から始められたが、4年生の時にはこれぞ東大のタックルというようなタックルをもう数えきれないほど相手に浴びせ、不動のフランカーになっていた。当時の自分からすると、本当に憧れの的であったが、そんな自分に持田さんは良く声をかけてくださった。その中で当時抱えていた不安や愚痴を色々聞いてくださったと同時に、それは持田さん自身も下級生のときに同じように感じていたこと、3年生になってからラグビーを楽しいと思えるようになったことなどを聞かされ、励ましてもらった。高校未経験で小柄ながら対抗戦で活躍している持田さんからもらったその言葉は、僕にとって大きな力を持っていたし、信じてみようという気にさせるものだった。

 

今年のチームは部員全員に「考える」ことを求めている。確かに高校での経験値が少ない東大ラグビー部が他の大学に勝とうとした場合、漫然とやっていたのではその差が埋まるわけがない。ただその一方でそのことは、特に未経験で入ってきた人間にとっては一体何を考えればよいのか分からなかったりして、おそらく結構大変なことなのではないかと思う。考えるべき点が多すぎて何から手を付けて良いのかすら分からないような状況がきっとあるだろう。それは僕自身もそうであった。ただ、僕自身はそのとき、とにかくスクラムについてまず考えるようになった。いや、考えるということのほどでもなかったかもしれないが、とにかくマシンヒットを繰り返してみたりビデオをみたり先輩にアドバイスを求めたり、色々試してみた。その結果スクラムは人並み程度には組めるようになり、怪我人が出たという事情もあって、スイカの試合にも出してもらえた。スクラムで勝つことに拘った結果フィジカルがついてきて、フィールドプレーでも自信を持てるようになった気がする。そうしたちょっとした成功体験が重なっていくうちに、気が付けば持田さんに言われた通り、3年の途中から本当にラグビーが楽しいと思えるようになってきた。

 

自分なりに積んだ経験から得られた感覚を出来るだけ下級生に伝えること。そういったことを通して、悩んでいる下級生にステップアップするきっかけをつくること。月並みではあるが僕がチームの成長のためにできることなのかなと思う。首脳陣の考えをしっかり理解しそれを下級生と共有し、同時に悩んでいる人をバックアップできるような存在でありたい。横、すなわち同学年とのパックをしっかり取り、後ろ、すなわち下級生からの力をしっかり伝える。そういった意味でプレーの外でもプロップのような役割を果たすことが、自分が4年生としてできることなんだと思う。

 

僕自身は極めて運動神経が悪い。ただ、ラグビーは運動神経が悪くて他のスポーツでは表舞台に立てなかった人間でもヒーローになるチャンスのある競技なんだと思う。またあるOBに、東大ラグビー部は未経験者に勢いのある年にこそ結果が出せる、という話を聞いたことがある。この1年間で、そのことを自分で実証すべく、とにかく泥臭く努力を積んでいきたい。

 

最後までお付き合い下さりありがとうございました。

今までのところ、なぜかずっと法学部の人間でバトンが回されているので、それにならって次は最後の法学徒、岡本捷太郎に回したいと思います。

3年間を振り返って

 written by 古橋 秀胤 投稿日時:2015/01/21(水) 12:03

同期の川口からバトンを受け取りました、新4年の古橋です。

木下の日記には「リレー日記で新4年が熱い思いを乗せる」とありましたが、そのような熱いことを語るような柄でもないため、新4年となった今の心境を綴ろうかと思います。

私が東大ラグビー部の門をたたいてからはや3年。ついに最高学年となりました。この3年をどのように感じるかは人それぞれですが、私にはとても短かったように感じられます。1年生の夏合宿でジュニア全員でハイエースを押したことがつい昨日のことのようです。

思えばこの3年、私は多くの先輩に支えられてきました。ラグビーのプレー関しては、もちろん自分なりに試行錯誤もしてきましたが、本当にいろいろな先輩にアドバイスをもらいながらでした。1年のときには落合さんをはじめとするジュニアコーチの方々にラグビーの基本を教わり、2年のときには特に磯崎さんたち当時4年のFWの先輩にフィールドでの動き方やスクラムの組み方などを教えていただきそれなりのラガーマンへと成長することができました。そして去年は、ラグビー偏差値の高い鉄本さんにAT面での技術を教えてもらい、ロックの斎藤将さんにラインアウトを指導してもらい、ハーフの森智章さんにハーフからのボールのもらい方を教えてもらいました。またプレー以外でも、例えば絵梨香さんにはテーピングをずっと巻いてもらいました。他にもまだまだ書ききれませんが、本当に諸先輩方にはお世話になりました。

先週行われたキックオフミーティングでは「プレーヤー全員がラグビーをもっと考えよう」という話が出ました。今述べたことを振り返ると、私は先輩に甘えてばかりで自分で考えるということをあまりしてこなかった気がします。しかしそんな自分ももう4年。すでに先輩は引退され自分たちの代となっていますし、これからは私が先輩から教わったような内容を後輩にも伝えていかなくてはなりません。昨日からポジション別の練習が始まり、早速自分で考えるという場面がたくさん出てきましたが、自分で考えるというのは案外大変なものです。ですが自分で考えることで知らず知らずのうちにラグビーをもっと理解できているようにも感じます。先日もラグビーの動画を見漁っているとまた新たな発見をすることがありました。「ラグビーを考える」というのは今シーズンのテーマであるため、これからも自分なりに努力してラグビーについて考えていく所存です。

さて話は変わりますが、他の同期には「ラグビーしんどい」「早く引退したい」と愚痴をこぼす人もいます。ですが、はっきり言って私は現段階ではラグビーが楽しくて仕方がありません。もうあと1年しかラグビーができないのかとすでに若干寂しくなるときもあります。先日、私が1年のときの1年生試合を見返してみたのですが、私も含めみな下手でとてもラグビーの試合と呼べるようなものではありませんでした。特に自分はほぼ何もしておらず、よくこんなので試合に出ていたなと少し惨めにもなりました。そう考えると今の自分は当時とは比べ物にならないぐらい成長していると思います。ラグビーが楽しいと感じられるのもそういった成長を実感できているからなのかもしれません。

1年後自分が卒部するとき、まだまだ成長できると感じながら卒部したのでは必ず悔いが残ります。今シーズン、チームとしては入替戦出場を目標としていますが、個人としてはラグビーをやりきったと思えるように最大限努力して参りたいと思います。


熱いことを語るのは苦手だと言いながら長文となってしまい失礼致しました。
次は、1年のときはすごく細かったが今は見違えるほど大きくなった同期の山本に回したいと思います。
 

誇れること

 written by 川口 峻悟 投稿日時:2015/01/20(火) 12:10

同期の木下から指名を受けました、川口です。
 
「あなたにとって、学生時代で最も誇れることは何ですか?」ある企業のエントリーシート課題の中に、こんな質問があった。
 
東京大学に入って3年間、ラグビー部に入って毎日練習をし、幸せなことにAチームでもプレーができるようになった。誇れることなんていくらでもあるだろう。そう思って課題に手をつけた。
 
しかし、どれだけ考えても自信を持って誇れると言えることは見つからなかった。確かに、今の自分は入学当初より体は大きくなったし、ラグビーだって上達したと思う。だけれども、とてつもないウエイトトレーニングをして、誰より体が大きくなった訳でもなければ、常に練習に全力で取り組み、誰よりも上手になったわけでもない。練習にしろトレーニングにしろ、自分は常にそれなりに頑張って、それなりに上達していると思っていただけで、実際は苦しいことから目をそむけて逃げ続け、大切な部分は何も変わっていなかったのだという事実が、誇れることを探せば探すほど自分に突きつけられた。
 
周りを見てみると、自分と同じで高校からラグビーを始め、同じポジションでやっていた和宏は、気づけば自分のずいぶん前を走っていて、チームにとって欠かせない存在になっていた。どうして和宏はあれだけ成長しているのに、自分は少しずつしか変わらないのだろう、とこれまで何度も考え、彼を羨ましく思っていたが、何のことはなく、彼が3年間全力でラグビーに向き合っている間、自分はただ練習をこなし苦しいことから逃げていただけの話で、これだけの差がつくのは当然のことだと納得した。そして、自分の3年間がいかに薄っぺらなものだったのか、とてつもない情けなさを感じた。本当に、誇れるものなど自分には何一つなかった。
 
4年生になり、ここでラグビーができるのもあと1年となってしまった今、このまま「誇れること」が何もないまま卒部するのでは、この部に入った意味がないと強く思う。自分のつたないプレーを助けてくれた先輩方や、能力が高く、ついてくるどころかむしろ引っ張ってくれるような後輩たち、絶対に負けたくないと奮い立たせてくれる同期、支えてくださるマネージャーやトレーナーの方々、この大学に自分を通わせてくれ、誰よりも自分のことを応援してくれている両親。これだけたくさんの人に支えられていることを強く胸に刻み、今年1年、何事からも逃げることなく、ラグビーに向き合い続ける。1年後、胸を張って「誇れることは、自分たちの代で目標である入れ替え戦出場を達成したことです。」と言えるように。
 
次は、同じ法学部で彫刻のような肉体を持つ古橋君にお願いします。
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2015/01/24(土) 22:31
4年生という意味
2015/01/23(金) 04:00
嫌われる勇気を持とう
2015/01/22(木) 23:48
4年生としてできること
2015/01/21(水) 12:03
3年間を振り返って
2015/01/20(火) 12:10
誇れること
2015/01/17(土) 22:32
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