ラグビー部リレー日記 2020/11

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最初の一歩と最後の一歩

投稿日時:2020/11/18(水) 16:13

優しい先輩ばかりなので1位を決めるのは難しいですが、確実に優しい先輩No.1候補である國枝さんからバトンを受け取りました、1年の手島です。
初めて見学に来た日も、入部したばかりでどうすれば良いかわからなかった時も、フィットネスできつそうにしていた時も声をかけてくださって、國枝さんにはいつも助けられています。1年生の中で来年の1番怖い先輩候補にされてしまっている手島ですが、國枝さんのような優しい先輩になれるよう頑張ります。

と、バトンをもらう相手の紹介を書いて、ついにリレー日記を書く側になったのだなと感じます。僕はこのリレー日記がとても好きで、ラグビー部に入ることを考え始めた頃から、ずっと読んできました。今までは読むだけだったのに、もう書く側の人になった。先日、部の正装を着て試合会場に行った時にラグビー部への仲間入りを強く感じましたが、今、それと同じくらいラグビー部に入部したことを実感しています。

今回は記念すべき(?)初めてのリレー日記なので、僕の入部までの最初の一歩と最後の一歩について書きたいと思います。


僕のラグビーとの出会いは2019年W杯である。もちろんその前からラグビーという競技は知っていたが、初めてちゃんとラグビーを観たのはその時だった。当時浪人生だった僕は、大会開幕当初は全く興味を示していなかった。日本がアイルランドに勝利してラグビーブームが加速し、さすがに話題についていけないとまずいと感じたので、サモア戦から観始めた。この日が僕の人生の分かれ道になった。一瞬でラグビーの虜になったのである。
その日から、僕の浪人生活にラグビーが入ってきた。入試直前期にピリピリして傷つけてしまうことが怖くて、必要以上に友達付き合いをしていなかった僕は、TVerが1番の友達だった。昼ごはんはいつもTVerでドラマを観ながら一人で食べていたのだが、このドラマがW杯の試合に変わったのである。2日で1試合で、週に3試合。これを数週間続けたからそれなりの数の試合を観たはずだ。簡単なところまでしかルールを知らなかったけれど、本当に面白くて、毎日の楽しみになっていた。観ているうちに「ラグビーをしてみたい」という気持ちが芽生えた。気づいたらスタート地点に立っていた。

スタート地点に立ったものの、一歩目を踏み出す勇気はなかった。ラグビーは未経験だし、高校でまともに部活をしていなかった自分には大学でラグビーをすることはできないと思って諦めていたからだ。どんな大学生活を過ごしたいのかが決まらず困っていた時に、最初の一歩を踏み出すきっかけを与えてくれた人が現れた。僕の上クラで2年スタッフのゆきさんである。

「バレーボールやってたならラグビー部でも大活躍できると思うんだよね!」

バレーボールでの経験がラグビーに生きるとは思えず、かなり強引な勧誘だなとは思ったが、とても嬉しかった。「勧誘されたから」という口実で、とりあえずラグビー部を候補に入れられるようになったからだ。もし身の程知らずだと思われても、勧誘のせいにすれば良い。格好悪いかもしれないが、こうして「保険」を手にしたことで最初の一歩を踏み出すことができた。ゆきさんがいなかったら今ここにいなかったと思うので、ゆきさんには本当に感謝しています。ありがとうございます。
(ちなみに、ゆきさんは下クラから未経験のプレーヤーを2人入部させたという実績があり、今年の新歓MVPなのではないかと個人的に思っています。)


それから何人もの部員から話を聞き、オンライン新歓イベントに参加し、SNSやHPをチェックして、ラグビー部のことを知っていった。9月になると、対面での新歓が可能となり、体験練習や見学を通じてラグビー部に入りたいという思いはどんどん強くなった。もう入らないという選択肢はない、そう思っているのに最後の一歩がまた踏み出せない。未経験の僕にもやりたいと思ったことに挑戦させてくれる環境があって、先輩も先に入部していた1年生も良い人ばかりで、朝も起きようと思えば起きられるようになっていて、心配事は何一つなさそうだったのに、最後の一歩が踏み出せなかった。
何が心に引っかかっているのか、何日も考えたけれど、わからない。わからなかったけれど、入るか入らないかを考えているうちに、「やりたいと思ったことを諦めたくない」と思うようになった。思えば今まで生きてきた中で、やりたいと思っていたのに諦めてしまったことがたくさんある。でも、最後の学生生活までそんな後悔で塗りつぶしたくない。そう思ったら、最後の一歩を踏み出すことができた。

結局入部から1ヶ月半経った今も、最後に何が引っかかっていたのかわからないままだけれど、あの時諦めなくて良かった。まだまだ始まったばかりだけれど、自分の限界を自分で決めず、諦めないことを大切にラグビー人生を歩んでいきたいと思う。


感謝するべき人への感謝と、決意表明のようなものが書けたところで、今回のリレー日記は終わりにしようと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次はバナナとあんぱんといえば、の杉井さんにバトンを渡します。
杉井さんは部員のSNSをよく見ていて、情報収集能力No.1だと聞いているので、杉井さんにネタにされないようSNSでの発言には細心の注意を払いたいと思います。
 
 

コミュニケーション

 written by 國枝 健 投稿日時:2020/11/15(日) 23:56

野田君からバトンをもらいました同じく2年の國枝です。彼は新歓委員でないのにも関わらず、一昨日、新歓委員の僕に、高校生への新歓活動についてのアイデアをわざわざ話に来てくれました。彼は本気で東大ラグビー部を強くしたいと考えていて、その姿勢には見習うべきところがあると常々思っています。彼が完全復帰してくれる日を待ち望んでいます。

つい先日、アマゾンプライムビデオで、「愛していると言ってくれ」というドラマを視聴した。1995年にTBSで放送されたドラマで、最高視聴率は28.1%。主題歌の「LOVE LOVE LOVE」はダブルミリオンを記録するなど(母いわく)当時はかなりの反響があったようだ。
 正直、観始める前は、「ありがちな安い恋愛ドラマだろうし、つまらなかったらすぐやめよう」くらいの心持ちだったのだが、回を重ねるごとにのめりこんでしまい、結局、最終話まで夢中になって観てしまった。

ドラマは、聴覚に障がいを持つ画家(榊晃次)と女優の卵(水野紘子)のラブストーリーを大きな軸に据えている。もちろん豊川悦二演じる榊晃次は最高にハンサムだし、常盤貴子演じる水野紘子は最高に美しいし、キュンキュンするシーンもあるし、ストーリーの展開も面白いし、単純にラブストーリーとして十分に完成されているのだが、このドラマの最大の魅力は丁寧に描かれたコミュニケーションの部分にある。(と僕は思う。)


ドラマの中で、二人は、様々な形でコミュニケーションをとる。当時はまだポケベルが全盛期の時代なので、二人は、FAXを使ったり、時には手紙を送ったりと様々な方法で連絡を取り合う。当然、うまく連絡が取れずに、もどかしい思いをしたり、意思疎通がうまくいかずに行き違いが生じたりするのだが、そういった場面に二人の感情の機微があらわれる所がこのドラマの魅力の1つでもある。


また、基本的に二人は手話を通じて会話をするのだが、僕はこのドラマを見て手話という言語に、大きな魅力を感じた。手話は、同じ動作でも手を動かすスピードや力強さ、顔の表情の変化などで、感情の程度の違いが伝わるため、表現の幅がとても広い。また、声を出すことができない場所でも会話をすることができるという手話ならではの特性もある。

 そして、このドラマ最大のおすすめポイントは、言葉では表現することのできない繊細な感情やメッセージを、言語以外の媒体を通じて相手に伝えるシーンの美しさである。このドラマは、人に何かを伝える、コミュニケーションをとる、ということが、いかに難しく、そして同時に、いかに素敵な営みであるかということを教えてくれる。


ところで、チームスポーツにおいて、良いコミュニケーションをとることは、勝利への必要条件である。とりわけラグビーは競技の特性上、コミュニケーションの質が勝負を大きく左右する。
先日の練習で、ヘッドコーチの深津さんが、「声を出すことは、相手に意思を伝える行為であると同時に、自分へのコミットメントでもある」とおっしゃっていたが、これはプレー中のコミュニケーションに関する本質的な指摘であると僕は思う。

 
例えば、試合で、体力のキツい時間帯に、ある選手が「最後まで走り切ろう」とチームを鼓舞する声を出したとする。これはもちろん、チームの他の選手を勇気付けることになるが、それと同時に、「最後まで走り切ろうと呼びかけた自分自身が走り切らなくてはいけない」と自らを奮い立たせることにもなる。

接点付近でパスを受ける選手が「放れ」と一言、言うだけでも、言わないのとでは全く違う。それはパサーにパスを受け取る意思とタイミングを伝えるのと同時に、「自分がパスを受け、強くヒットして何が何でも前に出る」という責任を自分に課すことにもなる。

 
辛いから、自信がないから声を出せないのではなくて、声を出すから踏ん張れる、声を出すことで自信や責任が生まれる、という逆転の関係がそこにはあるのかもしれない。


1つ1つの局面で、強いプレーを選択し続けるためには、チーム全員が積極的にコミュニケーションをとる意識を持つ必要がある。僕自身、まだまだ、コミュニケーションの部分で改善できる余地がたくさんある。スイカを着るためにも、日々の練習の中で常にコミニュケーションを取り続けることを意識していきたいと思う。


最後までお読みいただきありがとうございます。次は一年生の手島にバトンを渡したいと思います。彼は、体重86キロという恵まれた体格を持つだけでなく、ハンドリングのセンスもあって、さらにはフィットネスでも一年生でトップの結果を残しており、僕が大きく期待を寄せている新入生の一人です。彼の初試合が観れる日を心待ちにしています。
 

ぶち抜く

投稿日時:2020/11/12(木) 15:44

 チーム最大派閥の桐光学園出身の今塩さんからバトンをいただきました、2年の野田です。
今塩さんのミスにビビらないアタックの思い切りの良さを見習いたいと常々思っています。

 腰の調子がある程度回復し、最近ようやくコンタクトプレーが本格的にできるようになった。
 ヒットが好きな自分にとっては、やっとラグビーらしいことができるようになり、かなりテンションが上がっている。
そうして自分の好きなプレーができるとなった時に、怪我していたときの積み重ねというのを感じた。

 焦りながらもやった地味な体幹トレやバランストレーニングのおかげで、当たる瞬間に姿勢が前より安定している。
 
 コロナ禍のなかで、ランニングの代わりにやりこんだバトルロープのおかげで、肩のパンチ力がついた。

 夏頃に大西コーチのご指導のもと、土台となる足腰の筋力を鍛えたり、強くて低い姿勢を練習したから、ヒットの時のインパクトが強くなった。
 

 怪我していた一年間もちゃんと前に進めている、そこに気づけてホッとした。だが秩父宮でプレーしているような選手をぶち抜くには、まだフィジカルも技術も足りてはいない。もう一度気を引き締め直して着実に一歩一歩進んでいきたい。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次は、去年の菅平合宿を一緒に帰って、その時に本人同士の知らないところで意外なつながりが発覚した健にバトンを渡します。
去年はお互いDL期間が長かったなか(僕は今もですが)、めげずにラグビー理解度、フィジカル、スキルをコツコツ真面目に鍛え抜いてきた彼ですが、自主練でコンタクト練に誘うと毎回フラれています。

 

四年生

 written by 今塩屋 亮太 投稿日時:2020/11/12(木) 10:36





後輩に心を開くまで時間のかかる山口さんからバトンをもらいました今塩屋です。僕に心を開いているかはわかりませんが、とりあえず美味しいご飯に連れて行ってください。



今回のリレー日記では僕の今年最後の日記なので、特別企画で引退まであと数ヶ月の今の四年生一人一人へ思ってることを綴ろうと思います。



まずはスタッフ陣から



すずねさん  部内で一番僕の怪我を気にかけてくれる人でたくさんいるプレイヤー全員の怪我を把握していると考えるといつも凄いなと思う。



ともかさん 就活が終わったからか、最近キャピ度が増してきた。なんやかんやチームの雰囲気盛り上げてる。 



太田さん 部活ではスーパー出来る人として君臨している。が、実は僕と学科同期であり授業などでは助け合ったりしてる。



そもそもプレイヤーからするとスタッフの人達には感謝しかないです。いつもありがとうございます。



プレイヤー陣



山口さん 冒頭のやつ



矢野さん いっつもマイペースな人、と思いきややっぱ4年生になってチームを引っ張ろうと言う感じが伝わってくる。



宝さん 今の4年生の中で一番最初に話せるようになった人でいい人感がすごい。



拓郎さん 純粋な目をしているが、未だになにを考えているか分からない。



吉村さん 去年までいなかったので接する機会は少ないけど、今の吉村さんを見てると純粋にラグビーを楽しんでいるのが伝わってきてこっちも頑張ろうと思う。



前原さん 笑いにストイックで常に前原さんの周りには笑いが巻き起こってる。頭の中を覗いてみたい。



虎さん 一緒にいる時間が長くて先輩感はない。大体いつも変な事してるけどそんなお茶目なとこも好きです。



やまけんさん ゆるーいひと。僕が入部した時からずっと同じ髪型と眉毛。



倉上さん 1回だけ怒らせちゃったことあるけど、基本底なしに優しい。明るい。



松井さん 関西節を使いこなして笑いをおこし、ラグビー部内のダウンタウン的地位を築き上げている。



藤井さん やっぱり四頭筋がすごい。ちょこちょこわかりやすい習性がある。



と、こんな感じで書いて来たように僕は今の4年生が大好きなので残りのシーズンで今のチームに貢献できるよう頑張ります。



次はもはや人気者の野田にバトンを渡します。

 

「1」

 written by 山口 恭平 投稿日時:2020/11/07(土) 19:08

後輩とは思えない威圧感があり、試合中にタッチジャッジに檄を飛ばす姿が印象的だった3年の甲斐からバトンを受けました4年の山口です。


背番号「1」のジャージを受け取るとラグビーの面白さを感じる。背番号「1」番と言えば野球でいえば王貞治など一流選手、サッカーで言えばキーパーが着ることが多いなど、多くのスポーツではチームの花形の選手やエースの選手が背負うことが多いのではないかと思う。


一方ラグビー(ラグビーユニオン)での背番号「1」は左プロップである。試合中にボールを持って走り回ったり、華麗なパスを放ったりすることはほぼない。ほとんどの時間は密集で体をぶつけ合い、顔をしかめながら走り回り、誰かがボールを落とせば身を削りながらスクラムの土台になるという、お世辞にも花形とは言えないポジションだと思う。ラグビーほど背番号「1」が目立たないスポーツはないのではないだろうか。


しかしラグビーをやっていると凄い選手と普通の選手は目立たない所に、違いがあることに気づかされる。倒れた後の起き上がりの早さ、密集への寄りの早さ、デコイのランコース。ラグビーにおいては目立たない所での働きがその後のトライやビッグプレーにつながることが多い。ラグビーでの本当のエースとは華麗なステップでトライを取るウイングや、正確無比なパスを放るスタンドではなく、こうした目立たず泥臭い所に80分こだわり続けることのできる選手なのではないかと思う。


明日の明学戦を皮切りに、ついに2020年シーズンの対抗戦Bが開幕する。4年生として挑む最後のシーズンは、スイカの背番号「1」をエースナンバーにできるように頑張りたい。


最後まで読んでいただきありがとうございます。次は、首相撲で部内最強の3年の今塩屋にバトンを回します。

 
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ぶち抜く
2020/11/12(木) 10:36
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