ブログ 杉浦 育実さんが書いた記事

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目配り 気配り 心配り[ラグビー部リレー日記]

 written by 杉浦 育実投稿日時:2020/04/12(日) 20:40

フィットネスの時、人一倍ストイックに自分を追い込みながらも、チームを鼓舞し続ける頼もしい2年生國枝からバトンを受け取りました。フィットネス嫌いな3年の杉浦です。新型コロナウイルスの影響で練習出来ない日々が続いているせいか、嫌々走っていた苦しいフィットネスでさえ恋しくなってきております。

今回のリレー日記では、コロナウイルスのせいで日常とは異なる生活を送る中で思い出した、高校時代に左足腓骨を骨折した時のエピソードについて書こうと思います。


高校3年生の春季大会。関東大会出場をかけた順位決定戦での出来事。チームは勝利し関東大会出場を決めたが、試合中パスを放りながら無防備な状態でタックルを受けた僕は不運にも相手の膝が左足に入り腓骨を骨折した。2ヶ月間、松葉杖での生活となった。もちろん、念願だった関東大会でもフィールドには立てなかった。

大好きなラグビーが出来ないだけでなく、行動範囲や一人で出来ることが狭まり、フラストレーションが溜まっていく一方だった。

中でも辛かったのが、電車で1時間かけていた通学だった。全く地面に左足を着くことが出来ず、電車の揺れで転倒してしまう危険があったので、座席に座らなければとてもでは無いが通えなかった。少しでも空いている時間にと、いつもより30分以上前の電車に乗っていたが、それでも座席は空いておらず優先席で席を譲ってもらっていた。大抵の人は松葉杖姿の僕を見て席を譲ってくれるのだが、声をかけても不機嫌そうな顔で無視して座り続ける心無い人も中にはいた。ただでさえ煩わしい松葉杖生活なのに、余計にストレスが溜まっていった。荒んだ僕は些細なことでいらいらしたり、無気力になったりして学校を休むなど、ネガティブな発言や行動が増えた。

しかし、そんなある時、とても優しい笑顔で席を譲ってくれたおじさんがいた。その人はそれから僕の足が治るまで毎日、同じ時間、同じ場所に座っていてくれて、僕に席を譲ってくれた。世の中にはひどい人もいるけど、こんなに素敵な人もいるんだなと思えた。当時かなり荒んでいたが、その人のおかげで少しずつ前向きな気持ちになって、前より強くなって復帰するという姿勢でリハビリに取り組めるようになった。そして、リハビリの甲斐あって秋季大会ではフィールドに戻り、引退まで無事にやり遂げることが出来た。

この経験から学んだのは、小さな気遣いや優しさがいかに重要かである。そういった優しさに触れて考え方が明るくなれば、見える世界が変わり、前向きに頑張ることが出来るのだ。

笑顔で毎日席を譲ってくれたおじさんのように、強く優しく、そして周りの人も前向きに変えてしまえるような素敵な人間になることが僕の目標だ。


 最後までお付き合いいただきありがとうございました。コロナウイルスで厳しい状況が続く今、外出できずもどかしい生活ではありますが、考え方ひとつで見える世界が変わるのかもしれません。今出来ることを最大限楽しみましょう。

 次は2年生ながら確実なセットプレーと大きな相手にも臆さず飛び込むハードタックルでチームに欠かせない存在である三方にバトンを回します。彼は昨年の対抗戦フル出場でしたが、いつかの試合で相手チームの観客に「あのフッカー不細工じゃない」と言われたことがショックで頭から離れないそうです。

 

ラグビーノート[ラグビー部リレー日記]

 written by 杉浦 育実投稿日時:2019/11/05(火) 17:47

リレー日記でこぼしてしまうほど失恋をひきずり続けている1年生男子スタッフのあきらからバトンを受け取りました。2年の杉浦です。

今年の対抗戦も残すところあと2試合となりました。なかなか勝ち星を上げることが出来ず苦しいシーズンが続いておりますが、勝利を掴むべくチーム一丸となって最後まで戦い抜いていきます。引き続きご声援のほどよろしくお願い致します。

このリレー日記では、今シーズンから書き始めたラグビーノートについて書こうと思います。

一流のスポーツ選手が練習ノートをつけているという話をよく耳にする。僕も中学高校と顧問の先生方からノートをつけようと言われることが多々あった。だがその度に僕は、「ノート書いても見返さねーよ」とか「練習内容くらい忘れねーわ」と適当な理由をつけてノートを書くことはなかった。

そんな僕がノートを書こうと思ったのは、学年が上がり任せてもらえる仕事が増えたからなどとカッコイイ理由を言いたいところだが、実際は単なる思いつきである。

そんな思い付きで書き始めた始めたノートには、初めのうちは練習内容や戦術の話といった形式的なものが並ぶだけだったが、次第に練習の振り返りや自分のやりたいプレー、そしてラグビーに対する感情をより具体的に自分の言葉で書くようになった。

ノートの中身が充実するにつれて自分の中で変わっていったのは、練習に対する姿勢である。
漠然とした目標を抱きながらただこなすだけになっていた練習に、明確な目標をもって前向きな姿勢で取り組めるようになった。嫌いだったフィットネスにも意味を見いだせるようになってきた。


対抗戦シーズンが始まってからは、感情を書くことが増えた。感情を言葉にして文字として書き記すことで、見返すことはなくとも、自分の中により鮮明に刻み込まれる。
今、僕のラグビーノートに綴られているのは悔しさや不甲斐なさといったネガティブなものばかりだ。その一方で、自分の中では勝利を求める気持ちが日を増すごとに強くなっている。勝ちたいとどれだけ思っても勝てるとは限らないし、ノートを書いていればラグビーが上達するわけではない。
でも、勝ちたい気持ちがないやつには絶対勝利は掴めない。


まずは目の前の試合のチームの勝利のために、そしていつの日かこのノートを勝利の喜びと感動で埋め尽くすために、身を粉にして闘っていこう。

暑苦しい上に面白みの欠片もない文章になってしまい申し訳ございません。ここに書き記した言葉に恥じぬように努力し続けてまいります。

続いては、1年生の河内にバトンを回します。
いつでも優しく笑顔、好青年な河内ですが、渋谷ハロウィンでは漢の顔を見せたそうです。

 

伸びしろ[ラグビー部リレー日記]

 written by 杉浦 育実投稿日時:2019/06/23(日) 21:01

入部時、僕とシルエットが似ていたことからお兄ちゃんと呼ばせていただいていた3年生フロントローの山口さんからバトンを受け取りました、2年バックスの杉浦です。

先日、肉離れでの長期離脱から復帰しました。部員やOBの皆様には、ご心配やご迷惑をお掛けしました。まだコンタクト練習は控えていますが、コンタクトまで完全に復帰できるまであと少し無理せずしっかりとトレーニングに励んでまいります。

さて、このリレー日記では、ラグビーを小さい頃から続けてきた自分の今後の伸びしろについて離脱期間に考えたことを書こうと思います。


昨年の僕は1年生という事もあり、東大ラグビー部の環境に慣れ、その中で良いプレーすることに一生懸命だった。自分が上手くなって良いプレーをすることばかりにこだわって練習していた。

だがこの1年間を振り返ってみると、ラグビー歴が長い僕は、当然のことかもしれないが、他のみんなに比べて伸びが小さかったように感じる。
確かに、必死に取り組んだフィットネスやウェイトトレーニングといったフィジカル面は数値としてみんなと同じように成果が出た。
しかし、未経験や高校からラグビーを始めたチームメイトの成長と比べるとスキルの面においては明らかに成長スピードが遅かった。

誰よりも長くラグビーをやってきたからこそ、負けたくないし、負けられない。
自分に残された伸びしろは何なのか必死に考えた。

最近になってようやく1つの考えにたどり着いた。
「上手く、そして強くなった先の目標はチームが勝つことである。」ということだ。

僕はずっと自分が上手くなる事に目を向けていた。
でも、たとえ僕がどんなに上手くなったとしても、僕個人が少し強くなるだけに過ぎない。
ましてや、伸びしろがあまり残されていない僕の成長なんてたかが知れてる。

だったら、少しでも他のチームメイトの成長に貢献した方がチームとして強くなれるんじゃないだろうか?
ラグビーはチームスポーツで、なおかつフィールドに立てる人数も1チーム15人と他の競技に比べても多い。
極端な話、僕一人が1.1倍強くなるために必要な時間と労力でチームのみんなが1.1倍ずつ強くなれるならそっちの方が明らかに効率がいい。

だから、最近は以前よりも練習中のフィードバックに力を入れたり、グラウンド外でも練習ビデオを見てさらに細かいフィードバックをしたりするようになった。

こんな事を言うと自分が成長するのを諦めたかのように聞こえてしまうかもしれない。
しかし、不思議なことに他の人に注意を向けるようになってから自分の悪い癖に気がつけるようになったと思うし、自分の成長スピードも上がってきている気がする。

あくまでもラグビーはチームスポーツなのだからいくら1人が上手くなっても、結局はチームで勝たなければ仕方がない。
個人だけではなく、チームとしての伸びしろに全力を注いで、チーム一丸となって今年の目標「入替戦出場」を達成しよう。


勢いで書いたまとまりのない文章に最後までお付き合い頂きありがとうございました。

余談ではありますが、僕は小学6年生から変わっていない165センチの身長にもまだ伸びしろがある事を信じています。

次は、デッドリフトで無類の強さを発揮する同期の岩崎にバトンを回します。
とても真面目な彼ですが、自動車学校での技能教習には苦戦しているそうです。

根拠のない自信[ラグビー部リレー日記]

 written by 杉浦 育実投稿日時:2019/01/11(金) 17:29

「余裕なんだよなぁ~」という台詞といつも自信たっぷりな表情の裏で人一倍努力を積んでいる、同期のルーシーこと齋藤からバトンを受けとりました。残りの1%の男、杉浦です。

ここでは僕の受験生活を綴ります。
このリレー日記を読む受験生の皆さんにとって、息抜きになり、少しでも参考になれば幸いです。
自分史上最高のサクセスストーリーなので、脚色と自慢話に思えるような部分が多々あるかもしれませんが、温かい目でお付き合いください。


私は先のリレー日記で齋藤が書いているように、本郷高校ラグビー部の主将として高3の11月まで部活を続けた。もちろん高校ラグビーの聖地である花園に出場した上で受験を迎えるつもりだったが、その夢は叶わなかった。

勝負に二度負けることがあってはならないと思い、引退後は受験というもうひとつの戦いに切り替えて勉強をした。
とはいえ、それまで部活一筋だったこともあり東大模試の判定はEばかりだったし、センターレベルの問題でさえ、ミスばかりだった。

大きなビハインドを背負った状態でのスタートだったが、僕には誰にも負けないと自負している大きな武器があった。
それは「根拠のない自信」である。


この武器は、引退まで部活を全うしたことで得られたものだと感じている。
これは、よくある「部活は最後まで続けるべきだ!」ということを言いたいわけでは断じてない。
むしろ、惰性で部活を続けるくらいなら、遊びや勉強など他にやりたいことをやるべきだと考えている。

部活であれなんであれ、自分のなかでやりきったと思えた経験が、受験勉強で苦しくなったときに支えになってくれると思う。

仕上げなければいけない参考書の山を前にした時も、
「あんなにキツい練習を乗り越えた自分にとって、こんなの屁でもねーぜ。」と思えた。

また、東大模試でE判定を取った時も、
「合格の可能性20%未満ではあるかもしれないけど、受かる可能性はあるし、俺はその中に入るんだろうなぁ。」という気持ちでいた。

今思い返すとなんとも能天気でアホである。

アホではあったが、受かっているのだからバカではないのだろう。

だが、この自信にどれだけ救われたことか。
実際、本番の入試もこの自信のおかげで、あまり緊張することなく挑むことが出来た。


さて、ここまでは根拠のない自信について冗談半分に書いてきたが、ここからは少し真面目に勉強の質に関して書いていこう。


残された時間が少なかった私は短い時間でも結果を出すために、自己分析を行い、どの科目でどれくらいの点数をとり、どんな風に合格をするというシミュレーションをし、それに基づいて現在の自分に足りていない部分を優先順位をつけてあぶり出し、1カ月、2週間、1週間、1日ごとに期間を区切って計画を立てた。


また、暗記の際には書いて覚えている暇がなかったので、とにかく音読を繰り返した。
単語帳などは、わからない部分に線を引きそこだけを重点的に復習しまくった。


このように、様々な工夫で時間がない部分を質で補った。他人が1時間勉強する間にその倍の内容を吸収してやろうと思って必死に頑張った。

受験生の皆さんも、よく合格体験記に「一日何時間勉強していましたか」とかいう質問があるが、時間にこだわらず何を学びとることができたかに目を向けてみて欲しい。

ここまで偉そうに書いてきたが、私は合格最低点ギリギリでの合格だったし、私が合格できたのは、単純な実力ではなく、本番で運良く得意な問題が出ただけかもしれないし、もう一度受験して確実に受かるかと聞かれたら、普段は自信満々なこの私ですら自信がない。


しかし、合格してしまえば入試の点数など関係ない。どんな形であれ、合格は合格なのだ。


今、苦しく辛い時間を送っている受験生の皆さんに暖かい春とともに吉報が届くことを切に願っております。



調子に乗っている上にまとまりのない文章となってしまい、誠に申し訳ございません。
このリレー日記を読んで、こんな奴に負けたくないと思って勉強してくださったり、勉強の合間にクスッと笑ってくださった方がいたなら何よりです。


次は、最近不幸が続いている同期の甲斐にバトンを回します。
彼は常に冷静なので、僕とは違ってためになるリレー日記を書いてくれることでしょう。



 

後輩の使命[ラグビー部リレー日記]

 written by 杉浦 育実投稿日時:2018/11/28(水) 21:23

スキルフルなプレーで魅せる東大ラグビー部のファンタジスタ、河合さんからバトンを受けとりました、1年の杉浦です。

先日、対抗戦が終了しました。
東大ラグビー部を応援していただいた皆様、ありがとうございました。
このリレー日記では、対抗戦を終えた今感じていることを綴ろうと思います。表現が拙い部分も多々ありますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。


「対抗戦4勝」
これは今年の東大ラグビー部が掲げた目標である。
そして今年の対抗戦の結果は4勝3敗。対抗戦Bでの順位は3位。目標を達成し、素晴らしい結果だと考える人も大勢いることだろう。

僕はそうは思わない。
いや、思ってはいけないと感じている。

前節の学習院大学戦での勝利により、4勝と対抗戦B3位が確定した中での最終戦。相手の成城大学はそこまで白星をあげていない状態で、東大との試合が今年の最終戦であった。相手は死に物狂いで勝ちを取りに来ていた。

準備の段階で手を抜いたつもりはない。もちろん試合中は言うまでもない。だが、一歩及ばなかった。どこかに甘えがあったのかもしれない。どこかに気の緩みがあったのかもしれない。

成城大学の気迫に負け、思い通りのプレーができずに終わってしまった。12番としての責任を全うできず、悔しさと申し訳なさで胸がいっぱいだった。

14年ぶりの5勝をかけた戦いに東大は勝てなかった。5勝の壁は思っていたより厚かった。今年の東大は対抗戦4勝の実力だったのだ。

4年生の先輩方には申し訳ないが、いくら後悔しようとも、今年の結果はもう変えられない。
対抗戦での悔しさは対抗戦で返すしかない。僕たち後輩が、この結果を越えていくしかない。

だが、幸せなことに今年の東大ラグビー部にはあと1か月弱の時間が残されている。
京都大学との定期戦まで猶予がある。1分、1秒たりとも無駄にはしない。

「人生を豊かにする」というチームの理念に基づき、残りの時間で4年生の知識や技術、そして東大ラグビー部としてのマインドを受け継ぎ、更なる高みを目指して努力していくことが僕たち後輩の使命だ。

そしてゆくゆくは、対抗戦Aの舞台でスイカのジャージを着て活躍する姿を見せたいと強く思う。


拙文をお読みいただきありがとうございました。

最後になりますが、石川さんをはじめとする4年生の先輩方、1年生の僕の生意気な意見を受け入れ、スイカを着る機会を与えてくださりありがとうございました。
明るくチームを盛り上げ、ここぞという時に素晴らしいプレーを見せてくれた頼もしいその姿にいつも憧れを抱いていました。絶対に追い付いて、越えてみせます。残された時間は短いですが、まだまだよろしくお願いします!

僕以降のリレー日記は、4年生の最後のリレー日記になります。想いの詰まった文章になると思うので、是非ともお読みください。

トップバッターは、対抗戦Bを語ろうという2ちゃんねるのスレッドに「東大医学部の14番荒木、はええ!」と書き込まれてしまうほどの俊足でトライを量産する荒木さんにバトンを渡します。
 
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