ラグビー部リレー日記

学食メニュー選択の最適化

投稿日時:2026/04/27(月) 16:07

両足でボックスキックを蹴ることができるスーパーSHの原井からバトンを受け取りました、4年の佐藤です。予後不良なのか何なのか知りませんが、彼の偉そうなレフェリングには一周回って安心感を感じます。ハーフの先輩後輩はそれなりに仲良いと思いますよ。今度ハーフ団でご飯行ってきます。

0. 導入
皆さんは学食のメニュー選択を最適化したいと思ったことはないでしょうか。ラグビー部では、学食でしっかり食事をするなら麺・丼orカレー・カフェテリアのうち2種類を選んで両方大盛りを食べるのが定石のパターンとして知られています。僕は1年生の時、ジュニア練と何かの定期戦観戦の短い合間にカツカレー大とうどん大の組み合わせを選び死ぬほど苦しい思いをしました。隣にいた定浪はもっと苦しんでいた気がします。今では余裕で食べられるようになり成長を感じたりもするのですが、本当に大2つのセットが最適なのでしょうか。例えば極端な例を挙げるとすれば、タンパク質の量だけを最大化したいならレバーの小鉢を10個くらい頼んだ方がいいのではないでしょうか。というわけで今回のリレー日記では、限られた予算の元で最適な学食は何なのか検証することにしました。

1. 手法
今日がちょうど月曜日なので、駒場食堂のXにアップされている今週のメニューを元にメニュー別の栄養成分表を製作しました。製作にあたり「学食どっとコープ」を参考にしたのですが、そこに記載がなかった以下のメニューは残念ながら対象外となりました。そのうちこっそり更新しておきます。
<今週のメニュー>

<対象外となったメニュー>
いわしの生姜煮、フライドチキン、揚げ餃子、豆乳カルボナーラうどん、スタミナ焼肉丼、大豆ミートの法蓮草カレー、黒米麦ご飯、千切りキャベツ、煮卵

次にAIに聞きつついい感じにプログラミングして、複数の条件で最適化を行うことにしました。最終的には所持金別にPFCバランスの観点から最適な献立を提案したかったのですが、後述の通り実現できませんでした。

2. 結果
条件①:所持金1,000円、タンパク質量を最大化
<献立>鉄分たっぷり鶏きも煮 3個 + 納豆 9個(990円)
<栄養>タンパク質 81.0g / エネルギー 966.0kcal / 脂質 46.2g / 炭水化物 70.5g
<講評>タンパク質のみを考慮した結果、脳筋すぎる献立が爆誕してしまいました。
    しかし、米を自分で炊いて持っていけば案外悪くないのかもしれません。


条件②:所持金1,000円、炭水化物量を最大化
<献立>ライス(大)3個 + ライス(小)2個(979円)
<栄養>タンパク質29.0g / エネルギー 1811.0kcal / 脂質 3.4g / 炭水化物 430g
<講評>炭水化物についてはライスがやはり圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。完食は不可能では無いのかな。


条件③:所持金1,000円、タンパク質と炭水化物の両方を最大化
<献立>選択肢が多すぎて計算できず......
<講評>タンパク質と炭水化物の両方を同時に増やすことはできないので、パレート最適と呼ばれる「まあ悪くはない献立」を求めようとしたのですが、50種類ものメニューから重複を許した組み合わせを調査するため、計算が大変だったのかエラーが出てしまいました。

条件④:各メニューに対して、価格あたりタンパク質と価格あたり炭水化物を最大化
せめてメニュー別の優秀度だけでも決めたいと思い、価格あたりの栄養を評価することにしました。
<結果1>
下の図において、赤点で示したメニューが優秀であることが分かりました。
左上から順に納豆、チキン南蛮、きつねそば大、チキン竜田丼大、ロースカツカレー大、きつねうどん大、ライス大です。パレート最適の意味をきちんと説明しておくと、一方を犠牲にせずにはもう一方を改善することができない状態のことです。この場合は「炭水化物を減らさないことには、これ以上タンパク質を増やせない」、その逆も然りということになります。

<結果2>
パレート最適となる点を除いたものでもう一度パレート最適を求めるということを繰り返し、学食ティアリストを作成しました。

Tier 1 納豆、チキン南蛮、きつねそば大、チキン竜田丼大、ロースカツカレー大、きつねうどん大、ライス大
Tier 2 鉄分たっぷり鶏きも煮、豚肉の旨辛みそ炒め、胡麻チゲ冷麺大、きつねそば、醤油ラーメン大、ロースカツカレー中、ライス中
Tier 3 温泉玉子、ハンバーグデミソース、胡麻チゲ冷麺、鮭チーズメンチハニーマスタード、冷やしちく天おろしそば大、チキン竜田丼中、きつねうどん、ライス小
Tier 4 キムチ豆腐、冷やしちく天おろしそば、塩ラーメン大、冷やしちく天おろしうどん大、カレーライス大、ライスミニ
Tier 5 オクラ巣ごもり卵、豚汁、ねぎとろ丼、醤油ラーメン、冷やしちく天おろしうどん
Tier 6 ローストチキンおろしソース、ぶり照り煮、味噌汁、塩ラーメン、チキン竜田丼小、カレーライス小
Tier 7 生チョコケーキ、春雨チャプチェ、オクラおひたし、スタミナ茄子、ほうれん草胡麻和え、ひじき煮、焼きプリンタルト

Tierが高いメニューをいい感じに組み合わせるのが効率の良い献立になりそうです。
ただこの基準では脂質を評価していないため、鵜木の愛するねぎとろ丼を初めとする低脂質・高タンパクなメニューが過小評価されることとなります。そこで続く条件⑤では脂質の少なさも評価項目に加えました。

条件⑤:タンパク質、脂質、炭水化物の3変数のパレート最適
3次元のパレート最適を求めたところ、以下のメニューがTier1入りを果たしました。この辺を選んでおけばまず間違い無いでしょう。ねぎとろ丼はここでもランクインしないという結果になりました。また鶏肉食っとけばタンパク質補充できるだろという安易な思考によって選ばれがちなローストチキンもランクインしませんでした。ローストチキンよりも鶏きも煮や納豆を3個くらい食べた方が栄養効率としては優れているということなのでしょう。

PFC価格効率 Tier1(困ったらここから選ぼう) 
きつねうどん、きつねそば/うどん大、冷やしちく天おろしそば/うどん(大)、塩ラーメン大、醤油ラーメン大
チキン竜田丼大、ロースカツカレー中/大、
チキン南蛮、ハンバーグデミソース、豚肉の旨辛みそ炒め
ライス大、ライスミニ
鉄分たっぷり鶏きも煮、オクラおひたし、納豆


3. 考察
本当は考えうるメニューの組み合わせ(献立)に対して最適化をしたかったのですがうまくいかず、メニュー別の最適化となってしまいました。PFCバランスだけを考えると、野菜などの余計なものが載っていないメニューほど高く評価される傾向がありそうです。より「最適な」献立を考えるためには、野菜量などの指標を加えたり、パレート最適以外の最適化手法を検討する必要がありそうです。結局実際に学食に行った時は各人で味の好みやその日の気分等も踏まえてメニューを決めることになりますが、今回の結果がメニュー選択の一助となれば幸いです。

最後に、このお遊びは工学部システム創成学科で履修した最適化の授業に着想を得たものです。
シス創に進学するとこんなに楽しいことができるよという進振りの宣伝をしておいて、締めくくりとします。

次は3年のこじろうにバトンを回します。初めて会った時こじろうはDLにいて、グラウンドの端っこで延々と1人でボールを蹴っていたのが懐かしいです。しかし、今は元気いっぱいラグビーをやってくれていてなによりです。僕も健やかにラグビーができることへの感謝を忘れずに頑張ります。

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