ブログ 2026/9

遠い青[ラグビー部リレー日記]

 written by 奥 大和投稿日時:2026/09/04(金) 22:49

るかさんからバトンを受け取りました、一年の奥です。僕は合宿中に、後ろ姿のるかさんを同期だと勘違いしてデカい独り言を言ってしまったことを、恥ずかしくて今でも覚えています。



さて、僕にとって初めてのリレー日記な訳ですが、今回は文学に触れようと思います。というのも、合宿中にバスや宿の部屋で読書をする部員が多く、彼らの教養は読書による上質な日本語の吸収から醸成されるのかと非常に感心したためです。



僕も時々本は読むのですが、如何に面白くても途中で眠くなってしまうため一冊を読破するのにかなり時間がかかります。そこで詩や短歌なら、推敲に推敲を重ね凝縮された日本語の美しさに耳を澄ますことができると思い、高校生の僕は少しばかり読んでみました。高校の校長が詩人で谷川俊太郎と交友関係にあったこともあり、はじまりは谷川俊太郎の詩でした。



「どんなに深く憧れ、どんなに強く求めても、青を手にすることはできない。すくえば海は淡く濁った塩水に変わり、近づけば空はどこまでも透き通る。人魂もまた青く燃え上がるのではなかったか。青は遠い色。」



この『青は遠い色』という詩に触れた瞬間、僕は強い衝撃を覚えました。地球の表面の七割を占める海、見上げればどこまでも広がる空。スケールが大きすぎて当たり前だと思っていたものの色は、近付いて観察しようとすると消えてしまうような色でした。考えてもみると、自然界でも青い色素を持つ生物は珍しいですし、LEDも最後に発明されたのが青色です。届きそうで届かない色、それが青色なのであれば、詩の末尾の人魂(死人の体から離れた霊魂)はそこにいるはずなのに、会話はもちろん生前の姿を確認することもできない、途方もなくスケールの大きな「あの世」の中にいる遠い存在だと言えるでしょう。



このようにして僕は小説だけでなく詩などにも興味を持つようになりました。そんな折、合宿中の夜に同期が急に

「流れ星 見たら帰ると 言うならば 願ってしまう 流る勿れと」

と短歌を詠んだ時、僕は文学を鑑賞するだけでなく、創作する側にも回れることへの驚きと高揚を覚えました。ところで、古来の人々は流れ星を、青く光ることに共通点を見出し「人魂」と呼んだそうです。流れ星を見たら願いが叶うというのも、もしかしたら届かぬ「青」への羨望が生み出した伝説なのかもしれませんね。



長くなりましたが、今後も鑑賞、創作の両方から文化的な生活を堪能し、日常に潜む青を追い続けようと思います。



次は一年のゆりちゃんにバトンを渡します。献身的にビデオを撮ったり飲料を持ってきたりしてくれる一方、同期のジョージにバナナの早食いを強要していたことは印象に残っています。いつか来るかも知れない無茶振りに怯えながら過ごす毎日です。

2026年9月

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2026/09/04(金) 22:49
遠い青

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