VOICE:2000年

合宿日記 関口 大樹

8月9日水曜日 合宿1日目


今日、午前練の最後から大雨が降り出した。昼食時になってもやまず、雨は強くなる一方、一体どうなるのだろう。皆の、いや少なくとも私の頭の中に何かがよぎる。
練習前に雨は上がり、練習は無事はじまった。

明日は試合、LOはどうなってしまうのだろう。要求が多すぎて何をしていいのかわからない。自信を持てといわれても、こうあれこれ要求されると自信などなかなか持てない。要求されるということはまだ足りないということだからだ。

FWは兵士だ、しかし自分はまだ兵士ではない。兵士になりきる ことがまだできていない。
現在の自分の状況を見ると、兵士になる以外、この状況をのり切ることができないであろう。
辛い辛いと、ツライことは数多くあり、一つ一つを考え悩んでいては気が変になりそうだ。かといってそれらを一つも無視することはできないし、もう、逃げることは許されないのだ。
耐えるしかない、ツライという感情をのみこみ。


8月15日 終戦記念日


今日は朝から雨、昨日は暑かったせいか、今日は非常に寒く感じた。
昨日の練習がつらかったので、体が重い。ゆっくり体を動かそうとしていたら早めの集合、早めに練習がはじまった。UPだけでももうつらい。このまま無事おわるのかと思ったがどうにかおわった。練習なんて、そんなもんだ。
午後も似たようなもんだ。しかし、練習強度が下がっているのに対して疲れが大きいのはツライ。まあいいか。
もう練習は明日しかない。明日はツラいそうだ。
最近、FWが良くなっているといわれるが、一つ一つのミスがBKに比べキツいので、やはり自信を持つにしても、分かりにくい持ちかたになりそうだが、それも性格だろう。
もう、自分の性格なんざかたることができないんで、自分でうまく考え方を自分なりに整理しよう。(ウラにつづく)


8月16日 水曜日


いよいよ明日は最終日。試合を残すのみとなったのだが、消灯前の現在、雷を伴う大雨が降っているので、明日はどうなるだろう。地響きがするほどの雷だ。不安が募る。
それにしてもあっという間の山中合宿だった。と言うのはまだ早い訳ではあるのだが、本当にあっという間だった。しかし合宿移動日の日の事を思い出すと遠い昔の時の事の様に思える。
もしかしたら、自分たちは相当密度の濃い、充実した時を過ごしていたのかもしれない。

まだこんな事を書くのはまだ早い。明日もあるのだから。明日は一体どうなるのだろう。
それにしても激しい雷雨が不安だ。


8月19日 土曜日 菅平一日目


今日から菅平での合宿だ。昨日で山中での疲れはとれたとは思っていたが、けっこう移動も疲れるもので、朝起きるのがつらかった。
午前は順大、朝日大との合同練習だった。
内容は東大ではよくやっているDefコースの確認といった練習だった。フランカーとしての経験の浅い自分にとってと言う意味と、対抗戦までの少ない時間もあるので、非常に有意義な練習であると思ったのであるが、他校の人間たちのやる気のなさというか、この練習の意味を見つけられない所に何かわからないが差を感じたものだが、和泉さんの話は少しくせがあるのでそんなものなのであろう。
とにかく自分にとっては信じられるものなので、しっかり身につけたいと思った。

午後は流経大との試合だった。相当強い相手と言うだけあって、かなり緊張した。
やはり自分には自信がない。しかし自信がなければ無心で試合に向かうしかないであろう。
何も考えず、ただプレーに集中すれば、おのずと道は開かれるであろうと思う。

今日の試合は、岩田がいないだけあって、ラインアウトのスローに問題があった。やはり別所では・・・と思い、だいぶ弱気なサイン回しになってしまったが、何よりもボールを取ることが先決だから、しかたないか。やはり弱気は禁物である。
とにもかくにも、勝ってよかった。岩田も喜ぶだろう。
                       (おわり)