VOICE:2011年
 
合宿日記 合志寛希
 

8/15 合宿2日目


今日の「世界一キツい」フィットネス(2年の白石くん談)終了後に、精魂尽き果て、山中のグランドに寝転がっていたら、上空を優雅に飛行機が飛んで行った。東京から西に向かい、ロンドンにでもいくのだろうか。そんな大学5年生が自分にも開かれていた。
しかし、今、自分は山中の地べたを這いずり回っている。
東大で勝つためにラグビーするってことは、足でロンドンまで行くようなもので、途中には砂漠もあれば急な山も海もある。しかも何に追われるでもなく、自分が行きたいからロンドンに行く。道すがら色々なことが起こる。異国人と仲良くなった、美しい風景に出会った、アルプスを越えた。それが目的ではないのに、それで満足してロンドンに行くのを辞めてしまいそうになる。
結局昨年ロンドンへは行けず、途中の感動、満足だけでは納得できなかった。だから、5年目にロンドンへ飛行機ではなく、足で行くことを選んだ。身ひとつで行くにしても、周りには同じ志を持ったチームメイトがいる。今日自分は甘えた。チームメイトのためにももちろん自分のためにも、明日は甘えを減らしたい。

 

 


 

 

8/20 合宿7日目


一昨年の夏、フランカーにコンバートした自分は、大体大との試合に出場した。120キロはあろうかというロックに正面からタックルに入り、突き飛ばされたのは悔しい思い出だ。今日は同じ相手だった。相変わらずフィジカルの強いFWが縦にくる。二年間の自分の成長は感じたが、勝ちに繋げられなかった。自分は前に出る、低いタックル、裏に出たプレイヤーへのサポートを真面目にやるのが自分のスタイルだと自覚している。その機会を増やすこと、そのためのコース取り、予測、コールを向上させるのは、学習院までに確実にできる。川島の負担を減らし、さらにターンオーバーを生む。山中での宿題だ。今日と早稲田戦でフランカーのコンビを組んだ1年生の松木も素晴らしいし、持田、大熊、猪熊、加納という激戦の中で、意地を貫きながら、勝利に貢献したい。

 

 


 

 

8/23 合宿10日目


山中に帰ってきて、一回目のコンタクト練習。明らかに菅平に行く前の方が、いい練習をしていた。今日はコンタクトを避ける気持ちが皆に多く見てとれた。個人的には、菅平で課題だった内からのダブルタックルが1stTermよりも入れるイメージが持てたが、チームの空気を変えるようなプレーはできなかった。口で「もっと激しく」と周りに言うのは簡単だが、それだけでは足りない。コンタクトを避けてる自分を気付かせるような、試合で勝つために練習してることを思い出させるような、意志の見えるプレーが必要だ。意志、気持ち、試合の流れをプレーで体現することを心がけてはいるが、実践していきたい。

 

 


 

 

8/24 合宿11日目


体力が戻ってきた実感がある。モール練習での消耗が少ない。フィットネスでのベーススピードと追い込みが上がっている。
五年目には体力は戻らないのかと思っていた。自分の強みはフィットネスが前提で生かされるものだから、それがなくなったら、自分のスタイルは追究できず、プレースタイルを変えざるを得なくなり、自分の価値を半減させてしまうのではないか心配だった。
やはり、自分はこの練習で目立てると自信が持てることが日々の練習への積極的な姿勢を生んでくれる。