VOICE:2016年
  「挑戦」 副将 大畑暁
 

昨年の対抗戦、結果は2勝5敗。目標として入れ替え戦出場を掲げていたのにも関わらず、あまりにも不甲斐ない結果であった。私自身対抗戦全試合に出場していたが、チームが勝ちに苦しむ中、何もすることができなかった。負ければ負けるほど、自分のことが、そしてチームのことさえも嫌いになってしまった。
 
勝ちたい。切実にそう思う。昨年の苦痛、屈辱はもう味わいたくない。勝つためにはどうすればいいのか。今までと同じような練習や部活への取り組み方をしていては、おそらく今まで以上の結果は出ないだろう。
「同じことを繰り返しながら、違う結果を求めるのは、狂気の沙汰だ」
元日本代表ヘッドコーチのエディ・ジョーンズもこう語っている。
 
「我々は変わらなければならない」
宋監督がおっしゃった言葉であるが、まさしく今の東大ラグビー部に必要なことだと思う。
ただ毎日を惰性でなんとなく過ごすのではなく、どうすればもっと強くなれるのか、どうすれば対抗戦で勝てるのかを部員全員が常に考え、行動しなければならない。
今まで通りの学生首脳陣にまかせっきりのチームではおそらく勝つことはできない。現在ラグビーが上手いか下手かも関係なく、各個人が明確に目標を持ち、目標達成のために何をしなければならないか考え、実行しなければならない。          
 
具体的に何を変えなければならないのか。
 
まずは、マインドセットの改革が必要だろう。つまり、今までの物事への固定的な考え方を変える必要がある。例えば、心の中で対抗戦Aにはどうせ上がれないだろうと考えたり、Bチームの人間がAチームには上がれないというふうに思い込んではいけないと思う。自分で限界を決めてしまったとき、その人の成長は止まり、本当に実現できなくなってしまう。何事もできないと決めつけるのではなく、どうすればできるようになるかを考えなければならない。
 
次に、グラウンド以外でのラグビーに対する取り組みも増やす必要があるだろう。大学からラグビーを始める人も多い我が部では、ラグビーに対する理解度が全く足りていないと思う。トップリーグなどのレベルの高い試合を見ることで、どのようなプレーの選択肢があるのか、いいプレーとはどのようなものなのかを部員全員がもっと勉強しなければならないと感じる。ある程度の自分なりの理想像を持った上で、自らのプレーを見直し、改善するようにしなければ、なかなか上達もしないだろう。チームのラグビーに対する理解度が上がるように、今年はミーティングも増やしていきたい。
 
最後に、練習中でのコンタクト強度をもっと上げる必要があると考える。フルコンタクトの練習の量を増やすべきだというわけではなく、コンタクト練習での質を上げたい。去年のADやフルコンタクトでのDF練習を振り返ると、接点で受けるプレッシャーが、対抗戦で受けるものとかけ離れていた。不器用な人も多い中で、試合中にいきなり普段味わわないプレッシャーを受けると、思い通りのプレーができず負けてしまう。練習でのコンタクトの質を上げるには部員全員のレベルアップが必要不可欠なので、今年はチームが一丸となってもっと成長していきたい。
 
偉そうなことをいろいろ書いたが、私自身まだまだ未熟で至らないことがたくさんある。チームを引っ張り、そしてみんなの実力を最大限引き出せるようなリーダーに成長できるように今年1年間頑張っていきたい。
そしてチーム一丸となって何としても対抗戦で勝利しよう。

2016年2月7日
東京大学ラグビー部副将
大畑 暁