VOICE:2020年
  「本気」主将 藤井雄介
 
東大ラグビー部に所属する目的は何なのか?
2年前、当時主将の石川さんは「人生を豊かにすること」だと言っていた。これを俺なりの言葉に直すと、「部活動に本気で取り組んだ末、何かを得ること」。
ひどく抽象的ではあるが、これは部員のみんなにも当てはまっていると思う。

大学にはたくさんのサークルがある。拘束時間も長くないし、体力的な負担も少ないものが多いだろう。
一方ラグビー部は、多くの時間と努力を、この部のために費やすことを求める。
決して楽な道ではないが、それでもこの部に所属している部員は、本気で部活動に取り組む意思を持っているはずだ。
そして、本気でやってこそ得られることがあるから、ラグビー部に所属しているのだと思う。

だがそもそも本気とは何か?
集中して練習に取り組むこと。ウエイトトレーニングで自分を追い込むこと。与えられた仕事をこなすこと。これらは当たり前のことで、それだけでは目標には届かない。
「本気で部活動に取り組む」とは、一人一人が主体的に考え、目標達成に必要だと思うことをやり尽くすということではないのか。

今年の目標は「入替戦出場」だ。
練習やトレーニングをするだけでは入替戦には出場できない。東大ラグビー部の文化という観点からも、「勝てるチーム」にしていかなければならない。やるべきことはいくらでもある。ゴミを見つけて拾うことさえも、回り回って、入替戦出場につながるのではないか。

俺は、今年主将として、目標を何よりも大切にしたい。
目標に向かって進んでいくことこそが、「本気で取り組んで何かを得る」という目的を達成することであり、俺たちの活動の根本だと思う。

俺はこの目標に、どれだけ時間や労力をつぎ込んでも、目指すべき価値があると思っている。目標達成を目指す過程で計り知れないほど多くのものを得られるはずだ。それが何かはまだわからない。でも、今俺たちにできることは、「入替戦出場」というワクワクする目標に対して、『本気で』突き進んでいくことだけだ。

2020年2月17日
東京大学運動会ラグビー部主将
藤井雄介