VOICE:2018年
  「東大ラグビー部に所属するということ」主将 石川悠太
   
「なぜ東京大学に入ってラグビー部に所属したのか」、大人になった時この問いに自信を持って答えられる、それが真の東大ラグビー部員だと僕は思う。

 東大生は忙しい。色んな価値観を持った人がいて、やりたいことも多く、時間が足りないと嘆く人をよく目にする。ある者は勉学を極めようと研究に没頭し、ある者は社会を変えようと起業する。そういった人達の中で我々はなぜラグビー部に所属するのか、その問いに答えられないならば、時間を無駄にしてしまっている。

 なぜ東大ラグビー部に所属するのか、そこには「ラグビーが好きだから」、「良い仲間を得たいから」、「活躍したいから」など様々な理由があると思う。それは個人個人で違うものだし、間違いなんてない。実際東大ラグビー部にはその目的を果たす環境は整っていると思う。しかし、それはただ東大ラグビー部に所属していれば享受できるものではない。目標に向かって真摯に取り組んだ時初めてそれを享受できるようになる。

 では、東大ラグビー部において目標に向かって真摯に取り組むとは何を意味するのか。勉強を全くしないでラグビーだけをすることなのか?インターンシップなどを全くしないで筋トレに励むことなのか?そうではないと僕は思う。様々な価値観を持った東大生に全ての時間をラグビーに捧げろと言うつもりもない。東大ラグビー部における真摯に取り組むとは、限られた時間で質を高めるということだと思う。インターンシップに行くのも自由だし、好きなだけ研究しても良い、ただ東大ラグビー部に所属する以上、ラグビーにかける時間はラグビーに全力であってほしい。そうやって、目標に向かって真摯に取り組んだ結果、各自の目的は果たされる。

 東大ラグビー部に所属したことを誇りに思える、そんな人生を皆で目指そう。



2018年3月9日
東京大学運動会ラグビー部主将
石川悠太