VOICE:2025年
  「誇り」 主将 福元倫太郎
   
 入部して、気がつけば約三年が経った。1年生の春、初めて東大ラグビー部を見学した時のことは鮮明に覚えている。言葉にするのは難しいけれど、とにかく圧倒された。ラグビーは、複雑で難しい競技だ。それにもかかわらず、未経験者が約半数を占める東大ラグビー部が、「入替戦出場」という一見無謀にも思える大きな目標を掲げ、それを本気で信じてハードに練習している。そして、彼らにはその目標を堂々と宣言するだけの実力があった。その姿に心を揺さぶられた。恵まれたグラウンド、充実したコーチ陣、環境の素晴らしさにも感動した。この環境で自分も限界まで大好きなラグビーに挑戦してみたいと思った。

なぜ東大でラグビーをやるのか。答えは人それぞれだと思うし、この質問に正解はないと思う。けれど、東大に入学して様々な選択肢がある中で、何か惹かれるものがあって東大でラグビー部に所属するという決断をし、貴重な時間を捧げているということは一緒だと思う。

今年目指すチーム像は「誇りに思えるチーム」に設定した。東大ラグビー部に所属しようと決めた、その時の気持ちを大事にして欲しい。部員全員が誇りに思えるようなチームを作り上げたい。チームは一人ひとりの行動の積み重ねで形作られる。どんなに小さな行動でも、それが集まれば大きな力となり、チームの在り方を決める。だからこそ、初心を忘れず、このチームを大切に思いながら行動してほしい。その先に、きっと素晴らしいチームが生まれると思う。部員全員が誇りに思えるチームを作るために、1年間ハードワークし続ける。そして、その努力の先に必ず「対抗戦全勝」という目標が達成されると信じている。全員でその目標を信じ、一日一日を大切に積み重ねていきたい。


昨年末に主将に任命されて以来、この1年間で自分が最も成長することを目標に掲げている。対抗戦で圧倒的なパフォーマンスを発揮できる選手になるために、自分自身を高め続けなければならない。思い描いていたような順調なスタートではないけれど、誰よりも成長できるように考え続け、ハードワークを惜しまず取り組んでいきたい。貪欲に練習に取り組む姿を見せてくれる、仲間であり、ライバルたちと1年間大きな目標に向かって一緒に取り組めることに今とてもワクワクしている。




2025年2月11日
東京大学運動会ラグビー部 主将
福元倫太郎