ラグビー部リレー日記

チョコチップスナック

投稿日時:2022/02/18(金) 17:46


 
 オールアウト請負人の内藤からバトンをもらいました、新4年の谷田です。彼は、練習中は愚直にかつ黙々とオールアウトまで自分を追い込みますが、日常ではなつっこい感じでギャップがすごいです。同じ経済学部に入ったおかげもあり、関わる機会が多くてよかったなと感じています。また、最近のかすれた声も特徴的で素敵だと思います。





 どうすれば幸せに死ねるのか。
 これは、私がこの半年ほど直面してきた問いである。

 3年生の夏、進路を考えなくてはならなくなった頃以来、自らの将来像について様々な思いを巡らせることが増えた。将来について考えるというのは私にとっては存外難しいもので、何をしたいとか何が得意だとかは特にないまま、ぬるま湯の中で21年間を過ごしてきたから、将来のためのヒントが何もない状態だ。楽しいと思えることで生きていくのが一番いいとよく言われるけれど、何をしている時が一番楽しいか、と聞かれてもよくわからない。むしろはっきりとそれを自覚している人は少数派だしすごい人々だと思う。ぐるぐるぐるぐる、自分の人生について思い描くと、死ぬときに後悔している姿がよく浮かぶ。「もっと頑張ればよかった」と、いろんな場面で思ってきた。それが、死ぬ時まで続くのではないかという恐怖に襲われる。
 その恐怖と向き合った結果、私は、頑張るために生きたいと思っている。「頑張る」という言葉はひどく陳腐だし、偉大な人々が尽く「努力が大切」という内容の言葉を発しているのをみても綺麗事のように感じてしまう。自分に対しては使いたくない言葉かもしれない。それでも、頑張ることは大切だと思うようになった。

 こんな感じで言うことだけは立派だが、残念ながら私はどうやら頑張り屋さんではない。死ぬ気で努力したこともない。日々それを感じている。何故なら、東大ラグビー部が頑張り屋さんの集まりだからだ。最近は特にすごい。朝早く起きてえづきながらご飯を1合食べて、死に物狂いで練習して、また吐きそうになりながらご飯を食べて、午後からはCCというこの世の終わりのようだと伝え聞くトレーニングやウエイトをする。ヘトヘトになって帰っても、その日の疲労を抜くための努力を怠らず、そして翌朝の練習に備えてひたすら寝る。ただただ、ハードなルーティンを週6回繰り返す。一昨日は、CCまで8分寝られるとグラウンドに嬉しそうに寝転んでいる人がいた。ため息が多過ぎてゼエゼエ言いながら竹を踏んでケアに努めている人もいた。愚痴をこぼしつつちゃんとやる。そして強さを求めてさらに上を見ている。また、就職活動や趣味まで両立させている人もいるのだ。そんなみんなを毎日目の当たりにし、自分のひどい甘さを反省する毎日である。特に疲れているはずもないのに17時間睡眠をとってしまう日もある。大反省だ。

 先日、ハッとする出来事があった。ある幼子が大泣きしていた。どうやら、コロナウイルスのワクチンを打ちに病院へ行くところらしい。お母さんが「頑張ろうね」と懸命に元気付ける。それに対し、「どうして頑張るの」と問いかける幼子。深い意味は何もない言葉だが、一辺倒に頑張ろうと考えている自分には刺さるものがあった。どうして頑張らなくてはならないのか。
 ニヒリズムのように、人はどうせ死ぬのだから頑張る意味はない、と諦観した考えもある。頑張ったって頑張らなくたって、どうせ死んだら何も残らないかもしれない。
 自分1人頑張らないで生きたところで誰も困らない気がする。どうして社会通念上頑張ることはいいことだとされているのか。なんのために頑張るのか、自分の中ではっきりさせておく必要がある。幼い頃は頑張ると親や先生が褒めてくれるから、頑張ることがいいことだと考えるようになるのかもしれない。そのせいなのかなんなのか、頑張ったあげく評価してもらえないと寂しい気持ちになることもある。すなわちこれは、実は努力=他人に認められることという無意識のうちの他者への依存があるということだ。これはしんどい。他人の評価に依存して頑張っても、報われないことは多々ある。人が、他人を見下したり悪意を持ったりすることは、ごくありふれている。大学に来てからはそれを強く実感している。そんなどうにもならないものをあてにして頑張ったってしょうがない。他者に依存しないで自分を評価することができる唯一の手段が、頑張ることなのだと思う。自分を褒められるようになりたいから、私は頑張ろうと思う。

 しかし、やはり頑張るということが難しいことであることに変わりはない。日常の大半で甘えが出てしまい、2021年は大反省の年だった。年末に反省点を書き出してみると、無限に出てきて悲しい気持ちになった。2022年こそは頑張ろうと思っても、部活が忙しいことを言い訳に、おっとっとという感じでもう2月も後半に入ってしまった。このままでは大学に通わせてくれている親に対しても恥ずかしい。では、頑張るためにどうするか。

 まずは、習慣化することから始めよう。とにかくスタンダードを上げて、負荷なくやるべきことを淡々とやろう。(しんどい時には、頑張らないことを頑張ろう。) これが私の今年の目標である。時間は有限ではない。若さは失ったら2度と戻らない。若いうちにできること、若いうちだからこそできることは無尽蔵にある。今が一番若い、というのはよく言われることだ。なんでもかんでも、できるうちにやっておくべきだと思う。今動かず、死ぬ時に後悔したくない。

 これは部活に対しても同じことだ。というより、部活での基準を日常にも適用していると言えるのかもしれない。うかうかしていると大事な4年生としての1年があっという間に終わってしまうと感じている。3年生だった去年さえ、過ぎてしまえば本当にあっという間だった。とにかく、動くことだ。幸運なことに、部活動では死ぬ気で頑張っている仲間が無限にいる。彼らを見れば、頑張らないわけにはいかない。できるサポートは全部して後悔が残らないようにしたい。
 12月に回ってくるであろうラストリレー日記を書く時に、この文章を見て絶望しないことを願う。




 最近の自分が考えがちなつまらないことをつい文章にしてしまいました。ただ、将来について深く考えることができる貴重な時期なので、決意文のようなものとして自分の考えを記録に残しておくのもいいかなと思います。これだけ書けば、頑張らないわけにもいかない気がします。でも、頑張らない気もします。その時は叱咤してください。


 次は、デイビスにバトンを回します。彼はウェールズ出身なので、ザ・日本人気質なラグビー部の文化になじめているか心配していますが、ほんの少しカタコトなタメ口関西弁を話す彼から悩みのようなものを感じ取るのは至難の業かもしれません。その可愛らしさがあまりに主張し過ぎていて、彼の性格をいまいち掴み切れていないので、残り1年で距離を詰めていきたいと考えています。
 

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