ラグビー部リレー日記

勇気

投稿日時:2025/12/19(金) 23:55

 

 

誰よりも心が優しい猿渡君からバトンを受け取りました4年の細谷です。一年生の頃から勉強熱心な猿渡君ですが、最近は医学部編入受験に研究室付けの毎日と勉強熱心に拍車がかかっているように感じます。ラグビーと勉強で疲弊しきっている彼を見るのはそろそろ忍びないので、全てから解放されて遊んでいる彼を見てみたいです。表1の「旅行に行く」については是非同行したいです。3月にでもどこかに行きましょう。

最後のリレー日記に何を書くのかとても悩みました。不誠実にならないように言葉を選んだつもりです。読んで頂けたら嬉しいです。



2年生の夏、肩を脱臼して手術をした。復帰までは5,6ヶ月かかると言われてそのシーズンは試合に出ることは絶望的だった。自分にとっては釜石合宿の初日、大西さんにフランカーに転向しろと言われた直後、なにか心機一転のような気持ちで挑んだ練習だった。その後の合宿、対抗戦シーズンが流れていく中で同期で未経験出身のげんととはるとが体を張っていた。同じ未経験出身でタックルもまともに入れない自分はチームもグラウンドも遠く感じられてまた入っていけるのか不安だったときに、チームを離れる大西さんへの質問会で「グラウンドで体を張っていない選手がチームに貢献するためにはどうすればいいのか、出来ることは何なのか」と聞いた。大西さんは「チームを愛する、その上で出来ることを考える」といった内容のことを教えてくださった。

3年生では怪我から完全復帰したあたりから試合で起用して頂けることが増えた。ラグビーの楽しさが少しずつ分かり始めてたけど、防衛B戦で足首を捻挫して春はそのまま終わった。合宿で大きくアピールしようと考えていた。山中湖合宿の慶應戦の三日前に慶應大学さんとのADがあって、慶應戦出場を考えると絶好のチャンスであることは間違いなかったので誰よりアピールしようと考えていた。結果は散々だった。ラックから始まる形式で、ATTは最初の9shapeには全部入ったけど半分くらいキャリーもオーバーもまくられた。DEFもまともにタックルに入れないしペナルティも重ねた。自分より体が大きくて強い人が真っ先に寝てラックを作る姿は歯痒かった。これ以上ないほどチャレンジしたのに練習を成り立たすことさえ出来ないことが情けなかった。その後の慶應戦ではハーフタイムのとき春から気にかけてくれていた昴さんに「立候補してでも出場しろ」と言われたけど自信がなくて言い出すことが出来なかった。結局自分に声がかかることはなく、同ポジションの後輩が出場している中でまたグラウンドが遠くなった気がした。芽生えかけてた自信は完全になくなった。それ以降の対抗戦シーズンは明らかに消極的になった。現場から遠い場所でなんとなくプレーすることを覚えてしまった。福元とか安富さんからも指摘されたけど、変えることは出来なかった。当事者意識がないまま時間が過ぎていった。翌年のフロント事情なんて分かりきっていたのにいつまでも足踏みしていた。

そんな中、続けてチームを裏切る行為をした。自分の一番弱い部分が顔を出した。やるべきこととは真逆の行動をとってしまった。降りかかった恐怖に耐えきれなくなって衝動的に逃げ出した。衝動的な行動で簡単に戻ることは出来なくなった。自分を心配してくれるチームの仲間たちが怖かった。自分に投げかけられる視線が痛かった。自分の過失の穴埋めをしてくれることに対して申し訳なく、全部投げ出している自分が情けなかった、恥ずかしかった。大西さんからいただいた言葉から自分が一番遠いところにいるように感じた。

でも、うだうだと悩んでいたけど辞めるという選択肢だけは浮かんでこなかった。1年生の時はいつ辞めるのか考えていたのに、どうしても辞めようとは思えなかった。4年生にもなって立場の面も少しはあるのかもしれないが、自分にとって純粋にこの部活があまりにかけがえのない居場所になっていた。練習が終わった後どうでもいい話をしてるのが好きだった。誰かの意味不明な悪ノリに乗っかるのも好きだった。ちょっとした無茶振りに応えるのも楽しかった。同期も、後輩も、もう誰とも話さないなんて考えたくなかった。

4年目は一瞬で過ぎ去った。勇気を振り絞って帰ったら(快く、とまでは言えないかもしれないけれど)部に戻ることを受け入れてくれた。ラグビーももう完全に0からのスタートだった。余計なことを考える余裕なんてなかった。それでも4年目のラグビーは4年間の中で一番楽しかった。B戦は将来有望な下級生たちと一緒にワクワクしながら取り組むことが出来た。試合の中で何もミスをしないことよりも何か一つでもやってやろうと思えるようになったし、練習を重ねるにつれてBのラインアウトの質も上がっていくのは嬉しかったし、セットプレーでペナルティをもらったら誰よりも声を上げて喜んだ。今年の中で特に印象に残っている試合は、いつかの夜連に行ったCalifornia-grizzliesさんとの練習試合だ。あの日は他にも東農大さんなど色んな学校が集まっていて、なんだかお祭りみたいだった。体格も大きくてスキルも自分たちよりもある相手で試合には負けてしまったけど、試合を続けてチャレンジが出来て、ラグビーという競技の大きさ、壮大さを感じたのを鮮明に覚えている。

プレイヤーとしては結局最後までAに定着することは出来ないまま対抗戦が終わりを迎えたけれど、幸運にも最後にチームを代表して戦う機会が巡ってきた。最後の二試合、4年間の集大成、チームと応援してくれている方々のために目の前の試合に集中して絶対に勝ちたい。その後に振り返れれば、と思っています。



この場を借りて様々な方への感謝を申し上げます。

青山監督・川出監督・OBの方々

学年があがるごとにこの部活に関わる人の多さ、期待してくれている人の多さを理解することが出来ました。4年間最高の環境で部活動を不自由なく続けてこられたのは監督、OBの皆様のおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


いっそうさん

いっそうさんのおかげで最後の年のラグビーは楽しくなったと思っています。一緒に話しながら解決案を考えるスタイルは個人的に好きでした。おおらかな感じも今年の4年生と合っていたと思います。


杉本さん

今年からユニットに留まらず指導を頂きましたが、スクラムにラインアウト、タックルと様々なことを教わりました。誰よりも情熱をもって取り組んでくださっているのが伝わってきました。本当にありがとうございました。


同期

人数は減ってしまったけど自分と違って皆自分の世界を持っている部分が好きです。本当に皆といると退屈しません。引退後も面白い話を聞かせてください。面白いことは言えないかもだけどもっと美味しいご飯を作れるようになっておきます。


一木さん・辻さん・あきおさん・安富さん

自分たちが全うしなければならなかったポジションを背負ってくださり本当にありがとうございました。今年のチームの結果は5年生の貢献なくしては成立しなかったものです。あきおさんと安富さんは京大戦までの残り二戦、よろしくお願いします。一木さんと辻さんも、どちらかの試合だけでも見に来て頂けると嬉しいです。


後輩

4年生の人数が少ない中で、3年生以下に必要以上に頼ってしまいましたが、自分からしたら本当に頼もしい後輩たちだと思っています。春先にはめちゃくちゃだったBのラインアウトを成立させているのは定浪と和田の成長のおかげです。Chasers戦でトライを取る姿には感動してしまいました。来年の皆様の目標達成を応援しています、応援しに来ます。来年春は目黒くんがご飯を食べに来るらしいので、是非一緒に来てください。(下級生を優先して食べさせます)


両親へ

大学からラグビーという競技を始めることを快く応援してくれてありがとう。大きい怪我をしたり急に帰ってきたりと苦労と心配をかけた方が多かった気がしますが、4年間見守ってくれてありがとう。社会に出るのはもう少し先になりそうだけど、卒論が終わったらまたゆっくり実家で過ごしたいし、一度くらいしっかりお酒に付き合おうと思っています。


ラストリレー日記は短く、重すぎないものがいいと考えていましたが真逆の文章になってしまいました。ユーモアのセンスがない自分にはこのような文章しか書けないようです。

次は来年から柏キャンパスで研究に励むことになっている宮田にバトンを渡します。基本的に怪我で悩まされることの多い代ですが、彼も相当苦しめられたうちの一人です。個人的には復帰後はもう一度フランカーとして戻って来て欲しいと考えていましたが、来年のチェイサーズ戦まではお預けのようです。結局一人暮らしをするのかは分かりませんが、困ったら呼んでください。来年は結構暇だと思います。

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2025年12月

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