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ラグビー部リレー日記
続ける理由
投稿日時:2016/02/24(水) 23:45
話題に事欠かないやんちゃな後輩の浦山からバトンを受け取りました、新4年の稲垣です。
新チームが始動するこの時期に行われることとして、HPのプロフィールの更新がある。顔写真、コメントが一新され、部員の中にはこの1年で大きくなった自分の体に満足する者や興味深いコメントを残しユーモアのセンスを見せつける者もいる。気の知れた人間たちの自己紹介というのは案外面白いもので、自分としては結構楽しんで読んでいたりする。
しかしこの時期に自分のコメントを書くとき、毎回少し詰まってしまうものがある。「ラグビーを始めたきっかけ」である。自分のきっかけは親の影響であり、親が高校時代にラグビーをしていた影響でラグビー部がある中学しか受験させてもらえなかったのでこれは事実ではあるのだが、これが少しすっきりしない。親の影響と書くと少し受動的な印象を与えてしまいがちだが、いやいや始めたのではないからだ。今となってはなぜラグビーを始めたのか自分でも思い出せないが、自分の中では押し付けられた気分ではないのは確かなのだ。そこがあいまいなのでコメントを書くのに詰まってしまうのだが、その代わり「大学生になってもラグビーをつづけた理由」ははっきりと持っている。今の自分のラグビーの根源はそこにある。
ラグビーが好きだから。と少ないボキャブラリーを逆に利用し、とても素直な新入生の言葉として3年前の自分は入部の理由を口にした。今となってもう少し言葉を足すと、自分の納得できるラグビーをしている時が最も幸せだから、である。だが実はこの時点で、この部に入部するには自分の覚悟が足りていなかったことに気付いたのは去年のことだった。この自分の信念ともいえる言葉は、裏を返せば勝利よりも自分のしたいラグビーを優先していた。もちろん、そんな大それたことを言えるほどの実力などないし、妥協の言い訳と言えばそれまでなのだが。
体力的にも技術的にもチームの力になどなれなかった1,2年のころはまだしも、チームを支えるべき上級生となった昨シーズンでさえ、この考えを変えられず、チームに貢献することはできなかった。どんなに努力しているつもりでも、チームに要求されるプレーというものへの覚悟ができなかった。チームが求めたのはコンパクトにランナーが走りこむシェイプラグビー。それを貫けば必ず勝ち抜けると、皆が信じていたし自分でもわかってはいた。しかし、自分の理想はポッドを用いたような展開ラグビーであり、鋭く走りこむプレーヤーでなく、Conrad Smithのような華麗なパスのできるプレーヤーだった。どこか割り切れず、プレーをし続けた。
結局自分はこの3年間自分のためにラグビーをしていた。そんな人間が対抗戦でスイカを着れなかったのも当たり前だろう。支えてくださる人達への恩返しは、楽しくプレーしている姿を見せるだけには決してしてはいけない。チームで勝たなければならない。
幸運にも今年の首脳陣・コーチ陣が決めたラグビースタイルはhip hop rugbyということで自分の理想には近いのかもしれない。とはいえ今後、チームのために自分の理想とは異なる形で勝負することもあるだろう。その時に自分は覚悟を決められるだろうか。
今年のスローガンのchallengeになぞらえ、自らのchallengeとしてそういったプレー、言ってしまえば好きではないプレーにも挑戦していくことを決めた。自分の理想をないがしろにするわけではない。きっとやってみればどんなプレーだって面白く感じられると考えたからだ。こんなにも魅力的なスポーツに面白くないプレーなんてきっとないのだと信じることにする。
10年目になるラグビーも、この1年を最後にもう続けるつもりはない。だから最後までラグビーを好きでいたい。そして最後に本当にチームの力になり、勝利に貢献したい。
長文失礼いたしました。次は強面と毒舌に隠された繊細な性格の持ち主である3年の河本君にお願いします。
新チームが始動するこの時期に行われることとして、HPのプロフィールの更新がある。顔写真、コメントが一新され、部員の中にはこの1年で大きくなった自分の体に満足する者や興味深いコメントを残しユーモアのセンスを見せつける者もいる。気の知れた人間たちの自己紹介というのは案外面白いもので、自分としては結構楽しんで読んでいたりする。
しかしこの時期に自分のコメントを書くとき、毎回少し詰まってしまうものがある。「ラグビーを始めたきっかけ」である。自分のきっかけは親の影響であり、親が高校時代にラグビーをしていた影響でラグビー部がある中学しか受験させてもらえなかったのでこれは事実ではあるのだが、これが少しすっきりしない。親の影響と書くと少し受動的な印象を与えてしまいがちだが、いやいや始めたのではないからだ。今となってはなぜラグビーを始めたのか自分でも思い出せないが、自分の中では押し付けられた気分ではないのは確かなのだ。そこがあいまいなのでコメントを書くのに詰まってしまうのだが、その代わり「大学生になってもラグビーをつづけた理由」ははっきりと持っている。今の自分のラグビーの根源はそこにある。
ラグビーが好きだから。と少ないボキャブラリーを逆に利用し、とても素直な新入生の言葉として3年前の自分は入部の理由を口にした。今となってもう少し言葉を足すと、自分の納得できるラグビーをしている時が最も幸せだから、である。だが実はこの時点で、この部に入部するには自分の覚悟が足りていなかったことに気付いたのは去年のことだった。この自分の信念ともいえる言葉は、裏を返せば勝利よりも自分のしたいラグビーを優先していた。もちろん、そんな大それたことを言えるほどの実力などないし、妥協の言い訳と言えばそれまでなのだが。
体力的にも技術的にもチームの力になどなれなかった1,2年のころはまだしも、チームを支えるべき上級生となった昨シーズンでさえ、この考えを変えられず、チームに貢献することはできなかった。どんなに努力しているつもりでも、チームに要求されるプレーというものへの覚悟ができなかった。チームが求めたのはコンパクトにランナーが走りこむシェイプラグビー。それを貫けば必ず勝ち抜けると、皆が信じていたし自分でもわかってはいた。しかし、自分の理想はポッドを用いたような展開ラグビーであり、鋭く走りこむプレーヤーでなく、Conrad Smithのような華麗なパスのできるプレーヤーだった。どこか割り切れず、プレーをし続けた。
結局自分はこの3年間自分のためにラグビーをしていた。そんな人間が対抗戦でスイカを着れなかったのも当たり前だろう。支えてくださる人達への恩返しは、楽しくプレーしている姿を見せるだけには決してしてはいけない。チームで勝たなければならない。
幸運にも今年の首脳陣・コーチ陣が決めたラグビースタイルはhip hop rugbyということで自分の理想には近いのかもしれない。とはいえ今後、チームのために自分の理想とは異なる形で勝負することもあるだろう。その時に自分は覚悟を決められるだろうか。
今年のスローガンのchallengeになぞらえ、自らのchallengeとしてそういったプレー、言ってしまえば好きではないプレーにも挑戦していくことを決めた。自分の理想をないがしろにするわけではない。きっとやってみればどんなプレーだって面白く感じられると考えたからだ。こんなにも魅力的なスポーツに面白くないプレーなんてきっとないのだと信じることにする。
10年目になるラグビーも、この1年を最後にもう続けるつもりはない。だから最後までラグビーを好きでいたい。そして最後に本当にチームの力になり、勝利に貢献したい。
長文失礼いたしました。次は強面と毒舌に隠された繊細な性格の持ち主である3年の河本君にお願いします。
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