ラグビー部リレー日記

過去になる

投稿日時:2017/12/10(日) 16:07

へたこんで毎年1年生の人気を掻っ攫う豊原からバトンを頂きました、4年の平田です。




衝突の直前、異常に狭くなる視界。

頭の中は真っ白なまま勝手に前に出る身体。

強い衝撃と軽くなって仰向けになる相手。

タックル好きなら分かるだろうがタックルが上手く決まった時の快感は他のプレーにはないものがある。



今となってはいい思い出だが、大学2年の夏に全くタックルに入れなくなった。完全にあの感覚を失ってしまった。

タックルしか得意なプレーがなかった自分にとっては致命傷でしかなく、焦りに焦った。なぜタックルに入れなくなったのか、どうやったらあの感覚を思い出せるのか、毎日考えた。練習で何度も修正しようとしたが相手が怖くて全く上手くできない。同期にも「昔の平田はどこにいった?」と言われ非常に辛かった。

こんなはずではない。もっとできるはずだ。こんな所でつまづいてるつもりはない。そうは思ってもタックルの直前どうしても気持ちが入らない。受けてしまう。なぜだ。答えが得られない。



そんなこんなでこの状態は約2年続いた。4年の春にはなんとか克服できたことを思えばやはりいい思い出である。

部員達、あるいは部を去って行った者達の話を聞いて痛感するのは、自分達は東大ラグビー部という環境を共有していながら、それぞれ全く違う悩みや苦しみを抱えている、ということだ。東大ラグビー部にいるとだいたい皆直面するような問題でも、対応や感じ方は本当に様々だと感じた。ただそれでも、4年間積み重なったそれらの苦悩達は引退すれば過去になって消えてしまう。自分がタックルできなかった悩みなど東大ラグビー部の歴史から見ればほんの一部でしかないだろう。

引退まで残り2週間を切った。様々な人達の苦悩の上に成り立ち、支えられている今を実感しながら、みんなでラグビーを楽しみたい。



次は4年間でライザップに成功し個人的には少し寂しい、竹村にバトンを渡します。

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