ラグビー部リレー日記

東大ラグビー部でよかった

投稿日時:2018/12/06(木) 23:37

圧倒的なラインブレイク力を誇り、だれからも認められる存在となった浦山からバトンを受け取りました、4年の江崎です。

先日、長かった対抗戦シーズンが終わり、残すは名古屋大戦と京都大戦となった。近頃は引退を強烈に意識するとともに、東大ラグビー部での様々な記憶が、ふとした時に思い出される。

1,2,3年生まで3年間と、4年生の1年間は、大きく違うものだった。

4年生になると、望む望まざるにかかわらずチームのリーダーになる。学生スポーツの宿命だろう。そしてチームの活動を学生主体で行っていくと決めた今年は、リーダーとなる4年生が、組織の在り方や、日程、戦術、練習などを自分たちで作り上げていくこととなった。ただ前で皆を鼓舞すればいいわけではない。4年生になったとたんに、やるべきことは大きく増えた。

ちょうど1年前、自分たちでチームを作り上げていこうとしたとき、まず気づいたのは自分の無知さだった。いいチーム、いい組織とは何なのか、人の前に立って引っ張るには何が必要なのか、チームとして正しい努力を積み重ねるためにはどうすればいいのか、何一つわかっていなかった。同期の、後輩たちの部活に捧げているエネルギーを正しい方向に導くために、リーダーはそれを学ぶ責任がある。

何も知らなかった自分に、かねてから組織論を学んでいた同期の鎌田は、目的や目標、組織の在り方について教えてくれた。キャプテンの石川はリーダーに必要な態度、資質を学び教えてくれた。人がやる気を出すのはどうすればいいかなど、自分でも本を読んでいろいろ勉強した。学んだことをベースに、東大ラグビー部にあうであろう最善の方策を考えて実践した。

するとチームは面白いようにいい方向に進んでいった。日々自分たちが強くなっていることを感じた。とても驚いたし、とても楽しかった。シーズン中に問題が起きるときも多々あったが、それがだれの責任なのかをはっきりさせて解決を促した。そして全体で考えるべき問題は全員が本当に納得いくまでとことん話し合った。

それを積み重ねた末に、目標としていた対抗戦を戦った。4勝3敗。目標達成である。なんとなく立てた目標ではなく、自分達が明確なプランを立てて、責任をもって導くと断言した目標だからこそ、達成できたことに大きな価値がある。

しかし、一番大切なのはそこではない。目標の達成のために努力したその先に、自分たちの果たすべき目的がある。自分たちが東大ラグビー部で活動する目的は、“ラグビーに真摯に取り組むことで人生を豊かにする”ことだ。

目標達成のために、信頼できる仲間たちと必死に考え、話し合い、行動し、努力したその経験が、自分の中にかけがえのない財産として残った。この経験が、自分の人生を豊かなものにしてくれるのだろう。うまくいったことも、うまくいかなかったこともすべて意味がある。ラグビーに真摯に取り組んだからこそ、である。

自分一人では、到底こんな経験などできなかった。恵まれた仲間に出会えて、一緒にラグビーをすることができて本当によかった。みんなありがとう。自分がこの東大ラグビー部の一員でいれたことを誇りに思います。

お読みいただきありがとうございました。次は大きな怪我を抱えながらも対抗戦シーズンを戦い抜いてくれた鎌田に回します

 

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