ラグビー部リレー日記
誇り
投稿日時:2022/12/22(木) 18:30
主務の廣瀬からバトンを受け取りました、副将の松元です。
廣瀬はこの一年間、私生活も全てラグビーに捧げて主務として大車輪の活躍をしてくれました。個人としても性格や考え方、人生観などが似ている部分が多く、なんていう紹介文さえもやはり被ってしまいました。口に出すのは恥ずかしいですが勝手に親友だと思っています。何もやることがなくてただ港で寝転がるような弾丸旅行、また行きましょう。
「勝利」とは一体何なのだろうか。今年になって考えるようになった。
振り返るとラグビーに関わってきた去年までの6年間、そんなことは全く考えてこなかった。弓道部に入ろうとして、たまたま出会った湘南高校ラグビー部。そして高校でやっていて楽しかったからという理由で入った東大ラグビー部。去年までの自分は試合中、常に頭の中にあるのは目の前の相手をタックルで倒すこと、そして少しでも多くゲインすること。どうやって勝とうだとか、チームがどうだとか全くそんなことは考えておらず、ひたすらに自分のプレーのみに集中していた。勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。ただそれだけだった。
そんな自分が最高学年になった。シーズンが始まる前に学年MTGでみんなにラグビーをやる理由について聞いた。
「勝ちたいから」、「ラグビーを好きになりたいから」、「日常だから」、「東大にいるから」。
いろんな意見があった。個人個人でラグビーをやる理由なんて違うものであるはずだし、そこに間違いなんてものは無い。ラグビーをやるバックグラウンドが多種多様なのは東大ラグビー部の特徴であろう。
そんな中で今年の目標は
「対抗戦全勝で入替戦出場」
に決まった。
つまり4年生、ひいては自分達首脳陣は「多種多様なバックグラウンドを持つ部員と共に1つの目標、勝利に向かう」ことが責務であり、成し遂げなければいけないことである。簡単なことではない。自分は國枝みたいにチーム全体を見てマネジメントすることはできないから、勝利に向かうためにグラウンドで一番体を張ることを、覚悟を決めた。
目標を「対抗戦全勝で入替戦出場」、手段を「フィジカルで圧倒すること」としてシーズンは始まった。シーズン当初はBBC、CCを重ねて着実にフィジカルの強化を感じていくことができた。体重を増やし、その大きくなった体をどのように使うか、かなりきつい練習であったことは確かだが、練習を通してみんなのレベルアップを感じることができ、気持ちはかなり前向きだった。4月末に行った京王線沿い某強豪大学との練習試合ではDFにかなりの課題を抱えたものの、ゴール前ではトライを取り切ることができたシーンもあり、自分達のやっていることに間違いはないことを実感できた。
しかし、怪我をした。グラウンドで一番体を張ることが自分の責務だと考えていた自分は途端に自分のやるべきことを見失った。焦りしかなかった。明治戦や早稲田戦での大敗を見て、部員に対して厳しく接した。言わなくていいことも言った。その後のチームの連勝があっても、勝手に焦って、これじゃダメだと素直に勝ちなんて喜べず、チームのいいところになんて全く目を向けられず、悪かったところしかみんなに伝えることができなかった。
怪我から復帰してからもそれは変わらなかった。山梨学院戦や慶應戦、立教戦を通して不安が増えていった。去年の学習院戦がよぎって、チームが一瞬の綻びから一気に悪い方へ転がる気がして、自信なんて持てなかった。
そして迎えた対抗戦。
いつの間にか、勝ったことに喜べなくなっていた。やるべきこと、やらなければいけないこと、できなかったこと、そんなことに押しつぶされて、あれよあれよという間に対抗戦は終わってしまった。
勝ちを欲していたはずなのに、勝ったことから一番遠いところにいたのは他でもない自分だった。
今思うと多分勝利には二つあったのだと思う。自分に勝利することと、相手に勝利すること。自分は今年、自分に負け続けてしまった。やるべきことに、進むべき道に悩み、迷った。迷った末に相手に勝利することに喜びを感じれなくなった。でも迷う必要なんてなかった。自分が迷ったら、部員たちだって迷う。自分がするべきことは、自分達がしていることが正解だと信じて、進むことだった。
もしシーズン前の自分に声をかけられるのであれば、去年甲斐も書いていたが、「もっと肩の力を抜けよ。」と言ってやりたい。「勝ったら喜べ。大切なのは切り替えることだ、自分を信じろ。」と。正解かどうかなんてわからないけど、それが自分の出した一つの結論だと。
1年生から4年生まで対抗戦全試合に出場させていただいたけど、自分がプレーヤーとして成長できたかどうかなんて結局わからなかった。でもわからないならわからないなりに、今自分の持ちうる全てを、自分を信じて、みんなを信じて、明後日の試合にぶつけることで自分の大学ラグビーの幕を閉じたい。
この4年間お世話になった方々に感謝の思いを。
両親、コーチ陣の皆様、OB・OGの皆様、トレーナーの皆様、先輩方、後輩たち、本当にたくさんの方の力を借りて4年間、ラグビーをすることができました。本当にありがとうございました。皆様にかけていただいた言葉、皆様の姿、全てを自分の糧にして、一人の息子として、東大ラグビー部の卒業生として、そして仲間として胸を張って生きられるようにこの先の人生を歩んでいきたいと思います。ありがとうございました。
この場をお借りして同期に少しだけ。
同期へ。
人間的にも副将としても未熟でたくさん迷惑をかけました。みんなの目を気にして、みんなに嫌われたくなくて、みんなから離れようとしたこともありました。
本音を話すのは苦手です。
自分の底が見えるような気がするから。
本音を話すのは苦手です。
涙が出て来てしまうから。
でもここで書かなかったら一生自分の口からは言わない気がするので。
杉井と三方と國枝が後輩を巻き込んで馬鹿騒ぎしているのを見ているのが好きでした。
玉代勢と内藤が全く内容の無い話をしているのを聞いているのが好きでした。
財木とごたつと光と一緒に遊ぶのが好きでした。
鵜飼と平岡が野球の話をしているのを聞くのが好きでした。
原くんとしゅうぞうとゲームをするのが好きでした。
ゆきちゃんの周りに流れてるゆったりとした空気感が好きでした。
ささが彼女にデレデレになっているのを見るのが好きでした。
佐川と河内がしょーもないことで平岡をいじっているのを見るのが好きでした。
あしゃが後輩の前でカッコつけているのを見るのが好きでした。
五島が意味わからないタイミングで話に入ってくるのが好きでした。
かわはるにテーピングを巻いてもらうあの時間が好きでした。
えのきと若菜がなじりあっているのを聞くのが好きでした。
岩下が山梨学院から唯一学んできた叫び声が好きでした。
あきらの絶妙に心に刺さる毒舌が好きでした。
廣瀬とのんびり温泉に行くのが好きでした。
試合に勝ってみんなと一緒に喜ぶのが好きでした。
成蹊明学に勝って、入替戦に出て、みんなが、國枝がどんな顔をしているのかが見たかった。
本当に4年間ありがとう。
副将として後輩に残せるようなリレー日記をと思ったけど無理でした。リレー日記で書くことじゃない駄文だったかもしれません、すみません。
でもこれでいいと思っています。自分の身の丈に合った自分の言葉です。
最後にかつてリレー日記に書いた言葉をもう一度。
「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである。」
この4年間、ラグビー部での日々は決して楽しいことばかりではなかったけれど、いざ終わりになるとこんなにも失うことが悲しくなるほど、大切で愛おしいものでした。結果的には入替戦に出られず目標は達成できなかったけれど、まだまだ自分でもこの結果に納得はいってないし受け止めるにはちょっと時間がかかりそうだけれど、いつか自分でもこの4年間を、この1年間を誇れるようにまずは明後日の京大戦から。
もがいて、全力で、今までで一番を。
京大戦、勝って笑おう。
國枝組
副将 松元暢広
次は我らが主将、國枝にバトンを回します。今年のチームは國枝がいたからこそ、こんなにも下級生もついて来てくれる良いチームになりました。副将として全く力になれなかった気しかしなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。私生活でも部活動でもチームの規範となり部員一人一人に目を向ける良いキャプテンであり続けました。ありがとう。激アツだったよ、キャプテン。
廣瀬はこの一年間、私生活も全てラグビーに捧げて主務として大車輪の活躍をしてくれました。個人としても性格や考え方、人生観などが似ている部分が多く、なんていう紹介文さえもやはり被ってしまいました。口に出すのは恥ずかしいですが勝手に親友だと思っています。何もやることがなくてただ港で寝転がるような弾丸旅行、また行きましょう。
「勝利」とは一体何なのだろうか。今年になって考えるようになった。
振り返るとラグビーに関わってきた去年までの6年間、そんなことは全く考えてこなかった。弓道部に入ろうとして、たまたま出会った湘南高校ラグビー部。そして高校でやっていて楽しかったからという理由で入った東大ラグビー部。去年までの自分は試合中、常に頭の中にあるのは目の前の相手をタックルで倒すこと、そして少しでも多くゲインすること。どうやって勝とうだとか、チームがどうだとか全くそんなことは考えておらず、ひたすらに自分のプレーのみに集中していた。勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。ただそれだけだった。
そんな自分が最高学年になった。シーズンが始まる前に学年MTGでみんなにラグビーをやる理由について聞いた。
「勝ちたいから」、「ラグビーを好きになりたいから」、「日常だから」、「東大にいるから」。
いろんな意見があった。個人個人でラグビーをやる理由なんて違うものであるはずだし、そこに間違いなんてものは無い。ラグビーをやるバックグラウンドが多種多様なのは東大ラグビー部の特徴であろう。
そんな中で今年の目標は
「対抗戦全勝で入替戦出場」
に決まった。
つまり4年生、ひいては自分達首脳陣は「多種多様なバックグラウンドを持つ部員と共に1つの目標、勝利に向かう」ことが責務であり、成し遂げなければいけないことである。簡単なことではない。自分は國枝みたいにチーム全体を見てマネジメントすることはできないから、勝利に向かうためにグラウンドで一番体を張ることを、覚悟を決めた。
目標を「対抗戦全勝で入替戦出場」、手段を「フィジカルで圧倒すること」としてシーズンは始まった。シーズン当初はBBC、CCを重ねて着実にフィジカルの強化を感じていくことができた。体重を増やし、その大きくなった体をどのように使うか、かなりきつい練習であったことは確かだが、練習を通してみんなのレベルアップを感じることができ、気持ちはかなり前向きだった。4月末に行った京王線沿い某強豪大学との練習試合ではDFにかなりの課題を抱えたものの、ゴール前ではトライを取り切ることができたシーンもあり、自分達のやっていることに間違いはないことを実感できた。
しかし、怪我をした。グラウンドで一番体を張ることが自分の責務だと考えていた自分は途端に自分のやるべきことを見失った。焦りしかなかった。明治戦や早稲田戦での大敗を見て、部員に対して厳しく接した。言わなくていいことも言った。その後のチームの連勝があっても、勝手に焦って、これじゃダメだと素直に勝ちなんて喜べず、チームのいいところになんて全く目を向けられず、悪かったところしかみんなに伝えることができなかった。
怪我から復帰してからもそれは変わらなかった。山梨学院戦や慶應戦、立教戦を通して不安が増えていった。去年の学習院戦がよぎって、チームが一瞬の綻びから一気に悪い方へ転がる気がして、自信なんて持てなかった。
そして迎えた対抗戦。
いつの間にか、勝ったことに喜べなくなっていた。やるべきこと、やらなければいけないこと、できなかったこと、そんなことに押しつぶされて、あれよあれよという間に対抗戦は終わってしまった。
勝ちを欲していたはずなのに、勝ったことから一番遠いところにいたのは他でもない自分だった。
今思うと多分勝利には二つあったのだと思う。自分に勝利することと、相手に勝利すること。自分は今年、自分に負け続けてしまった。やるべきことに、進むべき道に悩み、迷った。迷った末に相手に勝利することに喜びを感じれなくなった。でも迷う必要なんてなかった。自分が迷ったら、部員たちだって迷う。自分がするべきことは、自分達がしていることが正解だと信じて、進むことだった。
もしシーズン前の自分に声をかけられるのであれば、去年甲斐も書いていたが、「もっと肩の力を抜けよ。」と言ってやりたい。「勝ったら喜べ。大切なのは切り替えることだ、自分を信じろ。」と。正解かどうかなんてわからないけど、それが自分の出した一つの結論だと。
1年生から4年生まで対抗戦全試合に出場させていただいたけど、自分がプレーヤーとして成長できたかどうかなんて結局わからなかった。でもわからないならわからないなりに、今自分の持ちうる全てを、自分を信じて、みんなを信じて、明後日の試合にぶつけることで自分の大学ラグビーの幕を閉じたい。
この4年間お世話になった方々に感謝の思いを。
両親、コーチ陣の皆様、OB・OGの皆様、トレーナーの皆様、先輩方、後輩たち、本当にたくさんの方の力を借りて4年間、ラグビーをすることができました。本当にありがとうございました。皆様にかけていただいた言葉、皆様の姿、全てを自分の糧にして、一人の息子として、東大ラグビー部の卒業生として、そして仲間として胸を張って生きられるようにこの先の人生を歩んでいきたいと思います。ありがとうございました。
この場をお借りして同期に少しだけ。
同期へ。
人間的にも副将としても未熟でたくさん迷惑をかけました。みんなの目を気にして、みんなに嫌われたくなくて、みんなから離れようとしたこともありました。
本音を話すのは苦手です。
自分の底が見えるような気がするから。
本音を話すのは苦手です。
涙が出て来てしまうから。
でもここで書かなかったら一生自分の口からは言わない気がするので。
杉井と三方と國枝が後輩を巻き込んで馬鹿騒ぎしているのを見ているのが好きでした。
玉代勢と内藤が全く内容の無い話をしているのを聞いているのが好きでした。
財木とごたつと光と一緒に遊ぶのが好きでした。
鵜飼と平岡が野球の話をしているのを聞くのが好きでした。
原くんとしゅうぞうとゲームをするのが好きでした。
ゆきちゃんの周りに流れてるゆったりとした空気感が好きでした。
ささが彼女にデレデレになっているのを見るのが好きでした。
佐川と河内がしょーもないことで平岡をいじっているのを見るのが好きでした。
あしゃが後輩の前でカッコつけているのを見るのが好きでした。
五島が意味わからないタイミングで話に入ってくるのが好きでした。
かわはるにテーピングを巻いてもらうあの時間が好きでした。
えのきと若菜がなじりあっているのを聞くのが好きでした。
岩下が山梨学院から唯一学んできた叫び声が好きでした。
あきらの絶妙に心に刺さる毒舌が好きでした。
廣瀬とのんびり温泉に行くのが好きでした。
試合に勝ってみんなと一緒に喜ぶのが好きでした。
成蹊明学に勝って、入替戦に出て、みんなが、國枝がどんな顔をしているのかが見たかった。
本当に4年間ありがとう。
副将として後輩に残せるようなリレー日記をと思ったけど無理でした。リレー日記で書くことじゃない駄文だったかもしれません、すみません。
でもこれでいいと思っています。自分の身の丈に合った自分の言葉です。
最後にかつてリレー日記に書いた言葉をもう一度。
「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである。」
この4年間、ラグビー部での日々は決して楽しいことばかりではなかったけれど、いざ終わりになるとこんなにも失うことが悲しくなるほど、大切で愛おしいものでした。結果的には入替戦に出られず目標は達成できなかったけれど、まだまだ自分でもこの結果に納得はいってないし受け止めるにはちょっと時間がかかりそうだけれど、いつか自分でもこの4年間を、この1年間を誇れるようにまずは明後日の京大戦から。
もがいて、全力で、今までで一番を。
京大戦、勝って笑おう。
國枝組
副将 松元暢広
次は我らが主将、國枝にバトンを回します。今年のチームは國枝がいたからこそ、こんなにも下級生もついて来てくれる良いチームになりました。副将として全く力になれなかった気しかしなくて申し訳ない気持ちでいっぱいです。私生活でも部活動でもチームの規範となり部員一人一人に目を向ける良いキャプテンであり続けました。ありがとう。激アツだったよ、キャプテン。
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