ラグビー部リレー日記

ぼくの人生にラグビーは必要だったか

投稿日時:2019/12/18(水) 20:58

練習リーダーとしてチームを引っ張ってくれたゆうがからバトンを受け取りました、濃野です。
彼は湿った日記を書いていましたが、彼の変化を4年間身近で感じてきた同期の身としては、もっと自己評価は高くていいと思います。

 

「ぼくの人生にラグビーは必要だったか」


これはぼくの頭の中をずっと漂っていた問いだ。



小さい頃から「なぜ」を考えるのが好きで、「なぜ」の対象は自分自身にも向けられることが多く、昔からなにをするにも「なぜ自分はコレをやろうとしてるのか」を考えることが習慣になってた。だから、4年前、東大ラグビー部に入るか迷っていた時も、
「どうして自分はこのチームに惹かれてるのか」

「なんで東大にまできて、部活をしようとしてるのか」

「スポーツに取り組むとなにがいいのか」
とか、堅苦しいことを4月からずっと考えてた。


 

もっと昔を思い返せば、進路を決める時も「なぜその道に進もうとしてるのか」をやたらと考えてた。
自分が東大に来た理由は夢を叶えるためで、そのために1浪もした。


 

ぼくの夢は宇宙飛行士になること、ひいては、誰でも宇宙に行ける世界を作ること。それを鑑みると間違いなく東大に行くのがベストだと高校生のぼくは考えた。なんたってこれまでの日本人宇宙飛行士11名のうち4名が東大出身で、言わば「宇宙飛行士への黄金ルート」だと思ったから。


 

浪人期はその夢への執着だけで頑張ってこれた。浪人期は勉強ばっかりで気が塞ぐこともある。行ける大学に行っとけば良かったと思ったことも何度もあった。予備校からの帰り道に自分と同年代の大学生らしき人たちが楽しそうで輝いて見えた。一方で自分は高校生でも大学生でもないただのニート。当然「なんで自分は宇宙飛行士になろうとしているんだろう」と悩んだ。


 

そう悩んでいると必ず行き着く思い出がある。それは小さい頃、両親に連れて行ってもらった博物館や科学館の思い出の数々。ぼくはその科学館の恐竜の模型とかロケットの模型とかがすごく好きで、親に「ここ行ってみる?」と科学館の資料を指さされた時は必ず「行く!!」と返事した。


 

だけど、ぼくが本当に好きだったのは道中の車の中での父との会話だ。父は理系出身で、幼児特有の「なぜなぜ期」のぼくの質問に全部答えてくれた。

「虹はなんでできんの?」

「なんで信号無視したらあかんの?」

「遠くの景色はゆっくり動くのに近くの景色は速く動くのはなんで?」

ぼくは思いつく質問は全部した。なんでも質問した。幸いぼくの父親は説明がうまいし、そこからいろんな話を繋げてくれたおかげで、質問すること自体が楽しかった。

そうやってたくさん質問していると、さすがに父にも答えられないことも疑問に思うようになってきた。

「宇宙ができる前はなにがあった?」

「海の底はどうなってる?」

「生物はどうやってできた?」

小学生になった時くらいからぼくが余りに質問するので父も「分からんなあ。自分で調べて。」と困るようになってきた。その時は生意気ながら「なんだ知らないのか」と思って、「それだったら自分で調べてやる」と家にあった小学生向けの図鑑を読み漁った。動物図鑑とか乗り物図鑑とか科学図鑑とかたくさんあったから全部読んだ。何周も読んだ。それだけじゃ物足りなくて母親と毎週末のように図書館に行った。大人向けの本もひらがなと挿絵だけを追って、分からないところは想像力で補完しながら一生懸命読んだ。

 

あらゆる図鑑や本を読んでいくうちに自然と自分の興味が宇宙に向けていることに気がついた。
好んで宇宙の絵を見てる。

自然と宇宙の本に手を伸ばしてる。

自分は宇宙が好きだということに気がついた。


 

ぼくの宇宙への執着はここから来てる。


 

それ以降ずっと将来設計は宇宙にまっしぐらだ。

もちろん、今まで何度も諦めるべきタイミングはあった。

大学入試に一度負けたとき。

進振りで負けたとき。

友だちに馬鹿にされたとき。

大人からの嘲笑を食らったとき。

夢を持っている自分がダサいと思ったとき。

宇宙飛行士になりたいと口にするのが恥ずかしかったとき。


 

でも、諦められなかった。

何度も自尊心を砕かれても、何度も運命に拒絶されても、やっぱり宇宙が好きだった。

だから、もう一度東大を目指そうと思った。

だから、進振りで第一希望じゃない学科に行っても腐らなかった。

だから、院試も頑張れた。

そして、また大学院で希望の学科に合格して「夢への黄金ルート」に戻れた。


 

「宇宙がなぜ好きか」という問いには答えられない。

それより先に理由はない。

生まれた時からDNAに組み込まれてるんじゃないかというくらい宇宙が好きだ。

今でも宇宙関係のニュースを目にすると興奮するし、空を見上げてあの先はどうなってるんやろ、と想いを馳せる。

理由がないくらい宇宙が好きで、だからぼくは「宇宙飛行士」が夢であり、誰でもその素敵な世界に踏み入れられるよう、「宇宙を身近にすること」が人生の目標だ。
 


ここで、冒頭の問いに戻る。


「ぼくの人生にラグビーは必要だったか」


ラグビーしてれば宇宙飛行士になれる?
ラグビーに時間を費やすことが夢への最適解なの?
ぼくはラグビーを通して何かしらの「財産」を得たのか?

答えは紛れもなくイエスだ。

自分の将来に必要で、この東大ラグビー部じゃないと得られなかったものがたくさんある。自己管理能力とか、東大ラグビー部のGo Lowの精神とか、ラグビーの自己犠牲の精神とかたくさんあるけど、ぼくがいまこのリレー日記で1番強調したいことがある。

それはチームメイト。

いろんなひとがいた。

いろんなひとと友情を築いた。

いろんなひとに迷惑かけて、その度に助けられた。

いろんなひとの素晴らしさに気付けた。

いろんなひとと出会って、いろんな価値観と出会えた。

 

宇宙に行けばもっといろんなひとと出会う。

国籍が違うひと、肌の色が違うひと、宗教が違うひと。

共通点は「人間である」ことだけ。

宇宙飛行士になるには、そういうひとたちと一緒に協力しながら何週間も暮らせる資質がないといけない。

孤立した狭い空間での生活。

死と隣り合わせの作業。

ぼくに、そんなプレッシャー下で、文化も価値観も何もかも違うひとと上手くやっていける資質はあるのか。

 

いまのぼくには「持ってる」と答える自信がある。

その自信はチームメイトとの濃密な時間が作り出してくれたんだと思う。

東大ラグビー部にはいろんなやつがいた。

だから、いろんな引き出しが増えた。

 

誰かが凹んでいたら、優しかったアイツみたいにそっと声をかけてあげよう。

うまくいかないことが続いていたら、あの頃のアイツみたいに背中で引っ張って見せよう。

話しかけにくい人がいても、アイツみたいにガンガンいこう。

アイツみたいに自分が新入りでも引っ張るつもりでやろう。

 

今までぼくがラグビー部を通して出会ったひとたちはみんな未来のお手本になるかもしれない。
いや、むしろ、師として心のノートにメモっておかないといけない。
 

いま、ぼくはこれまで出会ったたくさんのひとに感謝している。だけど、面と向かってありがとうというのも恥ずかしいから、心のノートに、彼らの存在をメモすることを感謝の印としたい。
みんなを忘れないことをありがとうの言葉の代わりとさせて欲しい。

 

その心のノートを胸に抱えてぼくはこの先も自分の夢と真剣に向き合っていく。

 

終わりは始まり。

引退は次のステージへの第一歩。

ここで失速したら、4年間がただの「思い出」になる。ぼくがやりたいのはそうじゃなくて、4年間を立派な「財産」に昇華させること。
 

「財産」とは結果とか功績とか目に見えるものだけを指すんじゃなくて、過程で何を得たかを振り返り、次へどうやって活かすか考え続けることでも獲得できる。
むしろ4年間を「財産」たらしめるのは今後のぼくの生き方そのものだと思う。


 

4年間のこの「財産」を糧にぼくはこれからも夢に向かって歩いていく。
時には回り道して、時には壁にぶつかりながら、でも着実に一歩ずつ歩いていく。

親はそんなつもりはなかっただろうけど、名付けられた通りの人生になりそうだ。どうも素敵な名前をありがとう。


 

もし、たくさん歩いた先に、夢を叶えられることができたら、仕事仲間にぼくの心のノートを見せながら、空よりも高いところから地球を眺めて、こんな風に自慢しよう。



 

「東大ラグビー部は良いチームだったよ。」


 

 

以上が、2年前に当時まだラグビー部ではなかった北野に語った「夢」(http://www.turfc.com/blog_detail/id=1408)であり、ぼくはこの先も彼の立派な先輩であれるよう、頑張らないといけない。彼に「あの人、俺の先輩やで」と自慢してもらえる人間になろう。

 

次は、副将としてチームを引っ張ってくれた河合にバトンを渡します。彼もまた後輩からの支持が強く、「後輩思いの先輩」ランキングで1位を獲得しました。

彼含めてそうですが、今年の4年は後輩からとても慕ってもらった代だと思います。もちろん後輩たちには頭が上がりませんが、そんな個性豊かで素敵な人柄を持った同期たちを誇りに思います。

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