ラグビー部リレー日記

166cmの巨人

投稿日時:2022/05/18(水) 15:14

才能とも言えるように裏の裏の裏をかいて僕たちの予想を上回る行動をする同期の倉橋からバトンを受けとりました、2年の田村です。「逆張り」なんてよく言われている彼ですが、なんだかんだ素直な面があったりで面白いやつです。気遣ってくれてありがとう。こういう人たちばかりだから僕はラグビー部が大好きなんです。

 

実はこの1ヶ月ほど部活を休ませていただいています。4月初めに肩を脱臼して手術を受けたので、これから5ヶ月間のリハビリを迎えるにあたって安静期間である1ヶ月間はラグビーから離れたいと思い、僕のわがままを受け入れていただきました。ありがとうございます。この間何をしていたかとか怪我についてはまた今度書こうと思います。

 

僕はこのホームページのプロフィールの尊敬する人のところに両親と並んである人の名前を書いている。廣川翔也選手だ。正直、知っている人は少ないと思う。ただ、廣川選手は僕の憧れの存在だ。

 

僕が小学生の時、父が慶応大学のラグビー部でコーチをしていたこともあり、遊びに行く感覚で毎週末慶応の日吉グラウンドに行って練習終わりの学生さん(と当時呼んでいた笑)にドロップキックやパスを教わっていた。父はバックローコーチをしていたので、フランカーである廣川選手のことを練習後に教えていたそうだ。僕には想像もできないほどしごかれたであろう後でも、いつも優しく僕と話してくれたり遊んでくれたりした。

 

廣川選手は身長が166cmしかない。(いつかのラグマガに170cmと書いてあったが。) 東福岡高校でスクラムハーフをしていたそうだが、僕にはフランカーのイメージしかない。廣川選手の凄さはなんと言ってもタックルだ。圧倒的な泥臭さと天才(練習の積み重ねだろうから秀才かもしれない)的な嗅覚でもって相手を文字通り薙ぎ倒す。シングルタックルでトンガ人を倒したあとの次のフェーズでまたタックルしてる。右端でタックルをした2フェーズ後に左端でビッグタックルをしている。タックルで敵のノックオンを誘って会場が湧く中でも、淡々とずれたヘッドキャップを直す。痺れた。相手にビッグゲインされても廣川選手が止めてくれるのではないかとどこか期待してしまっていたし、実際本当に止めてくれていた。166cm85kgがグラウンドでは誰よりも大きく見えた。

 

ラグビー日本代表の藤田慶和選手もYouTubeで最強のタックルモンスターにあげているので是非見てみてほしい。日本代表からこれほどの評価を受けるタックルは本当に見とれてしまう。

https://youtu.be/pG2O8t1aUwU?t=196

 

廣川選手のことをずっと間近で見てきた。父が練習後学生さんたちを家に連れてきてご飯をご馳走することが毎週のようにあったが、ほとんど廣川選手を呼んできていた。引越しも手伝ってくれた。大学の卒業旅行で僕が中学生当時住んでいたベトナムにも遊びに来てくれた。正直口達者とは言えず口下手で、いつも「っすーー」と頭をかしげながら喋っているのに、試合になると目が変わる。2年生の時から黒黄の6番をつけて試合に出ており、試合が終わるころには足を攣っていた。ボールに触ることはほとんどないのに誰よりも出し切るのだ。そのギャップもまた最高にカッコよかった。

 

そんな廣川選手は卒業後ヤマハ発動機ジュビロに入団した。フォワードのチームでどの選手もデカいヤマハに166cmの廣川選手が入ったのだ。170cmとサバ読みしても到底敵わない。なんだか夢を与えてくれた気がして本当に憧れた。僕はトップリーガーを目指していたわけではなかったが、ラグビーは続けたいなと思った。

 

その廣川選手が引退することになった。正直、廣川選手をテレビで見ることはあまりなかった。それでも、ツイッターで毎回メンバー発表は確認していた。僕の都合もあり、結局現地で応援はできなかった気がする。あれだけ人間離れしたタックルをしていた廣川選手でも敵わない世界があることに驚いた。それでも、やっぱりめちゃくちゃかっこよかった。ヤマハのSNSで見かけるたびにいいねしてたし活躍の有無に関わらず僕の憧れであることには変わりない。

 

どんな選手になりたいかと言われたら廣川選手みたいな人と答える。性格はだいぶ違うと思うし練習量も比べるのも恥ずかしいほど差があるから大学4年間で廣川選手に並べる人になるのは相当苦労しそうだが、ビッグタックルでチームを救える人間になりたい。そしてそれをなんということもなくなしとげてしまい、ずれたヘッドキャップを直しながら次のボールに向かって突っ込める人になりたい。

 

小さな時からあれだけ見てきて憧れてきた黒黄を着ることは人生でなかったし、今は肩を脱臼して手術を受けたばかりだからタックルなんかあと4ヶ月もできないという大学2年生の時の廣川選手とは真逆の状況だが、いつかJSPORTSで矢野武さんが廣川選手によく言っていたように、「ここでまた田村だー!」と言わせたい。

 

最後に、親しみと尊敬の念を込めて、

 

廣川くん、現役お疲れ様でした!

 

 

次は我らがキャプテン、國枝さんです。今回の僕の休みの間も頻繁に連絡をくださり、本当にありがたかったです。僕が入部してから2度の手術を経てもラグビー部をやめようと思わないのは國枝さんがいるからです。練習で全員を鼓舞して率いながらも、グラウンド外では寿太郎と恋愛論を語り合うキャプテンに惹かれないわけがありません。

コメント

名前:
Eメールアドレス:
コメント:
ファイル
パスワード:

2024年12月

<<前月翌月>>
2024/12/13(金) 16:51
心の命ずるままに
2024/12/11(水) 18:44
同期紹介
2024/12/10(火) 11:30
Passion
2024/12/09(月) 12:28
エリート意識を脱ぎ捨てた先にあった本当のラグビー
2024/12/07(土) 17:00
挑む 繋ぐ 信じる
2024/12/05(木) 17:38
後悔と決意
2024/12/04(水) 18:19
最後の挑戦
2024/12/02(月) 18:30

アーカイブ

ブログ最新記事