ラグビー部リレー日記

手をつなぎながら/私は私

投稿日時:2022/11/29(火) 13:40


同期の安富からバトンを受け取りました、3年スタッフの手島です。
スタッフに転向してからも体は鍛え続けようと、エニタイムに所属し続けているのですが、授業と練習時間外のスタッフ業務で忙しく、ほとんど行けていません。お金を溶かしているに近い状況なので休会しようか、勿体無いから行かなきゃと思える環境に身を置こうかというのが最近の悩みです。いやいや、本物のトレーニーは時間を言い訳にしないって話ですよね。反省します。大学に入ってせっかく見つけた好きなことなので、引退後は何らかの形でまたプレーしたいと密かに思っています。余裕がある時にスクラム教えてください。

自分の話ばかりで紹介が遅くなりましたが、最近グラウンドの外から見ていると、安富ってカッコいいなと感じます。あまり誉めるとすぐ調子に乗りそうなので、深くは書きません。


さて、諸事情(詳しくは読み進めてください)により1年ぶりのリレー日記更新なので書きたいことはたくさんあるのですが、まずは本来なら5月にバトンを受け取って載せる予定で書き上げていたものを成仏させてください。

テストに落ちこぼれそうで凹み
何回も学校辞めたくなった
心のロッカー片付け
今すぐ帰りたくなったけど

ぎゅっと手をつなぎながら
道に迷わないように
前へリードしてくれた
同じ夢を持つ友よ


こんなに今の自分に刺さる歌詞はあるだろうか。
「手をつなぎながら」という曲の2番のサビ前からサビの前半の歌詞である。

昨年末から、自分の体調、学業の成績、将来への不安、上級生になることへの準備不足、自転車操業のような余裕のない日々、祖母との別れ、コロナ…本当にたくさんのことが積み重なり、それまでの生活が嫌になって、部活を手放そうとした。間違いなく時間的余裕は生まれ、代わりに勉強する時間と自分の望む「ていねいな暮らし」が手に入ると考えていた。

悩めば悩むほど体調が悪くなり、常に吐き気があって思うように食べられなかったり夜眠れなかったりするようになった。もう部活を辞めた方が良い、きっと自分にはそれが一番正しい選択だと思って同期に打ち明けたあの日、あるメッセージをもらった。

「俺の勝手だけど、なんとか残る道を探してほしい」

自分はチームにとって必要のない存在だと思ってしまっていたから、必要としてくれる人の存在がとても嬉しかった。どこまでも深く。そして、自分が手放そうとしていたものは「部活」の2文字だけでは片付けられないもっともっと重くて大きなものだったことに気がついた。

何週間もかけて悩んだ末に出した答えだし、誰に引き止められても気持ちは揺らがないと思っていたのに迷ってしまったが、それも無理はない。自分の周りにはこんなに素敵な人がいたのに誰にも相談せず一人で決めたからだ。その日から同期や先輩に相談し、もう一度考え直した。休んでいる間に周りはどんどん強く逞しくなって、前が見えないところまで置いていかれてしまっていたし、自分の咳喘息を考えるとこのチームでまたプレーをすることは現実的ではないと思い、スタッフに転向することを考えた。他のスタッフがどういうモチベーションで活動しているかはわからないが、自分を優先して一度辞めようとした自分には「自分のために生きる人生と人のために生きる人生どちらが幸せか」なんて問いが生まれてくる。フィロソフィーだ。

結論から話すと、後者の方が幸せだと思ってスタッフとして残る道を選んだ。人のために何かをしている自分が好きで、自分のためより人のための方が頑張れる自分がいる気がしたからだ。ネガティブになりきっていたからこそ、好きな自分でいられる道を選んだ。きっと辞めたら心のどこかで自分を責めてもっと自分を嫌いになってしまうと思ったから。

某予備校でアルバイトをしていた時、第一志望に受からなかった担当の生徒に「自分が進む道を正解だったと思えるように進めば、いつかきっと正解になるよ」なんて言葉をかけたが、そういう自分は同じ状況で同じ言葉をかけられても前を向けるほど強くないんだよな、無責任な言葉だったなと思ったことを思い出す。でも、今だけは、ここだけはそう思って前に進めるように強くなりたい。周りのみんなに負けないように強くなりたい。そして、あの時の自分の言葉に責任を持てるようになりたい。


何より大事な仲間のために、そして好きな自分でいるために、ラグビー部人生第二章、スタッフとして頑張りたい。みんなと同じ夢を持ち、その夢を一緒に叶えたい。


いつか汗や涙も
光る思い出に変わる
だから頑張って行こう
共に声掛け合って
卒業をする日まで


お読みいただきありがとうございました。
ちょうど自分の中で答えが決まっていて、少しずつ体調を回復させていたリハビリ期に書いたものでした。部活復帰そしてスタッフ転向のタイミングで説明すべきだったことを、他学年には説明できていなかったので、この日記を説明とさせてください。特に、しれっと現れた元プレーヤーの先輩に戸惑いながらも優しく接してくれた1年生のみんなには感謝しています。さらにその中でも、他の1年生も話しかけやすい雰囲気を作りたいからという本当なのか嘘なのかわからない理由で、会って1週間で「じゅんちゃん」とか「てっしー」とか呼んでくれた彦人には感謝しています。ありがとう。

半年前に書かれた文章が成仏できたところで、ここからは今書きたいことを書きます。
 

先日、ある先輩が「てっしーは女子スタッフだからな」と言っていたことを知らされた。男子スタッフがすべき仕事と女子スタッフがすべき仕事がはっきり分かれているとは思わないし、この多様性が認められ、ジェンダー平等が謳われている時代に古い考えの持ち主なのかなと思いもしたが、自分の知る範囲の歴代の男子スタッフがしてきた分析、レフリー、S&Cの仕事はどれもしていないから、そう言われるのも仕方ないのかもしれない。

その先輩が何を考えてそう言ったのかは知らないが、その言葉はスタッフとしての今の自分を考えるきっかけになった。

遡ること約半年、スタッフに転向することを自分の中で決め、スタッフ長のあしゃさん(谷田さん)と面談をした時に、プレーヤーからの信頼を勝ち取るのはかなり難しいし、私は4年になっても自信がない時がある。これって私じゃなきゃいけない理由がないなって思うことがある。3年の途中からスタッフになるなら周りの何倍も頑張らないと無理だよ。そんな話をしていただいた。

スタッフの先輩後輩の話を聞いたりリレー日記を読んだりしていると、「自分でなければいけない理由」、言い換えるなら「自分にしかできないこと」がプレーヤーからの信頼を得ているかどうかの一つの指標であるように思える。

今している部の仕事はいろいろあるが、どれもが専門的な知識を要するものではなく、やろうと思えば誰にでもできるものも多い。今シーズンは僕がスタッフに転向する前からスタッフ組織が回っていて、僕が何か新しいことを始めたわけではないから、今僕がしている仕事は全て「誰かがしていたこと=他にできる人がいること」なのである。仕事内容を見ると、「自分にしかできない」とは程遠い。

では仕事の量はどうだろうか。一つひとつはそれほど大きくないが、いろいろな仕事を抱えている。しかし、自分よりもたくさんの仕事をしているスタッフは周りにたくさんいるし、その多くの人が平然とこなしている。あれもしなきゃ、これもしなきゃ、それもできていない…といつも忙しそうにして周りまで不安にさせる自分とは大違いで情けなくなる。
何かしらの期限に追われ続けていることを思えば決して仕事は速くないし、仕事が丁寧と誉められたかと思えばその後すぐにミスをしたり、今日はうまくできなかったなと反省することが多々あったりと、仕事の質も高くない。

仕事の内容、量、速さ、質、何をとっても「自分にしかできないこと」を感じられず、まだまだだなと感じる。先輩スタッフに「スタッフ組織に欠かせない人物になっている」と言ってもらえたり、後輩スタッフに「スタッフに転向してくださって良かった」と言ってもらえたりしたが、これらはスタッフからの言葉であり、プレーヤーからの信頼はまだ得られていないというのが半年経った今の結果なのだろう。
(このような形で引用をしましたが2人の言葉をネガティブに捉えているわけではありません。スタッフからの信頼は間違いなくプレーヤーからの信頼への通過点ですし、自分を肯定させてくれるありがたい言葉です。読んだ時の嬉しさを今も鮮明に覚えているくらい嬉しい言葉でした。)

元々半年で得られるほど簡単な道のりではないと知っていたから、認めてもらえるよう頑張るだけだと思うのだが、何か一つでも「自分にしかできない」を見つけたくて、いろいろ探してみる。

そこで見つけたのが仕事のやり方だ。仕事のやり方と言っても形式的な話ではなく、自分には自分のやり方があるというものに近い。仕事のやり方を考える上で、武器になりそうな自分の性格をあげてみる。

①優しい
自分から言う言葉ではないかもしれないが、自分は優しいと思う。「優しい」にもいろいろな意味があると思うが、困っている人を見ると放っておけない、人のために動くことができる、人に寄り添うことができる、そんなところだろうか。街で体調が悪そうな人を見れば「大丈夫ですか?」と声をかけずにはいられないし、誰かがピンチの時は助けて、支え合いながら生きていこうと、綺麗事のように聞こえるかもしれないが本気で思っている。悩みやすい性格だからこそ、誰かの悩みに寄り添うことも得意だ。同期や後輩に相談されたら誰よりもとことん付き合ってあげられる自信がある。
プレーヤーもスタッフも、全員が心地よく活動できる環境を作りたいし、チームの強化には一見繋がらないそういうことも、どこかで強化につながる時が来ると思う。1番優しくチームのために動けるスタッフでありたい。

②怖さ
夏合宿中に、青山先生から怖い人がチームに1人いないとチームは強くなれないという話をしていただいた。そしてそのポジションになってほしいという話もしていただいた。過去にいくつかの“怖い”エピソードを生み出してしまっており、怖い怖いと言われるたびに納得し難い気持ちになっていたが、その日を境に怖さも必要なのだと思えるようになった。規律を守る強いチームになるために怖い人でいることは、他の人にはなかなかできないのだろう。「1番優しくて1番怖い人」は「自分にしかできない」に近いかもしれない。

③オタク気質
これは一スタッフとしてというより、来シーズン担当する広報責任者としての武器だ。広報セクションの仕事は東大ラグビー部の魅力を世に発信していくことだが、魅力を発信するというのは思ったよりもずっと難しいものだと思う。何かを人に薦めるとき、その人がその対象を本当に好きでなければ、そのおすすめは相手に響かない。そう考えた時、広報の仕事はオタク気質な自分に向いているなと思う。誰よりもチームを愛し、最近の「好き」とほぼ同じ意味として使われる「推し」ではなく、文字通り、言葉通りに「推し」ていきたい。今以上にたくさんの方から応援してもらえるチームにしたい。


もちろんたくさん学んで専門的な知識や技術を身につけ、仕事の内容、量、速さ、質、どれをとっても代わりのいないスタッフになるための努力を続けるが、私は私、自分しか歩けない道を歩いていきたい。
 

半年前に同期の前で「少しでも早くみんなに認めてもらえるようなスタッフになりたい」と決意表明をした時、橋野が「そんなに焦らなくていいよ。手島は手島のペースでやれば」と言ってくれたのを思い出します。その言葉に救われて今の自分がいます。残り1年と少し、自分らしく進んでいきます。
(橋野のこんなに素敵な面を知っている他学年はあまりいないと思うので、あえて最後に書きました。これからチーム全体をよく見て、もっとチーム全体のことも一人ひとりのことも知っていき、自分しか知らない好きなところをたくさん見つけていきたいです。)

2回分なのでかなり長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。手島が書くとものすごくネガティブに読めてしまうかもしれませんが、とても前向きな気持ちで書いています。心配されそうなので一応。


さて!リレー日記ファンの皆様お待たせいたしました。
明日からは楽しみにしている人が多いであろう4年生の最後のリレー日記です。
かく言う僕も楽しみにしている1人です。4年生がもうすぐ引退してしまうことを実感し寂しさを感じたり、最高学年になる日が近づいている不安を感じたりしますが、先輩方が残す言葉をじっくり読みたいと思います。
文章はもちろん楽しみですが、4年間を共にした同期同士の紹介文も非常に楽しみです。
ぜひ皆さんも毎日読んでください!!!!

今シーズンはここ数年で1番多い(手島調べ)24人の4年生が明日から毎日更新していきます。
そのトップバッターを務めるのは平岡さんです。普段は愛されキャラでいじられキャラの可愛い先輩ですが、スイカを着て対抗戦で闘う姿はとてもカッコよかったです。
 

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