ラグビー部リレー日記

エルフのクレカ

投稿日時:2023/10/09(月) 19:00

平綿姐さんからバトンを頂戴しました、四年の関戸悠真です。とても嬉しい紹介文を書いていただき、恐悦至極に存じます。カメラを覗くとき、ドリンクの補充をしているとき、どんな時でも彼女の視線は凛々しく、個人的には姐さんと呼びたくなってしまいます。


確か、大学三年の春だったと思います。気づいたら、貯金残高が47円でした。
これを見て驚かれる実家暮らしの方もいるかと思いますので、念のため説明をしておきます。一部の富裕層の方はそうでないのかもしれませんが、重めの出費(院試の受験料、合宿費 etc...)や無駄な出費(プロテインに虫が入ったせいで買い直し、パンツの購入 etc...)があって、かつバイトをほぼやらなかった月などは、残高が1ドルを下回るというのはたまにあることなのです。
しかし、残高が47円だからといって、生活が不可能になった上で信仰心のかけらもない托鉢を強いられることはありませんでした。クレジットカードの引き落としまでは猶予があったので、それまでに両親から仕送りを送ってもらえるよう懇願しつつ、現金の使用が必須な場面ではその年のお年玉を切り崩して対応しました。関戸家は、学生でいる間はお年玉がもらえる、ゆりかごから職場までが手厚く保障される一族なのです。来年、私が大学院に行ってももらえるはずです。私にはその権利があります。よろしくお願いします。

よくよく考えてみれば、諸悪の根源は、クレジットカードの引き落としが翌月になされることです。引き落としが百年後ならば、ここまで苦しむことはありませんでした。ですが、引き落としが百年後になされるクレジットカードは存在しません。なぜなら、哀れな人類はどう頑張っても百年ちょいで死んでしまうため、百年後の精算ではお金を使った本人に責任を負わせることができないためです。
哀れな人類を相手どる商売の、なんと規模の小さいことでしょう!そんなチマチマした商売はやめて、もっとスケールの大きい相手と商売したいものです。例えば、数万年生きるエルフなんかはどうでしょうか。
エルフは北欧の民間伝承に登場する種族であり、漫画や小説の中などでは一般的には長命な種族として扱われます。彼らがクレジットカードを使うとしたら、引き落としは百年後とかでもいいんじゃないでしょうか。
ここは北欧の神秘的な森の中。自然・伝統を重んじるエルフ族が、慎ましやかに暮らしている。だけれど最近、人間族との交流がうまくいかない。森で採れたものと人間が使う硬貨・紙幣との交換ができないのだ。お金をよこせ、といっても妙なQRコードを見せられる。「JCBで」なんて訳のわからんことも言われる。ここでようやく、彼らはキャッシュレス決済の存在に気づく。森の中のテレビから響くデビット・ジャガーの「じゃあいいですー」にも触発されて、彼らはいそいそと銀行に足を運ぶ。デビット・ジャガーに森で採れたものを渡すチャンスを逃すわけにはいかない。あわよくばサインとか欲しい。そんな気持ちも手伝って、彼らはクレジットカードを手にする。その引き落としは百年後であり、私もそれを使うことで、いろんな物を買うだけ買って一銭も払わないまま虹の橋を渡って行けるはず...
なんてことにはならないでしょう。私はどう見てもヒトです。おそらく審査で落とされます。が、なんとかうまいことエルフに擬態して、クレジットカードの審査を通れるよう頑張りたいと思います。
ヒトにとっては途方もない百年でも、エルフにとっては数百分の一にすぎません。でもその百分の一で、私は買えたんだ。


次は二度の敗北から立ち上がり、不屈の闘志で赤門をくぐってみせた漢、和田にバトンを渡します。彼は、各学年に1人くらいいる、2ストップ枠のお方です。今の三年生には2ストップ枠を担う人はいないと思っていたら、こないだ思わぬ角度から2ストップの知らせが飛んできて愕然としました。

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