ラグビー部リレー日記

柔道布教

投稿日時:2025/08/20(水) 15:40

 伊藤くんからバトンを受けとりました、2年の三上です。化学科ですが、全授業が英語で行われるそうで、帰国子女か伊藤くんのような筋金入りのドMにしか進学する権利が無いと聞いたので遠慮させていただきます。



 僕がラグビーを始めたのは大学からで、中高6年間は柔道をしていました。同じコンタクトスポーツだからか、ラグビー部には柔道に興味を持っている方が一定数いて、今でもたまに柔道の話をすることがあります。去年の合宿では寿太郎さんとオリンピックでの阿部一二三の試合を一緒に見たり、雪竹さんに大浴場で柔道の投げ技をかけたりしました。



 柔道を好きでいてくれる方がラグビー部にいるのは心から嬉しいですが、それでも柔道の認知度は依然として低いままです。柔道の魅力はその迫力にあり、試合を見てもらえればわかると思うので、今回は柔道によく寄せられる偏見をいくつか取り除いて少しでも取っ付きやすくしたいと思います。



 まず、1番に挙げられるのは「痛そう」「怪我しそう」。柔道を初めて見た人なら誰もが真っ先にそう思うでしょう。豪快に投げられた選手は轟音とともに地面に叩きつけられます。しかし、僕は柔道の試合で痛いと思った経験がほとんどありません。さらに大きな怪我も6年間で一切していません。痛いと感じないのはアドレナリンが出ている影響もあるとは思いますが、これらは一重に受け身を習熟しているからです。柔道ではまず最初に受け身を習い、身につくまで延々と受け身の練習をさせられます。受け身をマスターできたならもう怖いものはありません。いくら投げられても一切の負傷なく立ち上がれます。大きな音をあげての受け身は痛いに違いないという意見も聞きますが、理系ならわかると思いますが叩きつけられるエネルギーが音エネルギーとなって空中に放出されている証拠があの轟音なので、痛みと音の大きさは全く関係がありません。なんなら反比例します。受け身が取れれば自動車に跳ねられたって大丈夫…という話もしたいのですが本筋から逸れそうなのでまた次の機会に書きます。とにかく、受け身のおかげで非常に安全なスポーツとして柔道は成り立っているので心配ご無用です。ラグビーの方が100倍危険です。



 しかし、まだ痛そうな要素が残っています。それは締め技です。上で書いた投げ技の痛みとはまた異なる苦しさのある締め技。締められている選手は皆苦しそうな顔をしています。たしかに締め技をかけられている間は非常に苦しく、気絶する(柔道界では「おちる」と言う)恐れもあります。それは認めましょう。しかし、締め技が極まっておちると、極上の気持ち良さとともに昇天することができます。僕も1度試合でおちた経験があるのですが、締められている最中に突然なんともいえない快感に襲われ、気がつくと勝敗が決していました。試合に負けた悔しさはもちろん込み上げてきますが、それ以上に昇天する快感が忘れられませんでした。文字通り天にも昇るような気持ちです。この快感をみなさんにも味わっていただきたいので不定期で締め技体験会を開催したいと思います。快感に溺れたい人は是非声をかけてください。5人集まるごとに開催します。個人的には最初は同期の河村に極めたいと思っています。どんな反応をするか楽しみです。



 次に、「伝統を重んじすぎている」という意見です。柔道は坊主に正座、試合前後や練習前後の礼などさまざまな伝統・風習があります。これらが理由で近寄り難いという人もいるかもしれません。しかし、柔道が崇高で格式高いスポーツとして浸透しているのはこれらの伝統があるからこそなので、取り除くことは不可能です。諦めてください。もし本当に伝統が嫌なら海外で柔道をしてみてください。上記の伝統はおそらくほとんど存在しません。それどころかモンゴルではフィールドが畳ですらなく、大草原となっています(たぶん)。それはそれで気持ち良さそうですが、投げられる度に小石が全身に刺さって痛いと思います。



 最後に、「柔道漫画がない」というご意見。サッカーなら「イナズマイレブン」や「キャプテン翼」、野球なら「メジャー」、バスケなら「スラムダンク」など、人気なスポーツにはアツい漫画がセットで存在しています。それに比べて柔道にはアツアツ漫画がないじゃないかと思っているそこのあなた🫵、無知を恥じてください。もちろん柔道にもそういった類の漫画が存在します。それは「柔道部物語」です。あらすじを説明すると、主人公「三五十五(サンゴジュウゴ)」が高校で柔道に出会い、仲間とともに挫折と成長を繰り返し、インターハイ優勝へ突き進んでいく、というお話です。ストーリーラインは王道ですが、心の底からアツくなれる最高の漫画です。柔道界では有名で、どの柔道部室にも全巻揃っているといわれるほどの名著です。坂田が柔道部物語を読んで柔道をしたくなったと言ってきたときは感動でその場から動けませんでした。騙されたと思って読んでみてください。後悔はさせません。



 他にも、「ルールが複雑」、「むさ苦しそう」などさまざまな意見があると思いますが、それらは偏見ではなくまごうことなき事実なのでこの辺で終わろうと思います。このリレー日記を読んで少しでも柔道の世界に飛び込んでみたいと思っていただけたら幸いです。



 次に、1年のそうしにバトンを渡したいと思います。聞いたところによるとラグビー歴が10年を超えるエリートラガーマンのそうしですが、ジャージ授与式のときだけ首がすわらない不思議な特性を持っています。考えうる原因に首の筋力不足があげられると思うので、一旦ラグビーを忘れて柔道に専念してみてもいいと思います。

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2025年1月

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