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Jr.コーチブログ (旧)
タフガイ
投稿日時:2012/10/11(木) 21:19
負け。
今シーズン対抗戦初の、負け。
負けると今までの全てが否定されたような気持ちになる。悔しさと無力感がこみ上げてくる。
何が悪かったのか、何がダメだったのか。まずはそこを突き詰めて考える。
今回も「OBの声」をお送り致します。
本日は、八重樫真樹さんと伊藤健さんに執筆を依頼させて頂きました。
ご紹介させていただきます。
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S53年卒 八重樫真樹さん
武蔵大学戦は前後半それぞれ3トライ、合計6トライを奪われ、東大は終了間際に1トライを返すのがやっとという完敗だった。
ほぼ相手ペースの中で、バックスの待ち気味のタックルや、キックチェイスの遅さ、FWのポイントへの集散の遅れ、といった欠点が露呈し、大差につながったと思われる。
特に前半は一度も敵陣22m以内に入りこめず、得点機はまったくなかった。これほど一方的な相手ペースにさせてしまった理由はこちらが得たボールをあまりに多く失ったことにある。
・PKで敵陣ラインアウトにすべきキックがノータッチ
・マイボールスクラムをコントロールできず回されて相手ボールに
・ラインアウトのノットストレート、キャッチミス
・バックスの被タックル後のノット・リリース・ザ・ボールやターンオーバー
・ラックでの無理目なオーバーによるペナルティ
・バックスリーにフリーキャッチされるキック
・展開した局面でのノッコン
思い出せるだけでこれだけある。これではゲームの組み立てはできない。保持したボールをしっかりキープできていれば敵陣へ入って過去2戦で見せたFWによる粘りのある攻撃などで東大ペースに持ち込める可能性もあったのではないかと思う。また、上記の事象の多くが、グランド中央、両方の10mラインの間あたりのゾーンで起こっていることも大事なポイントだ。ここでのボールの得失は自陣に押し込まれるか敵陣に進入できるかの分岐となるので非常に重要だ。このゾーンで反則を犯さず、ターンオーバーを許さないことがゲームコントロールのカギとなる。
次の成城戦ではポゼッションの継続を意識して東大ペースで試合をしてほしい。と、これを書きながら先週の他校の試合結果を確認したら一橋が成蹊に15対34と善戦している。恐らく自分たちのペースに持ち込めたのだろう。これからの上位校の対戦、東大にもチャンスはあるのではないか。もちろん冒頭に述べた欠点を解消しないままでは、相手ペースになった場合、試合が崩壊する恐れもあるのでしっかり練習してほしい。
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H21年卒 伊藤健さん
この結果に対して、当然現役のみなさんは非常に悔しい思いをし、敗因を分析していると思いますし、既に監督、コーチ陣からは適切な指摘をいただいていると思います。
そんな中私が述べられる事なんてあまりないのですが、折角なので少しの間おつきあいください。
本題に入る前に、この文章をご覧いただいているOBの皆様方に武蔵大学についての解説を致しますと、武蔵大は2007年頃から「ムービング・ザ・ボール」をスローガンに、あまり蹴らずに徹底して展開するラグビーを目指しています。
もっともこれまではボールを前に運べるランナーが不在だったので、展開すればするほど後ろに下がるという悪循環に陥っていたのですが、今年のチームは人に強くて前に出られるランナーを複数揃えており、彼らが幾度に渡って東大のDFを突破しました。
さらに、スクラムの強化にも成功しており、定評のあった(であろう)東大スクラムも前半2回ホイールされるなど大分揺さぶられております。(相手の3番が交代した後半はある程度安定しましたが。)
現役向けの話に戻ります。
現役の皆様は 当然武蔵大学が「ムービング・ザ・ボール」を標榜に掲げてBKに自信を持っているであろうということは事前に分析してわかっていたと思いますが、こないだの試合の進め方を見る限りでは、相手BKに対してちゃんとした対策を練っていたか疑問に思えました。
例えば、武蔵大のように展開することを信条とするチーム相手ならば、展開される前に止めることが定石のはずですが、特にSO、CTB周辺で激しくプレッシャーをかけることなく外にボールが回っている気がしました。また、外にあれだけ強いWTBがおり、今年の東大のDF力を考慮するならば確実に二人以上でマークしてとめるべきだったと思いますが、特別マークしているようにも見えませんでした。
もし分析を怠っていたならば、本気で反省してください。
己を知り彼を知れば百選危うからず。相手に好きなことをやらせる横綱相撲じゃ東大は勝てません。
わかっていても対応できなかったならば、もっと練習で落とし込んでください。
上位チーム相手じゃ中途半端な対策では通用しません。
と、ここまで苦言を書いてきましたが、まだ一勝一敗一分で四位と、残り4戦全勝すれば入替え戦出場の可能性は充分にありますので、変に気を落とさないでください。
諦めたらそこで対抗戦終了です。
下級生の皆さん、自分の在学時の経験から言って、負けると上級生が落ち込んで部全体の雰囲気も暗くなりがちですが、そんな時こそ皆さんが下から突き上げてください。
4年生の皆さん、このままこのチームは終わるのか、それともここから奮起するのか。
全ては皆さん次第ですが、ここで奮起し、12月23日に満足して引退試合を終えることが出来たならば、元Jrコーチとしてはうれしい限りです。
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現役の試合やトップリーグの試合を普段からたくさん間近でご覧になられている八重樫さんと、現役時代からデータのイトケンと評され、その分析力に定評のある伊藤さんの「OBの声」をお送りいたしました。
全体として、やはり辛口だなあと思ってしまう反面、的確だなと納得してしまうのもまた確かでした。さすが。
お忙しい中にも関わらず、ご協力いただき本当にありがとうございました。
序盤3試合を終えて1勝1敗1分。
まだ先はある。まだまだいくらだって変われる。
でも、残念ながら制限時間は限られている。出来ることは限られている。
何を信じて、何をやるのか。
最後に、自分たちのやってきたことを信じられるか。
信じて、確固たるチームというものを作り上げられるか。
負けを経験した今だからこそ、次に向かってそれを跳ねのけるだけのタフネスさが試される。
4年だけじゃない。チーム全員のタフネスさが試される、と思う。
気持ちの持ちかた一つで、ピンチにもチャンスにもなる。
下を向いている暇はない。
次は勝ってほしい。
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