Jr.コーチブログ (旧) 2012/10

サポート

投稿日時:2012/10/28(日) 11:57

今日は成蹊戦ですね。
雨の中の戦いが予想されますが、だからこそ東大らしさを発揮してもらいたいものです。

ブログの更新が遅くなってしまい申し訳ありませんが、本日はトレーナーの印牧(かねまき)さんの声をお届けいたします。

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トレーナーの印牧です。
東大ラグビー部に関わり、早いもので5年目を迎えております。 現在、週二日ほどグラウンドに行かせて頂いていますが、詳細は省きますが、関わってきた中で感じてきたことを書かせて頂きます。 
僕はラグビー経験があるわけではないので、あくまで一人のトレーナーの意見として聞いてください。  
では早速。
 
まず東大ラグビー部の特色として、部員主体で活動しているというところがありますが、そんな東大ラグビー部に関わりながらラグビーを少しずつ理解していくなかで、どんどん強くなるある思いがあります。
単純なことですが、自身の身体に対する関心を持って欲しいなというとです。それは、ケアをしてほしい、姿勢を意識してほしい、身体を大きくする努力をしてほしいなどといったものです。この思いは現場に中心となって関わり始めた去年から特に強くなりました。
 学生のうちは机に向かう時間が多いでしょうから、姿勢が悪くなりやすいと思います。東大生は特にそういった印象がるので姿勢をどうにかしたいと思っていました。
また、食事やトレーニングに対する意識の低さも気になっていました。ウェイトの時間や、栄養補給の時間よりも全体のスキル練習の時間・個人練習の時間が優先されてしまう実情でした。ラグビー選手の身体が大きくなっている現代のラグビーで、東大ラグビー部が高いレベルを目指すのであれば、変えていかなければならないことだと思っていました。 もしAグループに昇格したとして、このサイズのまま戦うとなったらと考えた時はゾッとしました。こういった問題を変えるためには、言えば分かるかなと思っていましたが、なかなか上手くはいかないもので、週二日でどう変えていったら良いのか悩んだ時間は長かったかと思います。
 
しかし、去年から変化が見え始めました。 シーズン中でも筋力を維持するためのウェイトの時間は確保され、部室に大量のカステラが常備されるようになり、練習後の早めの栄養補給がしやすくなりました。そういった環境の変化は今年も継続されました 。
しかし、選手の行動が伴わなければ結果は付いてきません。
カステラが存在しても練習後に話をしたり個人練習をする部員がたくさんいました。個人練習は大事な事かもしれませんが、優先順位を考えるといかがなものかと思うので、まず栄養補給と意見をぶつけてきました。
ただ、このような選手とのギャップは週二日行ってるだけで埋まるものではありません。、ここで活躍してくれたのがマネージャーの方々です。
 
我々が関われない時間に積極的に選手に関わってくれました。
そのお陰か選手の意識も高まり、例年よりも体重の減少を最小限限に抑えられています。特にFWの意識が高まったと感じます。(実際のところ、例年はコンディションシートの記載がいまいちなので比べるデータがありませんが)
 
FWに関してはウェイトトレーニングの数値でも成果を出してくれています。去年もスクワットなどの記録が向上しましたが、今年は夏の時点で平均10Kg上げてくれました。中にはスクワットで200kgを挙上する選手も出てきました。その理由としては、ウェイトトレーニングの時間が確保されているということもありますが、ストレッチなどの基本的なセルフコンディショニングを意識する選手が増えてきた事が関わっているのかなと考えています。
ストレッチなどを行うことで関節の運動範囲が広がったことでトレーニングの効果が高まったということが大きな理由かと思います。
 
このように成果が見えている部分もありますが、チーム全体の意識が高まったわけではありません。例をあげるとBKの平均に関しては夏の時点で大きな変化は見えませんでした。
食事に関しても全体が意識できているわけではありません。意識して頑張っている部員もいれば、意識が足りていない部員もいる。まだそういった面でチームが1つではないのかなと感じています。
ただ、上手くいっていない部分はありますが、スポーツ選手に必要な部分が確実に変わってきています。彼らの努力は決して批判されるようなものではないと思います。部員同士にも言えることですが、お互いに至らない部分をカバーしあい、批判せず、お互いに学びながら、これからも目標をただの目標で終わらせないように頑張って欲しい。自信を掴んでいってほしい。
 
部員数も増えてなかなか管理仕切れず、僕の要領の悪さで迷惑をかけていますが、選手の理解もあり、少しずつ安全でレベルの高いラグビーに近づけてると信じています。ウェイトに時間を費やすことは勇気がいることだったと思います。昨年、落合主将をはじめとした四年生が新たな流れを作ってくれたなと感謝しています。
今年の東大ラグビー部の皆様、今年も僕のような頭の悪い人間に付き合ってくれてありがとうございます。トレーナーの要望に付き合ってくれている部員を中心としたラグビー部には心から感謝しています。
 
残念ながら対抗戦の結果にはまだ結び付いていませんが、残りの上位校との対戦、足元をすくえるように頑張って下さい。
トレーナーという立場と、密かなファンという立場から応援しています。
 
だらだら長文になってしまいましたが、少しでもご理解頂けたら幸いです。最後までお読み頂きありがとうございました。
 
トレーナー
印牧

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印牧さんはトレーナーとしての普段のコンディショニング・トレーニングのサポートはさることながら、人間としての姿勢においても学ばせて頂くことが多いなと感じます。
OBを勝手ながら代表して、、、これからもサポートよろしくお願いします。

印牧さんをはじめとするトレーナーの方々のためにも、勝つことで報いてほしい。


 

渇きと餓えと

投稿日時:2012/10/22(月) 20:00

皆さんは上原ひろみという一人の日本人を知っているだろうか?
世界的に有名なジャズピアニストであり、世界の至る所でコンサートを行っている凄い方である。
もちろん、私が音楽に対して特別造詣が深いわけもなく、この人の音楽の素晴らしさがどこにあるのか、と聞かれても正直答えに困ってしまう。
しかし、私はこの人の音楽が好きだし、凄い人物だな、といつも刺激を受ける。
別に、皆さんに自分の趣味趣向を押しつけるつもりは全くないのだが、この方の書かれている文章があるのでこちらを読んで頂きたい。

http://www.hiromiuehara.com/message/2011/002121.html


初めて去年この文章を読んだ時、「現状で満足しない」、「自分から何かを変える」、「環境のせいにしない」ことの大切さについてハッとさせられた記憶がある。そしてたぶん、ボクはこの文章を読んでからこの人の一ファンとなった。

人間の心が動かされる瞬間というのは、相手の心が自分に何かを訴えかけ揺さぶる瞬間だと考えている。
辞書の定義で言えば、感動とは「ある物事に深い感銘を受け強く心を動かされる」ことである。

事の大小に関わらず、物事の決断には心の動きが伴っている。
誰もが、心を揺さぶられて人生を生きている。
例えば、ラグビーをやるという選択だって「かっこいいな」と心を揺さぶられたはずだ。
東大に入るのだって、何かきっかけがあって心が揺さぶられたはずだ。

ある脳科学者は著書の中でこう書いている。
「理性が感情を抑えつけているだけでなく、感情は理性を支えている」のだと。

人が何かを成し遂げるには意思が必要だ。
何かを成し遂げたいという餓えが必要だ。
見たいのは形式的な取り組みなんかじゃない。
人に感動を与えるのは行動の奥深くにある意思、そのもっと奥にある餓えだ。

言いたいことはただ、それだけ。


正直言って、こんな暑苦しいことばっかり毎回書きたくない。(そして音楽の趣味は黙っておきたかった)
だけど、私にはこのチームが変わってほしいという餓えがある。
変えたいという餓えがある。
だからこそ書いている。

チームに今、餓えはありますか?
あなたにに今、餓えはありますか?
ラグビーを何のためにやってますか?
成蹊に本気で勝てると思ってますか?

タフガイ

投稿日時:2012/10/11(木) 21:19

負け。
今シーズン対抗戦初の、負け。
負けると今までの全てが否定されたような気持ちになる。悔しさと無力感がこみ上げてくる。
何が悪かったのか、何がダメだったのか。まずはそこを突き詰めて考える。

今回も「OBの声」をお送り致します。
本日は、八重樫真樹さんと伊藤健さんに執筆を依頼させて頂きました。
ご紹介させていただきます。
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S53年卒 八重樫真樹さん

 武蔵大学戦は前後半それぞれ3トライ、合計6トライを奪われ、東大は終了間際に1トライを返すのがやっとという完敗だった。
 ほぼ相手ペースの中で、バックスの待ち気味のタックルや、キックチェイスの遅さ、FWのポイントへの集散の遅れ、といった欠点が露呈し、大差につながったと思われる。
 特に前半は一度も敵陣22m以内に入りこめず、得点機はまったくなかった。これほど一方的な相手ペースにさせてしまった理由はこちらが得たボールをあまりに多く失ったことにある。
 ・PKで敵陣ラインアウトにすべきキックがノータッチ
 ・マイボールスクラムをコントロールできず回されて相手ボールに
 ・ラインアウトのノットストレート、キャッチミス
 ・バックスの被タックル後のノット・リリース・ザ・ボールやターンオーバー
 ・ラックでの無理目なオーバーによるペナルティ
 ・バックスリーにフリーキャッチされるキック
 ・展開した局面でのノッコン
 思い出せるだけでこれだけある。これではゲームの組み立てはできない。保持したボールをしっかりキープできていれば敵陣へ入って過去2戦で見せたFWによる粘りのある攻撃などで東大ペースに持ち込める可能性もあったのではないかと思う。また、上記の事象の多くが、グランド中央、両方の10mラインの間あたりのゾーンで起こっていることも大事なポイントだ。ここでのボールの得失は自陣に押し込まれるか敵陣に進入できるかの分岐となるので非常に重要だ。このゾーンで反則を犯さず、ターンオーバーを許さないことがゲームコントロールのカギとなる。
 次の成城戦ではポゼッションの継続を意識して東大ペースで試合をしてほしい。と、これを書きながら先週の他校の試合結果を確認したら一橋が成蹊に15対34と善戦している。恐らく自分たちのペースに持ち込めたのだろう。これからの上位校の対戦、東大にもチャンスはあるのではないか。もちろん冒頭に述べた欠点を解消しないままでは、相手ペースになった場合、試合が崩壊する恐れもあるのでしっかり練習してほしい。

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H21年卒 伊藤健さん

この結果に対して、当然現役のみなさんは非常に悔しい思いをし、敗因を分析していると思いますし、既に監督、コーチ陣からは適切な指摘をいただいていると思います。
そんな中私が述べられる事なんてあまりないのですが、折角なので少しの間おつきあいください。

本題に入る前に、この文章をご覧いただいているOBの皆様方に武蔵大学についての解説を致しますと、武蔵大は2007年頃から「ムービング・ザ・ボール」をスローガンに、あまり蹴らずに徹底して展開するラグビーを目指しています。
もっともこれまではボールを前に運べるランナーが不在だったので、展開すればするほど後ろに下がるという悪循環に陥っていたのですが、今年のチームは人に強くて前に出られるランナーを複数揃えており、彼らが幾度に渡って東大のDFを突破しました。
さらに、スクラムの強化にも成功しており、定評のあった(であろう)東大スクラムも前半2回ホイールされるなど大分揺さぶられております。(相手の3番が交代した後半はある程度安定しましたが。)

現役向けの話に戻ります。
現役の皆様は 当然武蔵大学が「ムービング・ザ・ボール」を標榜に掲げてBKに自信を持っているであろうということは事前に分析してわかっていたと思いますが、こないだの試合の進め方を見る限りでは、相手BKに対してちゃんとした対策を練っていたか疑問に思えました。
 例えば、武蔵大のように展開することを信条とするチーム相手ならば、展開される前に止めることが定石のはずですが、特にSO、CTB周辺で激しくプレッシャーをかけることなく外にボールが回っている気がしました。また、外にあれだけ強いWTBがおり、今年の東大のDF力を考慮するならば確実に二人以上でマークしてとめるべきだったと思いますが、特別マークしているようにも見えませんでした。

もし分析を怠っていたならば、本気で反省してください。
己を知り彼を知れば百選危うからず。相手に好きなことをやらせる横綱相撲じゃ東大は勝てません。
わかっていても対応できなかったならば、もっと練習で落とし込んでください。
上位チーム相手じゃ中途半端な対策では通用しません。

と、ここまで苦言を書いてきましたが、まだ一勝一敗一分で四位と、残り4戦全勝すれば入替え戦出場の可能性は充分にありますので、変に気を落とさないでください。
諦めたらそこで対抗戦終了です。
下級生の皆さん、自分の在学時の経験から言って、負けると上級生が落ち込んで部全体の雰囲気も暗くなりがちですが、そんな時こそ皆さんが下から突き上げてください。
4年生の皆さん、このままこのチームは終わるのか、それともここから奮起するのか。
全ては皆さん次第ですが、ここで奮起し、12月23日に満足して引退試合を終えることが出来たならば、元Jrコーチとしてはうれしい限りです。

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現役の試合やトップリーグの試合を普段からたくさん間近でご覧になられている八重樫さんと、現役時代からデータのイトケンと評され、その分析力に定評のある伊藤さんの「OBの声」をお送りいたしました。
全体として、やはり辛口だなあと思ってしまう反面、的確だなと納得してしまうのもまた確かでした。さすが。
お忙しい中にも関わらず、ご協力いただき本当にありがとうございました。

序盤3試合を終えて1勝1敗1分。
まだ先はある。まだまだいくらだって変われる。
でも、残念ながら制限時間は限られている。出来ることは限られている。
何を信じて、何をやるのか。
最後に、自分たちのやってきたことを信じられるか。
信じて、確固たるチームというものを作り上げられるか。
負けを経験した今だからこそ、次に向かってそれを跳ねのけるだけのタフネスさが試される。
4年だけじゃない。チーム全員のタフネスさが試される、と思う。
気持ちの持ちかた一つで、ピンチにもチャンスにもなる。

下を向いている暇はない。
次は勝ってほしい。

 

今週末は朝霞です

投稿日時:2012/10/01(月) 11:46

気が付けば10月になってしまいました。
対抗戦も今週末でもう3戦目で、季節はすっかり秋となりました。

さて、前回に引き続き対抗戦観戦記を頂きましたのでご紹介させていただきます。
今回は昭和63年卒の加藤さん、私と同期で平成24年卒の堀越君に書いていただきました。
お二人ともに、大変お忙しい中にも関わらず書いていただきました事に改めてこの場をお借りして感謝させて頂きます。本当にありがとうございました。

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昭和63年卒 加藤芳明さん
 
初戦の上智大学戦に続いて一橋大学戦を観戦しました。

10年以上海外生活を続けていたので東大現役チームの対抗戦を観戦するのは本当に久し振りだったのですが、上智戦が引き分けに終わっていただけに今回一橋戦で東大の勝利を見ることができ嬉しく思います。(ちなみに私が最後に東大の対抗戦勝利を見たのは2000年三ツ沢陸上競技場で青山学院を倒した試合でした。)

今回の一橋戦はどちらに勝敗が転ぶかわからない拮抗した試合でしたが、東大は持てる実力を出し切り、戦い方を徹底、数少ないゴール前のチャンスを確実に得点して勝利したのは見事でした。怪我人が多く1年生が4人出場するメンバー編成でしたが、中盤は徹底したハイパント、敵陣22mに入った後はひたすらフォワード勝負に拘り、全員がひたむきにプレーを続けた結果の勝利だと思います。
後半最初に猛攻を受けた時にもゴールラインを執念で守り、完封勝利をしたことは今後の自信に繋がると思います。

強いて言えば、スクラムが安定していたのに比べて、ラインアウトでは獲得率が相手より劣っていたと思います。スローワーが慎重すぎるのか、リズムが良くないというか、タイミングが合っていない感じでした。
また、今回の試合では相手のバックスに一発で持って行かれる感じはしませんでしたが、今後上位チームと対戦することを考えると、バックスのディフェンスの精度を上げることも必要でしょう。

私が4年生の時の87年シーズンは、一橋に勝利した後、成蹊・立教・成城といった強敵を倒し、最終戦で慶應に勝利することができました。
今年のチームも大切なのはこれからです。今回の勝利に満足することなく、目の前の敵を一つづつ倒し、入替戦出場・A昇格という目標を達成するよう、健闘を期待しています。

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平成24年卒 堀越大洋さん

まずは現役諸君、勝利おめでとう。
なかなか見ごたえのある試合でした。
 
とかかいたらOBっぽいのだけれど、それはそれでおいといて個人的な思いってのを綴りたいと思います。
 
熱いね。ほんと目頭が熱くなる。
本当に勝利おめでとう。
でも、目頭が熱くなった理由ってのは、試合に勝ったのもそうだけど、こんながんばってる現役をみてすごいうれしいから。
正直アップのときからすでにぐっときてた。
なんていえばいいんだろう、難しいのだけれど、自分が一生懸命やってたことをかわいい後輩がやってくれているってのはすごくうれしいし、それに、こう、グラウンド脇に立って目頭が熱くなっている自分を冷静に見たとき、自分はここで今、後輩ががんばっている姿を見るだけで泣きそうになるくらいラグビーに対して本気で取り組んでいたんだな、自分って以外に熱い奴だったんだなと思ったわけですよ。
やっぱこんな思いにさせてくれるなんて、熱いよ、東大ラグビー部。
 
さてさて試合の講評とかはコーチ陣にしていただけると思うので、試合に出てなかった後輩達にメッセージ。
 
忘れてるかもしれないけれど、ボク、去年対抗戦はじめスタメンはずされてたよね。でもさ、最終的にスイカの8番着させてもらいましたよ。だからね、まだまだ全然チャンスあるから。対抗戦は長いし。まだまだきっとやれることがあるはず、っていつも考えることが大事だと思う。リザーブは練習もB戦もタダやってるだけじゃ絶対にスタメンになれないから。
応援してるんで何かあったら気軽に連絡ください。
 
それでは、次の武蔵戦の勝利も願っています。
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現役時、当時の慶応から2トライを挙げた加藤さんによる冷静な分析と、堀越による熱い堀越節といった感じで非常に対照的ですが、お二人の共通点としてあるのは「まだまだ対抗戦はこれから」ということではないでしょうか。
まずは週末の武蔵大戦。対抗戦後半を占う大事な一戦となることは必至です。
今シーズン初のアウェイとなりますが、みなさん是非応援へ!

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