ラグビー部リレー日記

「心を整える。」

投稿日時:2019/10/03(木) 15:10


最近復帰し、思う存分走り回ってもらいたいやまけんからバトンを受け取りました、4年の野村です。やまけんにはSHとして一味違う流れをつくる田中フミ選手のような役割を期待しています。



「心を整える。」
2010年FIFAワールドカップにおいてキャプテンとして、日本代表の決勝トーナメント進出に貢献した長谷部誠選手の著書である。スポーツにおいて、或いは人生において、心を整えることの重要性と方法が具体的な例を交えながら紹介されている。ブンデスリーガや日本代表という華々しい舞台で活躍する裏には、相当なプレッシャーや厳しい競争があるに違いない。舞台の大小はあれども、僕は東大ラグビー部の主将として日々大きなプレッシャーや難しい問題に直面している。僕はこの本を読み、心を整える重要性や方法についてずっと考えてきた。その中で、最近感じたことを自分なりの「心を整える。」として書き記しておきたい。

まず、ラグビーにおける心を整えることの重要性について。人間関係においても、学問においても、スポーツにおいても心・メンタルが大事なことは言うまでもないが、とりわけラグビーにおいては心を整えることが非常に重要であると僕は思う。ラグビーは「地球上最もタフなスポーツ」であると言われ、人数も15対15と、スポーツとしてはかなり大人数である。タフな状況で15人全員が意思を統一し、クオリティの高いプレーを継続できるか。これには、スキル・フィジカル・フィットネス・コンディションなど様々な要因が絡むが、その根底にあるのは心である。しんどい時にもう少し走れるか。流れが悪いときにどう切り替え流れをつかむのか。ラグビーは、「心が試される」スポーツであるといえる。

対抗戦初戦の上智戦は異様な雰囲気だった。緊張感からアップからミスを連発し、試合が始まっても全体的にミスを恐れた堅いプレーが多く、やろうとしていたことが発揮できなかった。今年のチームは上級生が少なく、初戦が対抗戦初出場の選手も多くいた。大勢の観客、対抗戦初戦というプレッシャーは想像以上だったのではないだろうか。加えて、天候も想定外であった。一週間前から台風の予報で当日朝まで暴風雨の予報であり、それを想定して風向きや陣地のことも考え、準備してきたつもりであった。が、いざグラウンドへ行くと体感40℃を超える蒸し暑い晴れであった。完全に想定外であった。長谷部選手は「常に最悪を想定する。」という章において、「最悪を想定するのは、「失敗するかもしれない」と弱気になるためではなく、何が起きてもそれを受け止める覚悟があるという「決心を固める」作業である。」と表現している。僕は試合前の円陣において「良い天気とポジティブに捉えプレッシャーを楽しもう」という内容の声掛けをしたが、実際にそのような暑さのなかで十分なプレッシャーのかかった練習ができていなかったのは想定・準備不足であったのだと思う。このように様々な要因があり、「心が整っている」状態で80分戦うことができなかった。それは、やまけんのリレー日記にもあるように、ベンチが整備されていないことにも現れていたのかもしれない。原因は他にもあげられるが、結果として初戦を落としてしまった。

「心を整える」ことはプロであっても非常に難しい。ワールドカップ初戦のジャパン対ロシア戦、自国開催での開幕戦は相当なプレッシャーだっただろう。それは、テレビで観戦していても伝わるほどで、ジャパンも序盤は流れをつかめずにいた。それでも最終的に勝つことができたのは、後半投入されたトンプソン選手、田中選手をはじめとする経験豊富な選手が体を張っていい流れをつくれたのが一因だと思う。アイルランド戦においてもトンプソン選手や途中出場のリーチ主将が光っていた。そのおかげで、姫野選手など勢いのある若手選手ものびのびとエンジョイできたのではないかと個人的に考えた。

東大においては、若手選手が多く、トンプソン選手のような経験豊富なベテランはいないが、同じことであると思う。上級生が体を張って、流れをつくり、下級生がのびのびとチャレンジできる環境をつくることが大切である。今シーズンは残り3か月を切ったが、間違いなく伸びしろはまだまだあり、爆発するポテンシャルを秘めていると思う。そのために、一人一人が最高の準備をし、心を整えるとともに、僕はリーダーとして体を張って流れをつかむという役割を果たせるように毎日準備をしていくのみである。
 
 最後に、「心を整える」ための僕の考えを一つ紹介します。その一つは、「一人で身体に向き合う時間を作る」ことです。ストレッチや、セルフケア、交代浴を一人で静かに行うと、身体のコンディションとしっかり向き合うことが出来ます。そのような時間を設けると、身体のコンディションが整うとともに、頭の中が自然と整理されたり、やるべきことがクリアにできるので、おススメです。ぜひ今日から、寝る前に5分だけでもそのような時間をつくってみてください。また、他にもそれぞれに合った心を整える方法が見つかると思うので是非本も読んでみてください。あまりまとまりませんでしたが、とにかく大事なことはラグビーにおいても人生においても心身両面を整えることだと思います。


次は、間違いなく東大ラグビー部の今後を担っていく存在である2年の吉田にお願いします。彼を東大ラグビー部に誘って、入ってくれて本当に良かったと思っています。吉田が東大ラグビー部に入って本当に良かったと思えるように残りのシーズン全力で頑張ります。
 

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