ラグビー部リレー日記

徒然草

投稿日時:2019/05/17(金) 23:25

テキパキした仕事ぶりでスタッフ業をこなしてくれている、同期の木下からバトンを受けました、三年の倉上です。彼女は頭の回転が早すぎるあまり、のんびりした性格の筆者がそれについていけないことが往々にしてあります。様々な人がいるものですね。




 先日、人知れずかなり悩んだ末に、肩の手術を受けました。人生で初めての手術でした。術後まだ一週間ほどしか経っておらず、この先どうなっていくのだろうという不安が頭をよぎりますが、決断したのは自分なんだから、ちゃんとこの決断をしてよかったねと思えるように、どうにかしなければいけない、自分で責任持って頑張らなければいけないと感じています。



 

手術の内容は詳しいことはここで説明する気は無いですが、結果から申し上げますと僕は現在右腕なしで生活をしています。これは本当に思っていた以上に難しい作業です。日々のなんとなく両手でやっていた行為をすべて一度解体して、ひとつひとつの動きにバラして、構成し直さなければなりません。みなさんは服を右腕から脱ぐか左腕から脱ぐか、意識したことはありますか。特殊なつくりの服でないとそこまで意識しないことだと思います。片腕が使えない人間は、まず使える方の腕から脱いで(これが既に大変)、次に使えない方の腕を脱いでいきます。着るときは逆で、使えない、動かない方の腕に袖を通し、背中にかけてから、使える方の腕に袖をねじ込んでいきます。こういった面倒な着方をするので、そもそも着られる服のタイプが限られています。ファスナーやボタンが前についているタイプの服でないと簡単に着られません。手術する二週間ほど前に奮発して買ったリーバイスの白のセーターも、しばらく着られません。結構お気に入りで、同期の松井も褒めてくれていたのですが・・・



 

こんな生活をしていると、月並みの表現になりますが、自分の生活が多くの人に支えられているな、支えられないと成り立たないなということがよくわかります。退院するとき、母が付き添ってくれました。僕が入院時に荷物を持って来すぎて、とうてい片手では持ちきれないぐらいバッグが重くなってしまったため、荷物の一部を紙袋に詰めて持って帰ってくれました。自宅から駅が歩くと少し遠いため、ほぼ毎日、時間が合えば、仕事から帰った父が車で駅まで迎えに来てくれます。現在、傷口から感染してしまう恐れがあるため衛生上部活に行くことが禁じられている僕は、本郷キャンパスで昼ごはんをラグビー部の同期と食べるとき、つい嬉しくて饒舌になり、うるさくなります。みんなと会うということがどれだけ自分の生活の中で大切な一部であったかということに気付かされます。



 

このように当たり前であったことが当たり前でなくなる機会というのは、考えてみればこうして長期離脱をするときぐらいしかないんじゃないかと考えるようになりました。そう考えることによって離脱を正当化してるところもあるかもしれません。しかし少なくとも、生活について深く考えること、当たり前のようにいてくれる周りの人に感謝すること、そういうことが増えたのは事実です。半年後に僕は復帰し、当たり前のようにラグビーを楽しみ、当たり前のようにトレーニングに汗を流し、当たり前のようにフィットネスメニューに苦しんでいることでしょう。だからそうなってからではもう気づくことのできない、ラグビーができる喜びや、普通に生活ができる喜びを、それが叶わぬ今のうちに、たくさん感じていきたいと思うのです。



 

急激な環境の変化に、まだ全然考えがまとまっていないので、そのまとまらないまま、感じているままを記してみました。特にこれといった答えのない、徒然草のように読んでいただければ幸いです。



 

続いては、数少ない三鷹パートの後輩の一人である二年の齋藤にバトンを回したいと思います。最近では同じ三鷹パートの某一年生がよく家に来るらしく、筆者もいつか彼が家に押しかけてくるのではないかと、恐れおののいております。

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