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ラグビー部リレー日記
ホンモノを見る
投稿日時:2018/06/18(月) 04:10
先週の試合の後に怪我をした選手に対して医学部生らしいアドバイスをしていた姿が印象的だった荒木からバトンを受け取りました工学部建築学科生の芝村です。
荒木のリレー日記にある「建畜生」という言葉は、お分かりの通り「建築(学)生」という言葉が元となっている造語で、ヘビーな設計や模型作成やレポートなどの課題の提出期限に追われ度重なる徹夜作業などにもめげずにひたすら戦う建築学科の生徒をさした言葉です。これは東大建築学科ならではというわけではなく多くの大学の建築学科で同じような状況のようです。ちなみにこれには英語版もあって、建築を意味する‟architecture”を元としてそこに拷問を意味する‟torture”が加わった‟architorture”という言葉があり、海外でも似たような状況であることが推測できます。
そんな私も三年生までに学科生活を頑張りすぎた結果、十分すぎる単位数を取ってしまい、四年生の今年はやるべきことは常にあるものの建畜生と呼ばれるほどの追い詰められている感覚は全くありません。そして最近では寝ているときに見る夢にまで部活のことが出てくるようになり、部畜生とでもいえる者になってきたのかもしれません。
さて、私には一ヶ月ほど前に授業中に聞いて以来ずっと心に響いている発言があるのでご紹介させていただきます。その日の講義は日本マイクロソフト株式会社のChief Security Officerの方がいらっしゃって、利用者のセキュリティやITサービス設計についての講義をしていただきました。その中であったのですが、大量に脆弱性の検知に関する情報を蓄えているとセキュリティの完成度は高そうに思えますが、デメリットもあって、計算が遅くなりリアルタイム性に欠けたり、情報同士を結び付けるキーが作りづらくなったり(なかったり)してしまうようです。そしてもう一つデメリットがあって、情報というのはたくさんあればよいというものではなく、「ホンモノを見ておかないと、ニセモノを何個見ていてもホンモノをホンモノだとは分からない」というものです(セキュリティの言葉に置き換えると危険性があるものとないものといったところでしょうか)。正直講義内容からして別に全く大きい意味合いを持っていたとは言えないし当たり前のように思えますが、その時の私はハッとさせられてしまいました。
それ以来様々な練習中もしくはラグビーの映像を見る際に私はこの発言を意識し、「ホンモノのプレー」を探そう、一目見ておこう、ということを(改めて)強く考えるようになりました。言葉だけで指示されて試行錯誤したうえで分かったり気づいたりすることだけでなく、実際にやるとどのようなものなのかをはっきりと見る、見させてもらえない場合は依頼もするし探しもするということを心に決めました。そうは言ってもラグビーのプレーに関することであれば当然、というかそれをしないなら他の人を見ても意味はないぞと思われる方も多いでしょう。これからもその学びの姿勢を大事にしていただきたいです。ただ、集団で指導を受けているときの時間の限られたグラウンド内では意外と指示通りやってみてみんなで試行錯誤したり経験したりする中で得た形をホンモノと思い込んでそのまま終わってしまうということもあると感じます。その場では見られないことも多いので仕方がないですが、特別なシチュエーションの練習や特に指導者の場合、ホンモノを見られるチャンスは限られてしまいます。またグラウンド外のことでいうと挨拶や掃除や身だしなみや食生活などどんなことにでもホンモノがあるはずです。もちろん何でもかんでも見て情報は増えても、これがホンモノだ、と検知することはホンモノを見ていない状態の自分にはできなくて、私は指導者もしくはプロでやっている集団を観察してそれをホンモノとしインプットさせるのが最善かなと思っています。そのため、指導者にはいざという時にしっかりとそれを体現できるという能力も必要なのではないかなと感じるし、プロで何かをやっている方々にはホンモノとして様々な部分を見られているぞと思ってほしいものです。試行錯誤してホンモノにたどり着くためには、ホンモノを見てインプットしておかなくてはならないし「真似ぶ」ことも大事になってくるのではないでしょうか。
長文になってしまい失礼しました。また、ですます調の文章は書きなれていないのでミスもあるかもしれません。そして考えがおかしいところがあってもご容赦ください。
次はサンウルブズの一員としてどんどん大人びた立派な存在になっていく、仕事の出来る三年の大石に回そうと思います。
荒木のリレー日記にある「建畜生」という言葉は、お分かりの通り「建築(学)生」という言葉が元となっている造語で、ヘビーな設計や模型作成やレポートなどの課題の提出期限に追われ度重なる徹夜作業などにもめげずにひたすら戦う建築学科の生徒をさした言葉です。これは東大建築学科ならではというわけではなく多くの大学の建築学科で同じような状況のようです。ちなみにこれには英語版もあって、建築を意味する‟architecture”を元としてそこに拷問を意味する‟torture”が加わった‟architorture”という言葉があり、海外でも似たような状況であることが推測できます。
そんな私も三年生までに学科生活を頑張りすぎた結果、十分すぎる単位数を取ってしまい、四年生の今年はやるべきことは常にあるものの建畜生と呼ばれるほどの追い詰められている感覚は全くありません。そして最近では寝ているときに見る夢にまで部活のことが出てくるようになり、部畜生とでもいえる者になってきたのかもしれません。
さて、私には一ヶ月ほど前に授業中に聞いて以来ずっと心に響いている発言があるのでご紹介させていただきます。その日の講義は日本マイクロソフト株式会社のChief Security Officerの方がいらっしゃって、利用者のセキュリティやITサービス設計についての講義をしていただきました。その中であったのですが、大量に脆弱性の検知に関する情報を蓄えているとセキュリティの完成度は高そうに思えますが、デメリットもあって、計算が遅くなりリアルタイム性に欠けたり、情報同士を結び付けるキーが作りづらくなったり(なかったり)してしまうようです。そしてもう一つデメリットがあって、情報というのはたくさんあればよいというものではなく、「ホンモノを見ておかないと、ニセモノを何個見ていてもホンモノをホンモノだとは分からない」というものです(セキュリティの言葉に置き換えると危険性があるものとないものといったところでしょうか)。正直講義内容からして別に全く大きい意味合いを持っていたとは言えないし当たり前のように思えますが、その時の私はハッとさせられてしまいました。
それ以来様々な練習中もしくはラグビーの映像を見る際に私はこの発言を意識し、「ホンモノのプレー」を探そう、一目見ておこう、ということを(改めて)強く考えるようになりました。言葉だけで指示されて試行錯誤したうえで分かったり気づいたりすることだけでなく、実際にやるとどのようなものなのかをはっきりと見る、見させてもらえない場合は依頼もするし探しもするということを心に決めました。そうは言ってもラグビーのプレーに関することであれば当然、というかそれをしないなら他の人を見ても意味はないぞと思われる方も多いでしょう。これからもその学びの姿勢を大事にしていただきたいです。ただ、集団で指導を受けているときの時間の限られたグラウンド内では意外と指示通りやってみてみんなで試行錯誤したり経験したりする中で得た形をホンモノと思い込んでそのまま終わってしまうということもあると感じます。その場では見られないことも多いので仕方がないですが、特別なシチュエーションの練習や特に指導者の場合、ホンモノを見られるチャンスは限られてしまいます。またグラウンド外のことでいうと挨拶や掃除や身だしなみや食生活などどんなことにでもホンモノがあるはずです。もちろん何でもかんでも見て情報は増えても、これがホンモノだ、と検知することはホンモノを見ていない状態の自分にはできなくて、私は指導者もしくはプロでやっている集団を観察してそれをホンモノとしインプットさせるのが最善かなと思っています。そのため、指導者にはいざという時にしっかりとそれを体現できるという能力も必要なのではないかなと感じるし、プロで何かをやっている方々にはホンモノとして様々な部分を見られているぞと思ってほしいものです。試行錯誤してホンモノにたどり着くためには、ホンモノを見てインプットしておかなくてはならないし「真似ぶ」ことも大事になってくるのではないでしょうか。
長文になってしまい失礼しました。また、ですます調の文章は書きなれていないのでミスもあるかもしれません。そして考えがおかしいところがあってもご容赦ください。
次はサンウルブズの一員としてどんどん大人びた立派な存在になっていく、仕事の出来る三年の大石に回そうと思います。
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