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ラグビー部リレー日記
社会学とラグビー
投稿日時:2018/11/14(水) 23:58
ラグビー部屈指の陽キャラとの呼び声高い、一年生のるーしーこと齋藤からバトンを受け取りました、二年生の倉上です。
今回のリレー日記を書く上で、ひと月ほど前から様々なテーマが浮かんでは消えていった訳なのですが、僕たち二年生にとって今年は進振りという重要なイベントの年だったということもあり、ここはひとつ東大生らしく勉強の話でもしようかなと思います。安心してください、結局はラグビーの話です。
僕は今夏の進振りで希望していた文学部社会学専修に内定し、この秋から本格的に社会学を学んでいます。学科には同じ國學院久我山出身の山口くんもいて、かれこれ10年間同じ教育を受けていることになります。人生の半分を共にしていると考えると、さすがに気持ち悪いなとお互い自覚しております。それはさておき、社会学というのは何をやる学問なんだ?ということをよく質問されるのですが、正直扱う範囲が広すぎてうまく定義することができません。僕の拙い日本語で説明しようとすると、「一見個人的な要因による似たような現象が一つの社会集団でたくさん起こっているとき、それを社会現象として扱い、それを引き起こす目には見えない『社会の力』を検証する」みたいなところでしょうか。やはり上手く説明できませんでした。
しかしこれをラグビーで例えてみれば、かなりわかりやすくなるのではないでしょうか。最も例えやすい例でいくと、パスミスなどのミスです。よく「ミスは連鎖する」と言われますが、そういう瞬間はチームに必ずやって来ます。練習や試合前のアップで、同じようなミスが立て続けに起こって雰囲気が悪くなることは、ラグビーひいてはチームスポーツをやっている人皆が一度は体験したことがあるのではないでしょうか。個人的、一時的な原因のせいにしようとすればいくらでもできます。その人の調子がたまたま悪かったのか、ボールの硬さや質がいつもと違うのか、天候の影響か、風が強いのか?様々考えられますが、しかし私たちはこの状態を、「チームが上手くいっていない」と表現し、まるでチームという一つの主体があるかのように考えます。目には見えない「チームの力」を、ある意味で前提としているのです。
この関連で、怪我もまたチーム内での社会現象と捉えることができるのではないでしょうか。今年のチームでは同じような膝の怪我が数ヶ月の間に5人ほど出て、「膝パート」なるものが立ち上がりました。かく言う僕も、膝パートではありませんが夏合宿直前に怪我をして、合宿にも参加しませんでした。怪我した本人たちからすれば、それぞれに怪我してしまった原因があり、それぞれに復帰へのプロセスがあるのは確かです。しかし原因はどうあれ、やはりこれだけ怪我が連鎖してしまったことには、負の方向の「チームの力」を認めざるを得ません。
喜ばしいことに、現在チームは近年ないほどの好成績を残すことができています。4勝という目標も達成し、対抗戦最終戦を含め今シーズンも残すところあと3試合となりました。対抗戦シーズンを通し、今のところいい方向の「チームの力」が働いています。しかし未だ多くの怪我人がいることもまた事実で、奥底には負の力が潜在的に存在している可能性もあります。社会現象というのは往往にして、皆が思いもしないところに突然立ち現れて、後から考えてみればあれは必然だった、となるものです。もしかしたらこれから3試合良い試合ができず、いいシーズンの締めくくりができないかもしれません。
私事ながら、僕はちょうど今週から三ヶ月ぶりにプレー復帰することができました。僕にとっての秋シーズンは、ここから始まります。僕一人が復帰したところで、チームには何も起こらないかもしれません。しかし僕はチームを形成する一個人として、「チームの力」に何か貢献したい。もしこのチームに、ここから失速するような要素が何かあるのであれば、僕が復帰した勢いそのままに、その要素をいい方向に変えていきたいです。それが久しぶりに復帰したプレーヤーの使命だと思っています。社会現象は個人ではなく集団を主体としますが、それでもやはりその集団を動かせるのは、個人一人ひとりでしかないのです。
このようにして一人ひとりがチームに影響を与えようと何かできることを探していく、理想的な集団を目指していく動きの中で、今シーズンのチームスローガンである「UNITE」が達成されるのではないでしょうか。4勝という数値的な目標をひとまず達成した今だからこそ、目には見えない、数には表せない「UNITE」というチームの真の目標をこれからは追い求めていきたいです。社会学との出会いはそんなことを、僕に考えさせてくれました。
拙い文章失礼いたしました。次は、どんなときもポジティブな姿勢で大器を感じさせる、一年生の今塩屋にバトンを回したいと思います。
今回のリレー日記を書く上で、ひと月ほど前から様々なテーマが浮かんでは消えていった訳なのですが、僕たち二年生にとって今年は進振りという重要なイベントの年だったということもあり、ここはひとつ東大生らしく勉強の話でもしようかなと思います。安心してください、結局はラグビーの話です。
僕は今夏の進振りで希望していた文学部社会学専修に内定し、この秋から本格的に社会学を学んでいます。学科には同じ國學院久我山出身の山口くんもいて、かれこれ10年間同じ教育を受けていることになります。人生の半分を共にしていると考えると、さすがに気持ち悪いなとお互い自覚しております。それはさておき、社会学というのは何をやる学問なんだ?ということをよく質問されるのですが、正直扱う範囲が広すぎてうまく定義することができません。僕の拙い日本語で説明しようとすると、「一見個人的な要因による似たような現象が一つの社会集団でたくさん起こっているとき、それを社会現象として扱い、それを引き起こす目には見えない『社会の力』を検証する」みたいなところでしょうか。やはり上手く説明できませんでした。
しかしこれをラグビーで例えてみれば、かなりわかりやすくなるのではないでしょうか。最も例えやすい例でいくと、パスミスなどのミスです。よく「ミスは連鎖する」と言われますが、そういう瞬間はチームに必ずやって来ます。練習や試合前のアップで、同じようなミスが立て続けに起こって雰囲気が悪くなることは、ラグビーひいてはチームスポーツをやっている人皆が一度は体験したことがあるのではないでしょうか。個人的、一時的な原因のせいにしようとすればいくらでもできます。その人の調子がたまたま悪かったのか、ボールの硬さや質がいつもと違うのか、天候の影響か、風が強いのか?様々考えられますが、しかし私たちはこの状態を、「チームが上手くいっていない」と表現し、まるでチームという一つの主体があるかのように考えます。目には見えない「チームの力」を、ある意味で前提としているのです。
この関連で、怪我もまたチーム内での社会現象と捉えることができるのではないでしょうか。今年のチームでは同じような膝の怪我が数ヶ月の間に5人ほど出て、「膝パート」なるものが立ち上がりました。かく言う僕も、膝パートではありませんが夏合宿直前に怪我をして、合宿にも参加しませんでした。怪我した本人たちからすれば、それぞれに怪我してしまった原因があり、それぞれに復帰へのプロセスがあるのは確かです。しかし原因はどうあれ、やはりこれだけ怪我が連鎖してしまったことには、負の方向の「チームの力」を認めざるを得ません。
喜ばしいことに、現在チームは近年ないほどの好成績を残すことができています。4勝という目標も達成し、対抗戦最終戦を含め今シーズンも残すところあと3試合となりました。対抗戦シーズンを通し、今のところいい方向の「チームの力」が働いています。しかし未だ多くの怪我人がいることもまた事実で、奥底には負の力が潜在的に存在している可能性もあります。社会現象というのは往往にして、皆が思いもしないところに突然立ち現れて、後から考えてみればあれは必然だった、となるものです。もしかしたらこれから3試合良い試合ができず、いいシーズンの締めくくりができないかもしれません。
私事ながら、僕はちょうど今週から三ヶ月ぶりにプレー復帰することができました。僕にとっての秋シーズンは、ここから始まります。僕一人が復帰したところで、チームには何も起こらないかもしれません。しかし僕はチームを形成する一個人として、「チームの力」に何か貢献したい。もしこのチームに、ここから失速するような要素が何かあるのであれば、僕が復帰した勢いそのままに、その要素をいい方向に変えていきたいです。それが久しぶりに復帰したプレーヤーの使命だと思っています。社会現象は個人ではなく集団を主体としますが、それでもやはりその集団を動かせるのは、個人一人ひとりでしかないのです。
このようにして一人ひとりがチームに影響を与えようと何かできることを探していく、理想的な集団を目指していく動きの中で、今シーズンのチームスローガンである「UNITE」が達成されるのではないでしょうか。4勝という数値的な目標をひとまず達成した今だからこそ、目には見えない、数には表せない「UNITE」というチームの真の目標をこれからは追い求めていきたいです。社会学との出会いはそんなことを、僕に考えさせてくれました。
拙い文章失礼いたしました。次は、どんなときもポジティブな姿勢で大器を感じさせる、一年生の今塩屋にバトンを回したいと思います。
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