ラグビー部リレー日記

一つかみの砂金

投稿日時:2023/12/11(月) 12:37

宮城が誇る変態紳士の関戸からバトンを受け取りました、4年の岩下稜です。



彼はご存知の通りとても優しくて良い奴で、帰る方向が同じということもあり、仲良くしてもらってます。ですが、去年の夏ごろからでしょうか、彼は僕らと話していても幸せそうな顔でここにはいない誰かに想いを馳せることが増えたように思えて少し寂しいです。でも幸せならOKです👍



数年後におでこの見せ合いっこをしたいそうですが、その時には自分が生え際を隠したくなってるかもしれないことに想像が及ばないあたり、性癖の広さに反して想像力が乏しいようです。



 



他の部員が書いた文章を読む機会というのはありそうで無いので、リレー日記は割と楽しかったです。関戸が書いた文章を読んだり、寿太郎が他の人のリレー日記を好き勝手批評してるのを聞いたりするのが好きでした。S和やM田もそういう楽しみを見出してくれればと思います。



一方で自分が書く立場となると、その時々で心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくってきただけなので、中身のない文章を書くことが多かったです。前々回なんてボーッと書きすぎて、「コミュニケーション」と書くつもりが題名含めて全て「コミュケーション」になってました。なんだそりゃ。ちなみにSNSでそのリレー日記の更新がお知らせされる時は「コミュニケーション」に訂正されてました。広報スタッフ有能すぎる。ということで今回も特に奇を衒わず、4年間の振り返りでもしようかと思います。





自分たちの代は入学の年にコロナが始まりました。入学式がなくなり、対面授業がなくなり、オンライン新歓に出る気力も他人との交流もなく、ただパソコンから流れる授業音声を耳に入れて課題をこなす日々でした。正直超つまらなかった。だから、財木からラグビー部への誘いが来た時は特に考えずに食いついて、気づいたらそのまま勢いで入部することになっていました。何かしら変化が欲しかった。そんな理由だった気がします。



入部してからは怪我ばかりでした。

1年の10月末くらいに入部して、12月初めに足首を折ってシーズンが終わりました。2年開始時で復帰して、夏の強化集中練を乗り切って初試合に出場したあたりで疲労骨折でシーズン終了。3年のシーズン開始の1月に復帰。3月に前十字靭帯断裂。手術とリハビリで3年終了。4年3月に復帰して、脳震盪と眼窩底骨折。5月頭に復帰して現在に至ります。実活動期間は1年半かそこらでしょう。これを書いている現在でシーズン残り2週間で試合は残り2つありますが、怪我なくやり切りたいものです。



今年の対抗戦は3勝4敗という悔しい結果でした。結果に対して悔しいと思うと同時に、自分の至らなさによって、自分がプレーヤーとして出場してその結果に直接関わることが出来なかったこと、最上級生のプレーヤーとして負うべきの多くを後輩に預けてしまったことを非常に悔しく、また申し訳なく思っています。全く怪我しなかったらどうなっていたのか。今でもそう考えることがあります。



ただ、ラグビー部に入部したこと、怪我を繰り返しながらも結局辞めなかったことを後悔したことはありませんでした。例えば、ダミー押しなどのキツい練習を乗り切ったとき。例えば、皆で励まし合いながら筋トレやバイクのメニューをこなしたとき。例えば、怪我を乗り越えて再びグラウンドに立った瞬間。そういった経験はきっと他では得られなかったと思います。

青山部長がよくラグビー部の目的として、「成長」を掲げているのは部員の皆ならそれはもうよくご存知でしょうが、それはそういった経験の積み重ねによって形作られていくものなのでしょう。

最近太宰治の小説の中の一節を目にすることがありました。内容としては「勉強で大切なのはその知識ではなく、その訓練の過程でカルチベートされた人間になることだ。知識を忘れたとしても訓練の底に残った一つかみの砂金が残っている。これこそが尊いのだ。(要約)」というものです。勉強ではありませんが、ラグビー部においても前述のような経験を得る過程が部長が言うように自身を成長させてくれたように思います。そしてそれは、部を引退して、鍛えた身体やスキルが失われたとしても、一つかみの砂金としてこの先も残るでしょう。それを忘れずにこれからも生きていきたいと思います。



最後にお世話になった方々への感謝を述べさせていただきます。



大西コーチ、青山監督、太田さんをはじめとした、トレーナーの方々の指導のお世話になって、4年間続けることができました。ありがとうございました。



OB・OG、その他関係者の皆様、いつも東大ラグビー部を支援、応援してくださりありがとうございます。これからは自分もその一助となれればと思います。



トレーナーの工藤さん、チームドクターの田崎先生、その他手術の執刀医や担当医、理学療法士の方々にも大変お世話になりました。



 



先輩方



先輩方のおかげで楽しい日々を送ることが出来ました。怪我が多い中でも腐らずにやっていけたのは先輩方のおかげです。特に、メンターの鈴音さん、若菜さんには怪我の件で大変お世話になりました。部に誘ってくれた財木、今年一緒に戦ってくれた國枝さん、松元さん、ごたつさん、笹さん、今年よく指導していただいた廣瀬さん、河内さん、岩下さん、玉代勢さん、レフェリーの原さん、performance directorの平岡さんには改めて感謝申し上げます。





後輩の皆へ



皆さんには教えることより教わることの方が多かったように思います。自分たちの代は人数が少なかったので、特に3年生が積極的に動いてくれて非常に頼もしかったです。特にスタッフは先輩方が卒部した時大変だったと思います。ありがとうございました。自分が言うのもマジであれですが、怪我しないでください。





同期へ



楽しい時間をありがとう。グラウンドでは力強いキャリーをしながらも普段は恋愛漫画に胸をときめかせてる西久保、激しい声とプレーで皆を鼓舞しながらも実は文学少年の一面をもつ安富、部の仕事を多くこなしながら真偽不明の話で混乱を起こす池田、ディフェンスの声は誰よりも通るのに普段何言ってるか分からない橋野、SHとしてFWに指示を出す傍ら噂話のスピーカーをしてた前川、ラグビー中のアツさとは裏腹にそのクールさで数多の人を魅了していた陸人、スタッフ業とドルオタの2足のわらじでしていた手島、プレーや新歓で良き先輩しながらも持ち前の天然を発揮しまくってた関戸、皆と過ごした日々は非常に楽しかったです。晴れて(?)誰も社会に出る予定がないとの事で、来年もラグビー部を通じて関われそうで嬉しく思ってます。



 



両親



怪我やら入院やらが多く、非常に心配と迷惑をかけたと思います。ありがとうございました。特に何も還元してないし、なんなら少なくともあと2年はスネをかじることが確定しているわけですが、これからもよろしくお願いします。





次はラグビー部で一緒に会報委員をやっているだけでなく、科類、学部、学科、研究室、修士課程、あとついでに埼玉県民であることまで被っている陸人にバトンを渡します。彼が女の子と遊んでる時以外はほぼ同じような大学生活だったんじゃないでしょうか。100人中200人がイケメンだと言いそうな彼ですが、今年の対抗戦をフル出場で戦い抜いたアツい男でもあります。このリレー日記の順番が決まった時、「岩下相手に書くことねーよ」と言っていましたが、まぁこれが照れ隠しであることくらいは流石にわかるので、最近の幸せさにかまけて、同期をおざなりにすることは無いと信じています。

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