ラグビー部リレー日記

おねえさんは、おとななの?

投稿日時:2019/11/24(日) 00:55

いつも顔色を伺ってタメ口で話しかけるタイミングを狙ってくる津田くんからバトンを受け取りました、3年スタッフの木下です。
最近の津田くんは、一緒に受けている授業の終わりに私に「バイバイ」と自然風に言う術を身につけたみたいですが毎回バレています。津田くんに「さようなら」と言われるのが今セメスターの目標です。
と下書きしていたところですが、これは津田くんの数少ない心を開こうとしてくれているタイミングかもしれないので、これからは暖かく受け止めようかなとも思います。迷っています。


私は大学入学時からベビーシッターのアルバイトを続けており、今日でちょうど2年8ヶ月になった。ベビーシッターといっても幼稚園から小学生低学年の子が多く、気がつけばこれまで300回を超える、80人近い子供達と遊んできた。自分で振り返ってみても驚きの経験値である。
末っ子の私はずっと小さい子供が大好きで、妹がいる生活に憧れてきた。小さい子供とたくさん遊びたい、そんな気持ちで始めたベビーシッターだったが、好奇心旺盛でたくさんの可能性を秘める子供たちと一緒に過ごす時間は私にとっても毎回多くの刺激と発見に溢れている。

最近3歳くらいの子のいくつかのご家庭に立て続けに行く機会があった。
3歳の子というのは、いろんな言葉を覚えて会話が上手にできるようになった頃だからか、自分が見たこと、感じたことをなんでも口にしてくれる。また疑問に思ったことをなんで?なんで?とすぐに聞いてくれる。その中で、私は彼彼女たちから同じようなこんな質問を受けた。

「おねえさんは、おとななの?」


この質問に至った思考回路は以下のようなものとのこと。
保護者の方たちは、お子さんに対して私のことを「おねえさん」という。一方で小さい子から見たらお母さんも私も大して変わらない「おとな」であり、事実私に年齢を尋ねれば21。20を超えれば「おとな」のはずなのにお母さんは私を「おねえさん」と呼ぶ、、、?

うーん納得。
確かに私は先の1月に成人式を迎え、成人式では「私たちはこれから一社会人としての自覚を持って~」と偉そうに大勢の前で挨拶をした。半年前には誕生日を迎えて21歳。お酒も飲めるし運転もできる。アルバイトでそこそこ稼いで自由に買い物や遊びに使うし、今夏1人でニューヨーク旅行をしたことも記憶に新しい。今の私の生活の中で大きなウエイトを占めることは卒業後進路に関わることでもある。
これこそ幼い頃思い描いていた「おとな」の姿である。


一方で私はこの質問に自信を以って納得のいく回答をすることができなかった。
現に自宅に帰ってからも「私っておとななんだっけ、、」ともやもやしている。

確かに成人はしたけれどまだ学生で社会人ではない。日々の些細なことでも親は心配してくれる。アルバイトしているとはいえ実家暮らしで、生計を立てているわけではないし、遠出するときには宿泊場所まで家族に伝える。ベビーシッターとして小さい子の面倒を見た後には、家に帰ってママに今日もこんな可愛い子がいてね、と話している。
そう思うとやはり自分のことを「はい私は大人です」とは言い切れない。


ではいつ大人になるのだろう?
大学を卒業して仕事を始めたら?結婚したら?子供ができたら?


そう考えると人間、子供から突然大人に変身する機会なんてないんだなと思う。
こう言葉にしてしまうと当然のことのようだけれど、それだけ私たちは無自覚であれ日々僅かながら成長し続けているということなのだろう。逆に考えれば、その日々の僅かな成長がないまま時間が過ぎても、後になって振り返らないと自分が成長していないことには気がつけない。そうなってしまっては後の祭り、時間を巻き戻すことはできない。

どんなスパンで考えても同じことが言えるだろう。
3歳の年少さんから大学生の今までの18年間。隣の子にしか話しかけられなかった中学入学式から同級生はみんな家族と言っていた高校卒業式までの6年間。学部を決めかねて挑んだ大学入試から進振りを経て経済学部に進級するまでの2年間。学部に悩んでいた頃から一転して将来の職業を考え始めるまでの半年。
今振り返ればだいぶ私も成長したなあと自分のことながらに感心する。


先日たまたま目にした小学校の卒業アルバムに「将来の夢:ベビーシッター」と書いてあった。無意識のうちにもうかつての「将来の夢」を叶えてしまう歳になっていたことに気がつかされた。

これからも気がつかないうちに遠かった夢が手に届いてもっと遠い夢を追いかけていくことで、想像できなかった世界を見てみたい。
目の前に一生懸命になることが、今を充実させて将来を飛躍させることにつながるのかな。
今この瞬間も、何かに取り組んでいる時間は将来の糧になっているのかなと思うと、もっといろんなことがしたくなるしワクワクしてくるな、と。

「一人前の大人になったな」と思える日が早くきますように。

こんなことを考える機会を与えてくれた3歳の子たち、ありがとう。
改めて、小さい子から受ける刺激の多さには驚かされます。
でも質問に対する答えはまだ出なかったね、ごめんね。「おねえさん」のうちに「おねえさんはおとなだよ」と胸を張って言えるくらい立派に成長できるように頑張ります。


リレー日記が好き過ぎて、累計文字数勝負をしたらかなりトップ層に君臨できる自信があります。冗長ながらここまで読んでいただきありがとうございました。


次は鋭いコンタクトとピンクのヘッドキャップが真っ暗な夜練の中きらりとひかる1年生のごたつくんにバトンを回します。
きれいな小麦肌と明るい茶髪、ピンクのヘッドキャップのカラーマッチが私は結構お気に入りです。が、ごたつが夏の練習前に毎日日焼け止めを塗っていたことをふと思い出し、その効果がどれ程だったかとても気になります。

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