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ラグビー部リレー日記
好きだから
投稿日時:2020/06/20(土) 22:11
とても素敵な文章を書く榎園からバトンを受け取りました。3年の石田です。まだ3回しか更新されていませんが僕は彼女のリレー日記の大ファンで、今回も密かに楽しみにしていました。きっと僕以外にもファンが大勢いると思っています。
ラグビー部の練習が無くなってから早くも3ヶ月が経とうとしています。毎年3月から6月にかけての時期は何かしらのイベントが盛り沢山で忙しかったというのに、今年はそれらが何もないだけでなく、可能な限り家から出ないよう努めるべしということで、非常に陰気臭い春を過ごすことを強いられています。うららかな春の陽気とやらはどこ知れず、いつの間にか東京の夏の茹だるような蒸し暑さがすぐそこまで近づいてきています。
その所為で、ここ最近は一人で過ごす時間が圧倒的に多くなっています。一人の時間が増えると、どうしても考え事をする時間が増えます。僕は深い考え事をするとすぐ抑うつ的な気分になってしまうタチの人間なので、この時間が好きではありません。しかしながら、有史以来多くの知識人たちが述べてきたように、考え事をする時間も決して無駄な時間ではないことも間違いないのです。今回は、そんな考え事のさなかに思い浮かんだ、「なぜラグビーをするのか」という問いについて、ほんの少し書き記そうと思います。
この問題はチームとしても、また僕自身の中でも何度も繰り返されてきたものです。自問自答は苦しいもので、なんとか答えを絞り出してもその後に途轍もない虚無感に襲われます。この葛藤は波のように、強くなったり弱くなったりを繰り返しているのですが、何度かそれを強くした要因が存在します。脳震盪です。
僕は今まで、高2の夏、大1の春、大2の春、大2の夏、大2の秋、と5回の脳震盪を経験しています。勿論、脳震盪は非常に危険なもので、場合によっては後遺症が残りますし、寿命にも影響を及ぼしかねません。昨シーズンの夏の慶應との定期戦では、味方との衝突で完全に気絶して、救急車で運ばれて一晩入院する羽目になりました。ラグビー人生5年目にして初めての入院でした。同年秋のものは対抗戦の試合中、後半に入って少し経った頃、選手交代でピッチに入って最初のプレーでのことでした。自軍キックオフの着地点を狙ってタックルしたら、いつの間にかコートの外に運び出されていました。担架に載せられておぼろげな意識のなかで目に入った、グラウンドの端で観戦していた母親のひどく心配そうな顔が今でも忘れられません。
そんなものを5度も経験しているのに、未だに「やめよう」という結論には至っていません。ただ、その理由については自分でもよくわかっていません。いくら考えても、「ラグビーが好きだから」より真っ当な理由が思い浮かばないのです。もちろん他にもいくつか要素はあるのですが、なんだかんだで「ラグビーが好きだから、ラグビーをする」という一文に集約されてしまいます。それほどまでに、自らの身を投げ打つのも惜しまないほどに、果たして自分がラグビーを好きなのかどうかは、正直まだわかりません。ラグビーと同じくらい、或いはそれ以上に好きな趣味が全く無いというわけでもありません。勿論、今後一度も同じような目に遭うことがないとは言い切れません。もしかしたら、将来になって学生時代の自分の選択をひどく後悔することになるかもしれません。しかしながら、今現在の時点で、僕はラグビーが好きで、だからこそラグビーを続けたいと思っている、ということは紛れもない事実なのです。
勿論、こんな状態になっても今のところなんとかラグビーを続けられているのは、診てくださった先生方や、シーズンいっぱい練習から外れることにも理解を示してくれたラグビー部の人たち、そして5年間一度も「やめたら?」と言わないでいてくれた家族のお陰です。本当に感謝しています。
「好きだから」だけを原動力に、今このような状況でも自分が熱量を持って活動できていることは、自分の人生にとって必ず大きな糧になると思っています。まだ20年と少ししか生きていませんが、自分の人生のターニングポイントはラグビーとの出会いであると断言できます。好きなものへの熱で生きていく、そんな人生にしていきたいと思うようになりました。
仰々しい言葉を並べ立てていますが、僕は決して上手なプレーヤーではありませんし、チームに貢献することより足を引っ張ることの方が多いかもしれません。それでも、ラグビーに熱中できる時間が残されている限り、(周りの人に心配をかけすぎない程度に)必死に頑張っていきたいと思います。
次は、ミニオンの愛称で親しまれる平岡です。彼は東大ラグビー部随一の愛され者と言っても過言ではありません。僕も彼のように愛される人間になりたいです。どうすればなれるのでしょうか。
ラグビー部の練習が無くなってから早くも3ヶ月が経とうとしています。毎年3月から6月にかけての時期は何かしらのイベントが盛り沢山で忙しかったというのに、今年はそれらが何もないだけでなく、可能な限り家から出ないよう努めるべしということで、非常に陰気臭い春を過ごすことを強いられています。うららかな春の陽気とやらはどこ知れず、いつの間にか東京の夏の茹だるような蒸し暑さがすぐそこまで近づいてきています。
その所為で、ここ最近は一人で過ごす時間が圧倒的に多くなっています。一人の時間が増えると、どうしても考え事をする時間が増えます。僕は深い考え事をするとすぐ抑うつ的な気分になってしまうタチの人間なので、この時間が好きではありません。しかしながら、有史以来多くの知識人たちが述べてきたように、考え事をする時間も決して無駄な時間ではないことも間違いないのです。今回は、そんな考え事のさなかに思い浮かんだ、「なぜラグビーをするのか」という問いについて、ほんの少し書き記そうと思います。
この問題はチームとしても、また僕自身の中でも何度も繰り返されてきたものです。自問自答は苦しいもので、なんとか答えを絞り出してもその後に途轍もない虚無感に襲われます。この葛藤は波のように、強くなったり弱くなったりを繰り返しているのですが、何度かそれを強くした要因が存在します。脳震盪です。
僕は今まで、高2の夏、大1の春、大2の春、大2の夏、大2の秋、と5回の脳震盪を経験しています。勿論、脳震盪は非常に危険なもので、場合によっては後遺症が残りますし、寿命にも影響を及ぼしかねません。昨シーズンの夏の慶應との定期戦では、味方との衝突で完全に気絶して、救急車で運ばれて一晩入院する羽目になりました。ラグビー人生5年目にして初めての入院でした。同年秋のものは対抗戦の試合中、後半に入って少し経った頃、選手交代でピッチに入って最初のプレーでのことでした。自軍キックオフの着地点を狙ってタックルしたら、いつの間にかコートの外に運び出されていました。担架に載せられておぼろげな意識のなかで目に入った、グラウンドの端で観戦していた母親のひどく心配そうな顔が今でも忘れられません。
そんなものを5度も経験しているのに、未だに「やめよう」という結論には至っていません。ただ、その理由については自分でもよくわかっていません。いくら考えても、「ラグビーが好きだから」より真っ当な理由が思い浮かばないのです。もちろん他にもいくつか要素はあるのですが、なんだかんだで「ラグビーが好きだから、ラグビーをする」という一文に集約されてしまいます。それほどまでに、自らの身を投げ打つのも惜しまないほどに、果たして自分がラグビーを好きなのかどうかは、正直まだわかりません。ラグビーと同じくらい、或いはそれ以上に好きな趣味が全く無いというわけでもありません。勿論、今後一度も同じような目に遭うことがないとは言い切れません。もしかしたら、将来になって学生時代の自分の選択をひどく後悔することになるかもしれません。しかしながら、今現在の時点で、僕はラグビーが好きで、だからこそラグビーを続けたいと思っている、ということは紛れもない事実なのです。
勿論、こんな状態になっても今のところなんとかラグビーを続けられているのは、診てくださった先生方や、シーズンいっぱい練習から外れることにも理解を示してくれたラグビー部の人たち、そして5年間一度も「やめたら?」と言わないでいてくれた家族のお陰です。本当に感謝しています。
「好きだから」だけを原動力に、今このような状況でも自分が熱量を持って活動できていることは、自分の人生にとって必ず大きな糧になると思っています。まだ20年と少ししか生きていませんが、自分の人生のターニングポイントはラグビーとの出会いであると断言できます。好きなものへの熱で生きていく、そんな人生にしていきたいと思うようになりました。
仰々しい言葉を並べ立てていますが、僕は決して上手なプレーヤーではありませんし、チームに貢献することより足を引っ張ることの方が多いかもしれません。それでも、ラグビーに熱中できる時間が残されている限り、(周りの人に心配をかけすぎない程度に)必死に頑張っていきたいと思います。
次は、ミニオンの愛称で親しまれる平岡です。彼は東大ラグビー部随一の愛され者と言っても過言ではありません。僕も彼のように愛される人間になりたいです。どうすればなれるのでしょうか。
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