ラグビー部リレー日記

瀬をはやみ

投稿日時:2022/12/03(土) 19:00

五島からバトンをもらいました、佐藤です。彼は僕がお願いした学館委員の仕事を嫌な顔せず最後までやってくれるのでありがたいです。彼のことは入部するときにプレーヤーを選択していた世界線での自分だと思って応援していましたが、最近になって彼がスイーツやカフェ巡りなどが好きだという新たな一面を知って、僕の中でできていたピュアな彼の像が崩れてしまいました。

彼のためにトレーニング室で時間を使った人は他にもたくさんいると思うので、全員の時間と労力と想いを背負って頑張ってほしいと思ってます。

 

1番最初に書いたリレー日記の題名を「木綿のハンカチーフ」にした時から、題名は曲名や歌詞から引用しようと決めました。あまりにも内容と合っていないのも、単に曲名を取っただけでも、つまらないと思っていろいろとクンカクンカしながら考えるのが楽しかったです。最初こそメジャーな曲

(「木綿のハンカチーフ」太田裕美、「だんご三兄弟」、「天体観測」BUMP OF CHICKEN)

を使っていましたが、後半になるにつれて自分の趣味が顕著に現れる選曲で説明しないと伝わんないなと思っていたので、ここで何を使ったか説明して3年前の無謀な縛りを作ってしまった自分を供養したいと思います。

「Santa Tell Me」Ariana Grande、「世界の秘密」Vaundy、「トモダチ」ケツメイシ、「House」Lucky Kilimanjaro、「earth meal feat. asmi」Rin音

 

広義で解釈すれば和歌も歌の一つになるのでしょうか。
 

瀬をはやみ 岩にせかるる 瀧川の 割れても末に 会わんとぞ思ふ
 

この歌は百人一首という平安時代ベストアルバムにも収録されています。この歌がオチに使われている落語の演目もあります。現代語訳は

「川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。」

恋愛の歌と解釈されますが、作者の崇徳院の悲しい人生を踏まえればこのたった十数文字に自分の人生を重ねたのではないかと歴史ファンが想像できる余地がある好きな歌です。色々書いていますが、僕は和歌はこの歌しか知りません。この歌を知っていれば和歌も、歴史も、落語も知っているような顔ができるのでコスパがいいと言えるでしょう。おすすめの歌です。

 

思い返してみると今に繋がってるなという経験がある。思い出せないくらい小さい頃、僕は地元の駅で何時間でも電車を見ているような子供だったらしい。乗るわけでもなく駅構内から電車が行き来するのを見ていたそうだ。少し大きくなって砂遊びする時、高く盛った山の上から水を流して川を作るのが好きだった。どこへ行くかもわからない水の道に、顔をギリギリまで近づけて砂がけづり取られていく様子を見ていた。兄たちはサッカーが好きだった。地元のサッカークラブが優勝を決めた瞬間のことを覚えている。バカでかいスタジアムに満杯のサポーターが入る。よく知りもしない赤の他人と一つになる瞬間の熱気、振動を全身で感じた。父は車が好きだった。ゴーカートで車の運転の仕方を教えてもらった。小5のとき、クラスのスローガンはスクラムだった。高校時代ラグビー部だったその時の担任の先生とは、休み時間にタグラグビーをした。小6のとき初めてゲームを買ったシムシティというまちづくりのゲームだった。中学の時、4年後のラグビーのワールドカップが日本であることを知った。豊田スタジアムでも試合があるらしい。今のうちからルールを覚えなくてはとたまたまテレビでやっていた日本対南アフリカの試合を見た。高校の部活の顧問は高校の時ラグビー部で物理の授業の時に必ずラグビーの話をしていた。大学に入学して初めて話た東大生がラグビー経験者だった。サッカー好きの兄たちに対抗して自分はラグビーに詳しくなろうとラグビー部を選んだ。大学の授業でシムシティのような研究している学科があることを知った。研究室を選ぶとき、研究室紹介の遊んでいる様子の写真の中にゴーカートをしている写真があって久しぶりにやりたくなって研究室を決めた。人気の研究室だったけど、噂では部室が研究室に近いという理由で僕を選んでくれたらしい。研究テーマは地中の水の道を調べることになった。まさか大学生になって土いじりをすることになるとは思わなかった。
 

将来のことを考えて行動するのが苦手で、その時やりたいこととか、好きなことを選んでやってきた。電車を見ていたこと、砂遊びをしていたこと、ゲームが好きだったこと、担任の先生の高校の時の部活、父の趣味、出会い。そういう些細なものが今の自分の伏線になっていると思う。

正直、ラグビー部での4年間は、大変だった印象が強すぎて、こういうことを学んだとか、こういう面で成長できたとか客観的にまとめると逆に嘘になっちゃうのではないかという気がしてまだできない。まだ3週間くらいあるし。でも、将来振り返ったときこの部での出来事が、今に繋がってるなって思えるときが来たらなと思います。

瀬をはやみ 岩にせかるる 瀧川の 割れても末に 会わんとぞ思ふ

歌の解釈は人それぞれなので「いろんな出会いや経験が、いろんな分野への興味がいずれ将来の自分につながっていて欲しいな」と解釈することもできるのではないでしょうか。さすがにできなそうです。


最後になりますが、部活に関わってくださっている関係者の皆さん本当にありがとうございます。1年生の頃から3年間S&Cコーチとしてご指導いただいた林さんには、多くのことを教えていただきました。一番影響を受けている僕たちの学年が今シーズンいい試合ができたのは全部林さんのおかげだと思ってます。太田さんには、4年間常に道を示していただきました。太田さんがいなければ適当に部活をして、こんなに辛い思いをしなかったのかなと思っちゃう時もありますが、楽しさを知ることもなかったのかと思います。足元にも及ばない無能な後輩でしたが、僕なりに頑張っていたので許してください。飯奢ってください。両親には、年末帰ったときに直接ありがとうをいいます。大学生の私生活に保護者が関わってくるんじゃないよと思って碌に説明もせず、いろんなことを理由にバイトをせず生活費を稼ぐこともせず、ひどい息子ですが、何も言わずに援助してくれました。将来お金が貯まったら、インテリアのこと詳しくなりつつあるので、家のリフォーム監修します。同期や後輩のみんな、特にS&Cセクションの人たちには迷惑をおかけしました。すぐに機嫌が悪くなるし、仕事は遅いし、とてもリーダー向きな人格ではなかったのは自覚しています。自分たちで課題を見つけて解決していくことの面白さを忘れずに頑張ってほしいなと思います。


 

次は東大ラグビー部の特徴として挙げられる、ラグビー未経験者の枠、代表格、河内にバトンを渡します。地元も近いし、家も近いし、最初から仲良くさせてもらいました。1年の時からウエイトを真面目にサボらずやっていて、今では最強になってほんとにすげえなって思ってます。

1年の時、「家に観葉植物置きたいんだよね」と僕が言ったら、「あきらの家は汚すぎるからダメだよ」と言ったのを覚えているでしょうか。今は、僕の家は綺麗になりました。観葉植物も置いています。河内は漫画を読みにうちに来ますが、これは僕の勝ちってことでいいですか?

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