ラグビー部リレー日記 2016/12

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信じる

 written by 上田 崇貴 投稿日時:2016/12/07(水) 23:32


 井上からバトンを受け取りました、4年の上田です。最近引っ越しを済ませ、引退が迫るのを実感しつつあります。最後のリレー日記ということで、今年を振り返ってみようかと思います。
 
 
 シーズン当初、私はチームと自分への期待でいっぱいだった。パスラグビーがチームの戦術となり、楽しいラグビーができる。最上級生になり、自分がやりたいプレーができる。今年こそは一橋に借りを返す。もっと強くなって上手くなって、対抗戦Bグループで一番のFBになる。
 
 しかしそれ以上に不安があった。先輩の抜けた穴は埋められるのか。パスラグビーなんか東大ができるのか。他のチームが去年より強くなったらどうしよう。対抗戦で全く勝てなかったらどうしようか。自分はチームを引っ張っていけるのか。先輩と同じく悔いを残したまま引退したくない。
 
 春の成城戦で大敗したときは絶望した。この試合でいい試合ができないと対抗戦なんかで勝てない、ということで棚橋と意見が一致していたからだ。成城とのこんなに大きな差を埋めることなんかできない、ましてや明学・立教は言うまでもない、と考えていた。
 
 しかし対抗戦はいずれやってくる。この状況を打破しなければならない。この気持ちに打ち勝たなければならない。そこで私は、大変無責任にかつ突拍子に聞こえるかもしれないが、ひとまずチームを・自分を信じてみることにした。
 
 正確には信じることしかできなかったのだろう。何度考えても対抗戦で勝てる絵が想像できなかった。どうやったら勝てるようになるのかもわからなかった。だからすべてを信じて、自分ができることを頑張ることにした。一日一日を大切にして練習に全力で取り組むようになった。
 
 そうすると、意外にも頑張っているうちに徐々に可能性が見いだせるようになっていった。定期戦シーズンに入り、試合を経るにつれて、自分が・仲間がどんどん成長していくのが、東大ラグビー部がどんどん強くなるのがひしひしと感じられたからだ。半年の間にこんなにも成長できるのかということに気づけた。
 
 夏合宿を終えたころには、シーズン当初に感じていた不安なんかどこかに飛んでいき、自分とチームに自信と誇りを持つようになっていた。早く対抗戦でほかのチームと戦ってみたいと思うようになっていた。なにより東大ラグビー部の一員として戦えることが本当に嬉しかった。
 
 対抗戦は戦績だけを見ると3勝4敗で終わり、目標は達成できず、例年並みの結果で終わってしまった。しかし、チームとしては、去年まで手も届かなかった、明学や立教といった入れ替え戦出場チームに互角の試合ができ、また私としては、自分の一番好きな試合が2年前の立教戦から今年の成城戦に変わったということもあり、個人的には手ごたえを感じている。
 
 もちろん、いい試合をしても勝たなければ意味がない、という意見も理解できるし、実際私自身結果を残したかったと思っている。やはり、今年のチームはここ数年で一番強い、ということを明示したかった。今までの自分たちの努力を結実させたかった。しかし、誰がどう思おうと自分の心の中では、今年の東大は強かった、という思いは一生揺るぐことはない。東大ラグビー部が大好きだということも変わることはない。そう思えるだけで十分だと思う。
 
 あと1試合京大戦が残っているので、今までで一番いい試合をして最後は気持ちよく引退したい。そうなれば、悔いはない。
 
 
 最後になりますが、私はチームを信じることしかできなかったので、今年の東大ラグビー部が成功したのは、紛れもなくチームを導いてくださった監督・コーチのおかげだと思っています。この場を借りて感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
 
 
 最後までお読みくださりありがとうございました。次は、高校の先輩なので敬語の使い方にまだ私が戸惑っている尾崎さんに回します。よろしくお願いします。
 

最後の一戦に向けて

 written by 井上 啓太 投稿日時:2016/12/05(月) 18:59


稲垣からバトンを受け取りました、4年の井上です。


先日、名古屋大学山之上グラウンドにて名古屋大学との定期戦が行われた。対抗戦が終わってから1週間しかなく、また怪我人や病人も多くチーム状況は困窮していた。
そんな中、私は本職のCTBとは異なるWTBでのスタメンとして出させていただいた。これまで今シーズンの対抗戦を戦い抜いてくれたWTBの江崎や三浦が怪我・病気で、B3の人数が足りなくなったことが原因だった。
対抗戦で1度もスタメンとして出場できなかった悔しさを爆発させるつもりで試合に臨んだ。
私は、江崎のようなキレのあるステップが切れるわけでもなく、三浦のように柔軟な発想でコールしたり自由なランができるようなプレイヤーではない。
それでもスタメンとして、4年として、今まで練習してきた自分ができることを全力でやる。ただそれだけだった。


試合の結果は数字だけ見ると38-10で大差で勝利した。しかし、後半のスコアだけ取り上げると0-5で負けてしまった。
試合前半は、相手に先制トライを取られたものの、そこから修正することができ、相手ボールのターンオーバーから、自分たちのやりたいラグビーで点を重ねることができたように思う。
しかし試合後半、うまく攻めきれず点が取れなかった。点が取れないことでチームに焦りや苛立ちの雰囲気が流れ始めた時、その空気を変えることができなかった。4年として、グラウンド全体を見渡すことができるWTBとして、的確な判断や声を出すことができなかった。

そのことが何よりも悔しかった。

今シーズンの初めに書いたリレー日記で「受動から能動への変化」を目標にすると書いたが、この試合で能動的に動くことができたかと問われると、「はい」とは答えられない。結局変わりきれていないのが現状だ。



しかし、幸いなことにまだ変われるチャンスは残っている。
最後の京大戦、4年間の集大成としてA戦であろうがB戦であろうが、悔いの残らない試合にするために、全力で暴れまわりたいと思う。そして必ず勝つ、とここに宣言したいと思う。



最後に、東大ラグビー部を応援・協力してくださった皆様に、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。最後の一戦、また来年以降の東大ラグビー部を何卒よろしくお願い致します。



最後までお読みいただきありがとうございました。次は上田にバトンを回したいと思います。

 

最後まで意地と我儘を

 written by 稲垣 雄貴 投稿日時:2016/12/03(土) 21:16

鎌田よりバトンを受け取りました。4年の稲垣です。

 「体を張る」という言葉を今年何度も口にした。4年生として、CTBとしてその必要性を感じ、実践しようとしてきた。単純な言葉の中に覚悟を込めたつもりだった。チームのために勝利のために、とにかく走ってタックルをしてブレイクダウンでファイトする。そうしようとしてきた。
しかし結果は出せなかった。勝利を得られなければチームや応援してくださる方々の期待に応え、責任を果たせたとは、体を張れたとは言えないだろう。 

 ラグビーを始めてからずっと、エースになりたかった。チームの苦境にトライをとり、流れを変えるスーパープレーヤーになりたかった。誰よりも速く、強く、巧く走りたかった。経験を積み、自分はそんなプレーヤーにはなれないとわかり、自分のできることでチームに貢献しようと決意してからも、憧れは消えなかった。きっと「体を張る」という言葉は自分に言い聞かせていたのかもしれない。でもそれすら実現できなかった。
そして、このチームのエースは、トライゲッターたちは、責任を果たしてくれた。数少ない白星をもぎ取ってくれた。苦境で誰よりも体を張ってくれていた。
対抗戦を終え、不甲斐なくて仕方ない。子供のような憧れも、大人になったつもりで負おうとした責任感もどちらも中途半端だった。
 
 そんなことを考えていたここ最近、「体を張ってきてくれた4年生のために」という言葉を聞く機会が増えた気がする。今シーズンついてきてくれた後輩たちから発せられるその言葉がただただうれしかった。敗者の言い訳・きれいごとではあるかもしれないが、記録ではなく記憶に残るチームになれたのかと思い、報われた気持ちになった。自分の向いていた方向は間違っていなかったのだと思った。
 
 残りの公式戦は2試合。悔いてばかりいてはもったいない。最後だからこそ、責任も果たし憧れも追おうじゃないか。最後まで体を張り、4年生としての意地を後輩に見せる。そしてプレーヤーとしても成長し、少しでも自分の理想のプレーヤーに近づく。これまでは同期のことは本当に信頼しているからこそパスを出したし、活躍してくれたのを誇りにも思うが、そろそろ私だってトライをしてみたい。最後くらいトライをとらせてもらう。
 
 最後になってしまいましたが、今まで東大ラグビー部を応援し支えてくださった皆様、対抗戦で結果という形で恩返しすることができず申し訳ありませんでした。残りの2試合、棚橋組として最高の試合を見せたいと思います。今度こそ記憶に残るプレーで恩返ししたいと思います。もう一度、応援よろしくお願い致します。
 
駄文お読みくださりありがとうございました。次は井上にバトンを渡します。
 
 

先輩

 written by 鎌田 明宏 投稿日時:2016/12/02(金) 20:49

先日、イケメン東大生として雑誌に掲載されていた江崎からバトンを受け取りました、二年の鎌田です。
彼のルックスに関しては羨ましい限りです。

前回(7月)のリレー日記では後輩について書かせていただいたので、今回は四年生の先輩方について書こうと思います。


今年の四年生は偉大でした。

四年生の誰しもがチームのことを思い、最前線で体を張っていました。
私はスイカのジャージをもらい、一緒に戦うメンバーでありながらも、何度も感動させられたことをよく覚えています。
対抗戦に加え、定期戦や練習試合での雄姿は鮮明に残っています。
思えば、普段の練習も、きついとき、苦しいときに声を出していたのは四年生でした。
私たちは無意識に四年生に頼りきっていたのかもしれません。

そんな四年生とともにラグビーができる時間も、気づけば残り三週間となってしまいました。

残された時間で私たちができることは何でしょうか。
先輩方への感謝、来年は自分たちが上級生になるという自覚。
挙げればきりがないことかもしれません。
あまりにも駆け足で過ぎ去ってしまった対抗戦シーズン中、考えることができなかったこと。
残された短い時間の中、時間の限り考え続けたいと思います。

次回からは四年生が一人ずつ書くそうです。まずは稲垣さんにお願いしたいと思います。

対抗戦を終えて

 written by 江崎 敬 投稿日時:2016/12/01(木) 00:45

東大の隠れミスター候補(自称)の石川からバトンを受け取りました、二年の江崎です。

 

つい先日、二か月半ほど続いた長い対抗戦シーズンが終わりました。まずは、シーズンを通して東大ラグビー部を応援してくださった皆様、温かい応援ありがとうございました。良い結果として恩返しすることはできませんでしたが、皆様のご声援が非常に力になりました。

今回のリレー日記では対抗戦を通して自分なりに思ったことを書きたいと思います。

 
 

対抗戦はどの試合も肉体的、精神的に本当にタフなものだった。まず、対抗戦はコンタクトレベルが練習試合、定期戦のそれと比べて格段に上がる。どこのチームもタックルに迷いがなく、とにかく体をぶつけてきた。ブレイクダウンでも同様だ。大外で抜けた時はすぐそこにバッキングの選手が来ている。一つ抜けてもまた次から次に人がわいてくるような感じだった。絶対に勝たなければいけないというプレッシャーから、精神的にも削られる。いつもより息が上がるのがずいぶん早かった。ゴール前までせめてトライをとれなかったとき、立て続けにトライを取られたとき、膠着状態で刻一刻と時間だけが過ぎていくとき、、普段ならそんなに焦る必要もないようなところで焦ってしまう。頭ではわかっているけどなかなか立て直せない。

 

こういったコンタクトの圧力や対抗戦独特の緊張感によって奪われたのは思考力だった。思考ができないと声が出せなくなった。うまく内側とのコミュニケーションがとれず単調な攻めしかできなかった。自分のところに呼べばチャンスだったところを呼べなかった。特にBKにおいてコミュニケーションが生命線なチームだっただけに大きな迷惑をかけた。

 

しかし対抗戦も後半になるにつれてこの感じにも慣れて、思うようにプレーできた部分も多々あった。やはり、対抗戦に“慣れ”は必要だと思う。今年は先輩方に頼り切りだったけど来年は自分が緊張している仲間を引っ張っていきたい。

 

最後にもう一つ、対抗戦では小手先のプレーは実際ほとんど通用しなかった。うまくいったのは、春からずっとやってきて体に刷り込まれたプレーだけ。あたりまえだけどすごく大切なことを体感できた。

 

今年の対抗戦では目標に届かなくて、いかなるときも引っ張ってくれた四年生には申し訳なさがいっぱいだけれど、やり直すことはできない。これを糧にして来年いい結果を残すことが四年生への恩返しに少しはつながるんじゃないかという気持ちでこれからも頑張っていきたいと思う。
 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。次は異常なバイタリティーの持ち主である同期の鎌田にバトンを渡します。

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先輩
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対抗戦を終えて

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