ラグビー部リレー日記

匂い

投稿日時:2021/03/15(月) 18:00

甲斐さんからバトンを受け取りました、3年スタッフの伊藤若菜です。「怖い」が代名詞の甲斐さんですが、裏では後輩からも甲斐ちゃんと呼ばれているようで(断じて私ではありません)、本当は親しみやすく優しい先輩だと思います笑
その後橋野とは仲良くなれましたか。リレー日記の順番、甲斐さんと橋野との間に挟まれたことに何かを感じずにはいられません。

 


近ごろ、沈丁花をよく見かける季節になりました。沈丁花は、春になると白と濃いピンクの小さな花をたくさん咲かせる低木です。愛らしい見た目はもちろんですが、私は特に沈丁花の匂いがとても好きです。沈丁花は公園や道端など比較的どこにでも咲いてよく香るので、誰にとっても「春の匂い」の1つとして馴染みのある匂いだと思います。(沈丁花の香り高さは、夏の梔子、秋の金木犀と並んで日本の三大香木とも称されるそうです)


いつか、同期の三方くんが「音楽には聞いていた当時の記憶や思い出を呼び起こす力がある」とリレー日記で書いていました。これに関して異論は全くありませんが、私にとっては匂いというものも、音楽と同じようにいろいろな記憶や感情などを思い出させてくれる大切なものです。
たとえば、実家から届いた荷物を開けた瞬間、段ボールの中から実家の匂いがすると寂しいような懐かしいような、無性に実家に帰りたい気持ちになります。また、久しぶりに母校を訪問したときの下駄箱や教室、職員室の独特なにおいも、当時を鮮明に思い出すきっかけになります。


中でも、「季節の匂い」というものは年に1回決まった時期に必ず香るもので、毎年のその時期の記憶が何重にも塗り固められたものだと思います。前述した沈丁花は「春の匂い」なのですが、私が毎年この匂いをかいだ時に想起する感情は決まって不安と期待です。(匂いが先か感情が先かはよく分からないところではありますが)
正確には、不安7割、期待3割くらいでしょうか。小学校までは転校が多かったので、この時期は必ずお別れと新たな出会いの季節でした。まだ見ぬ友達にわくわくしつつも、新しい学校に溶け込めるかという不安が心の大半を占めていました。中高ではクラス替えや受験と重なり、やはりこの季節は不安7割、期待3割くらいの気持ちで過ごしていました。


そして今。つい1週間ほど前に、今年初めて沈丁花の香りに気づきました。またこの匂いを感じる季節になった今、自分がどのような気分でいるのかを考えてみると、やはり今年も変わらず不安7割、期待3割くらいです。今年から就活や予備試験がだんだんと現実味を持ち始めることに対する漠然とした不安ももちろんありますが、現時点で一番現実味を持って心を占めているのはやはり部活関連のことでしょう。
私たちは今年スタッフの最高学年となりますが、私は幸いなことに優秀でやる気に満ちた同期スタッフに数多く恵まれていますし、彼らの有能ぶりをこれまでしっかりと目にしてきているので、スタッフ組織それ自体に関してはあまり不安はありません。仮に紆余曲折があったとしてもきっと全員で協力して上手く切り抜けていけると信じています。
ただ、私個人に関して言えばそれほど楽観視はしていられません。去年の最上級生スタッフだった3人の先輩方は、私が入部した時には今の私と同じ新3年生でした。しかし、1年生の時の私が見ていた先輩方は、能力的にも人間的にも、そしてそれらが醸し出す雰囲気も、今の私よりもっとずっと「上級生」でした。あの頃の先輩方にもう学年が追いついてしまったことが、考えても考えても本当に信じられません。とは言っても、そろそろ未来の後輩スタッフになるかもしれない1年生たちに対面する日も近づきつつあるので、嘆いてばかりでもいられません。単に学年が上がったからというだけではなく、名実ともに「上級生」になれるように、そして先輩方がいた去年までに劣らない、もしくはそれ以上のクオリティのものを部に対して提供できるように、なおかつあわよくば後輩スタッフの目に「1年生の私が見た3年生」のように映れるように、気を引き締め直して今できることを着実にやっていきたいと思います。
特に、私は何かを少しやっただけで頑張った!疲れた!休憩!(休憩のほうが長い)となってしまう節があるので、今年はより一層自分に厳しく生きていきたいと思います。




次は、2年生の橋野に回します。試合では体がバラバラになってしまうのではないかと思うくらい捨て身の迫力あるタックルをする橋野ですが、普段は天然な雰囲気もあるようでそのギャップが好きです。その後、甲斐さんとは仲良くなれましたか。それだけが心配です。

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2024年11月

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