ラグビー部リレー日記

漢方のすすめ

投稿日時:2024/10/29(火) 18:15

鵜木くんからバトンをもらいました、4年の森田です。

鵜木くんはいつもおしゃれなお洋服を着ていて、特にメゾンキツネとポロベアの動物シリーズがかわいいです。また買ってもらったら見せてください。

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今、「東洋医学・代替医学」という授業を受けています。いらすとやは少し飽きてきたので、この授業について書きます。

東洋医学の授業は4年生の11月に3時間しかないのですが、これまでの常識が覆されて面白いと代々評判の授業です。

今日も、ツムラ医療用漢方製剤の手帳(ポケット辞書)のようなものが全員に配られたり、山椒や人参、甘草などの生薬が入った瓶、試食用の色々な漢方薬、置き針が順番に回ってきたりして贅沢な感じです。

試食用の漢方薬は紙コップに入れて配られ、みんなでスプーンですくってなめています。
5種類回ってきましたが、31番の呉茱萸湯という漢方が特に苦くてびっくりしました。匂いは普通だったのに、数粒なめただけでしばらく不快でした。
先ほどもらったポケット辞書によると、習慣性偏頭痛、習慣性頭痛、嘔吐、脚気衝心に効果があるようですが、私にはどの症状もないのでなんだか損した気分です。

この漢方のテイスティングだけでなく、講義の内容も評判通り興味深く、これまで習ってきた西洋医学とは全く異なる概念に触れることができ楽しかったです。

漢方医学の歴史

漢の時代、中国で成立した三大古典「黄帝内経」「神農本草経」「傷寒論・金匱要略」により、中国の医学が体系化されました。この中国医学が紀元5世紀ごろに日本に伝来し、それから1500年以上かけて日本独自に発展した伝統医学が漢方医学だそうです。
ちなみに、今薬価収載されている医療用漢方製剤の半数以上が「傷寒論・金匱要略」からの処方だそうです。約2000年前と同じ成分が今も効くというのはなんだかロマンを感じます。

漢方医学の強み

そんな漢方医学の得意分野は、機能的異常を主とする疾患や、虚弱体質、手術などの現代医学的治療が難しい例などです。漢方医学を取り入れると、西洋医学が苦手な分野を補完することができ、治療の幅が広がります。
中国や韓国では、西洋医学のライセンスと東洋医学のライセンスが分かれていますが、日本では同じなので、ひとりの医師が東西の医学の得意分野を活かした診療をすることができ、治せる患者さんも格段に増えるそうです。

私も少し前に皮膚科を受診した際、まず普通の塗り薬を処方されましたが、再発を繰り返していたため追加で漢方も処方されました。漢方を飲むのが初めてだったので半信半疑でしたが、毎食6錠ずつコツコツ飲んでいるとかなり治ってきた実感があり、うれしい限りです。

漢方医学の独特の概念

最近自分でも飲み始めたとはいえ今日まで漢方の知識は皆無だったので、この授業ではじめて東洋医学の独特の考え方と出会い、衝撃を受けました。とにかくたくさんの難しい言葉が出てきました。

東洋医学は、心身一如~個々の症状ではなく心身を合わせて捉えること~を基本とした全人的医療で、 中庸のずれ~バランスの崩れ~を修正することで治療する、という考え方の医学だそうです。
自覚症状のある患者さんに四診をして、~漢方における診断~を決定し、随証治療~証に合わせた治療~を行います。

ここで四診とは、
望診:顔色や舌を見る診察
聞診:聴覚や嗅覚による診察(声の張りや咳、体臭など)
問診:丹念な全身状態の聴取
切診:身体に触れて行う診察、脈診や腹診
のことです。

四診により全身状態を正確に把握でき、証の決定に役立つだけでなく、何よりも丁寧な診察を受けた患者さんが非常によろこばれるそうです。最近「こちらの顔を一切見ず、パソコンばかり見ていた」という低評価の病院の口コミをよく見るので、やはり目を見て全身を丁寧に診察することは大切なんだなと思いました。

また、東洋医学は心身のアンバランスを病気の原因と捉えますが、そのものさしとして、

  1. 陰陽
  2. 気血水
  3. 六病位
  4. 五臓

など、これまたおもしろい概念がたくさん出てきました。

1. 陰陽
陰陽は漢方で最も大事な考え方だそうで、その下位概念として虚実、寒熱、表裏の3つがあります。

まず陰陽について、新陳代謝が低下している場合が陰、活発な場合が陽です。
虚実は病勢を表し、虚は抵抗力・反応力の低下、実はこれらの充実です。
寒熱は病気の性状を表し、寒は温めると改善する冷えた病態、温は温めると悪化する熱のある病態です。
表裏は病気の位置で、表は身体の表層部、裏は深部です。

日々細かすぎる疾患の病態や血管の走行などをがんばって覚えているのに、東洋医学ではこんなにスッキリまとめられてしまうのかと思うと、なんだかやるせないです。

2. 気血水
気血水は生体の恒常性を維持する3要素で、バランスが保たれていれば健康な状態ということになります。

は生体をめぐるエネルギー、は全身に栄養を与える血液、は血液以外の体液のことです。
どれかが不足するとバランスが崩れ、様々な症状が現れます。

例えば、ラグビー部に多い筋痙攣(足の攣り)は、血が不足している血虚によって起こるとされます。この場合、代表的処方薬として芍薬甘草湯という漢方があります。
芍薬甘草湯は、マラソンの併走ドクターやスキーのインストラクターが常備しているような、即効性のある薬だそうです。ネット情報によると平均6分で効くらしいです。市販薬にも配合されたものがあるので、よければ試してみてください。

3. 六病位 4. 五臓
六病位は、太陽病、少陽病、陽明病、太陰病、少陰病、厥陰病の6つ、五臓は肝、心、脾、肺、腎の5つで、それぞれ色々と説明があったのですが、何が何だか分からなくなってきたと思うので、このあたりでおわりにします。

ここ数日、皮膚科でもらった漢方薬を飲むのをさぼっていましたが、これを機にまたしっかり飲んで健康維持に努めたいと思います。
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次は、2年スタッフの広常に回します。

広常はいい意味で東大生らしくなく、親しみやすくて社会性のあるいい後輩です。いろいろと気苦労も多いと思いますが、来年以降も自分らしく楽しんでほしいです。

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