ラグビー部リレー日記 2019/6

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スクラムの奥深さ

投稿日時:2019/06/24(月) 20:26

最近は必ず週1で一緒にご飯を食べる同期の杉浦からバトンを受け取りました、2年の岩崎です。

紹介にあった通り車校で苦労する程度の不器用人間であるとは自覚しています。笑

 

春シーズンも終わりが近づき、あと2週間となりました。今シーズンの変化として、昨シーズンやっていなかった左プロップ(1番)にも挑戦しています。そこで、今回は今シーズン散々組んだスクラムのことについて書きたいと思います。

 

スクラムの練習はある種の研究に近い、と僕は思う。これについてはフロントの先輩とも話したことがある。上肢の使い方はそのままにして、重心のかけ方だけを変えて組んでみて、その前の組み方とどうだったか、まるで対照実験をするかのように練習をすることもある。

 

遠くから見るとただのFWの塊であり、押し合いにしか見えないスクラムは、思っている以上に奥が深い。毎回の練習では必ず、本当に細かな修正点が見つかる。体の一部位の使い方を変えるだけでも勝ち負けが変わることさえある。さらに、1番、2番、3番は一口にフロントローと言っても、各々の役割は全く異なる。僕の経験から言うと、1番はテクニックを求められ、3番はタフさが求められる。また、スクラムでしか用いられない専門用語も存在している。

 

ラグビーの試合の中での駆け引きは、スクラムの中にも存在している。いやむしろ、スクラムの中の方が重層的で複雑だと言ってもいいくらいだと思う。足の置く位置、左右の足の重心の比率、フッカーとのバインドの仕方、胸の開き具合、クラウチした時の角度、バインドの時どれくらいの位置を持ち、どのくらい相手に体重をかけるか。組んだ後は、いかにして相手と首を取り合うか。こうした一個一個の局面をクリアしていくことが強いスクラムを組むカギであり、自分の体を思い通りに動かし、相手の特性を見て変化を加えていくことも必要になる。つまり、自分との戦いでもあると同時に相手との戦いでもある。勝負強さが求められる。

 

FWのセットプレーではよく「安定」が求められる。しかし、(特に強豪校よりも体重が少ない東大の)スクラムでは「安定」よりも「攻め」が大切になってくる。「攻め」ることによって、初めて「安定」がもたらされる。これはスクラムの醍醐味の一つだろう。

 

3番から1番もできるプレーヤーになるにあたって非常に苦労を重ねたし、今も1番はまだ満足のいくクオリティでできていない。正直言ってスクラムは難しい。でもだからこそ、こだわりつづけることができるし、スクラムで勝てた時は無上の喜びがある。それ以上に、スクラムに勝つことはチームの勝利に直結するので嬉しい。

 

スクラムは真剣勝負であり、その人の強さ・経験値がモロに出る。実力がものを言う。負けた方は必ず相手に比べて実力が劣っていることが示されるものだと思う。これからも日々の練習を大切にし、不器用ながらも経験値の積み上げを意識して「勝てる」プレーヤーになりたいと思う。

 

まとまりのない文章になってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。

 

次は常に笑いをストイックに求めている同期の北野に回したいと思います。

 

伸びしろ

 written by 杉浦 育実 投稿日時:2019/06/23(日) 21:01

入部時、僕とシルエットが似ていたことからお兄ちゃんと呼ばせていただいていた3年生フロントローの山口さんからバトンを受け取りました、2年バックスの杉浦です。

先日、肉離れでの長期離脱から復帰しました。部員やOBの皆様には、ご心配やご迷惑をお掛けしました。まだコンタクト練習は控えていますが、コンタクトまで完全に復帰できるまであと少し無理せずしっかりとトレーニングに励んでまいります。

さて、このリレー日記では、ラグビーを小さい頃から続けてきた自分の今後の伸びしろについて離脱期間に考えたことを書こうと思います。


昨年の僕は1年生という事もあり、東大ラグビー部の環境に慣れ、その中で良いプレーすることに一生懸命だった。自分が上手くなって良いプレーをすることばかりにこだわって練習していた。

だがこの1年間を振り返ってみると、ラグビー歴が長い僕は、当然のことかもしれないが、他のみんなに比べて伸びが小さかったように感じる。
確かに、必死に取り組んだフィットネスやウェイトトレーニングといったフィジカル面は数値としてみんなと同じように成果が出た。
しかし、未経験や高校からラグビーを始めたチームメイトの成長と比べるとスキルの面においては明らかに成長スピードが遅かった。

誰よりも長くラグビーをやってきたからこそ、負けたくないし、負けられない。
自分に残された伸びしろは何なのか必死に考えた。

最近になってようやく1つの考えにたどり着いた。
「上手く、そして強くなった先の目標はチームが勝つことである。」ということだ。

僕はずっと自分が上手くなる事に目を向けていた。
でも、たとえ僕がどんなに上手くなったとしても、僕個人が少し強くなるだけに過ぎない。
ましてや、伸びしろがあまり残されていない僕の成長なんてたかが知れてる。

だったら、少しでも他のチームメイトの成長に貢献した方がチームとして強くなれるんじゃないだろうか?
ラグビーはチームスポーツで、なおかつフィールドに立てる人数も1チーム15人と他の競技に比べても多い。
極端な話、僕一人が1.1倍強くなるために必要な時間と労力でチームのみんなが1.1倍ずつ強くなれるならそっちの方が明らかに効率がいい。

だから、最近は以前よりも練習中のフィードバックに力を入れたり、グラウンド外でも練習ビデオを見てさらに細かいフィードバックをしたりするようになった。

こんな事を言うと自分が成長するのを諦めたかのように聞こえてしまうかもしれない。
しかし、不思議なことに他の人に注意を向けるようになってから自分の悪い癖に気がつけるようになったと思うし、自分の成長スピードも上がってきている気がする。

あくまでもラグビーはチームスポーツなのだからいくら1人が上手くなっても、結局はチームで勝たなければ仕方がない。
個人だけではなく、チームとしての伸びしろに全力を注いで、チーム一丸となって今年の目標「入替戦出場」を達成しよう。


勢いで書いたまとまりのない文章に最後までお付き合い頂きありがとうございました。

余談ではありますが、僕は小学6年生から変わっていない165センチの身長にもまだ伸びしろがある事を信じています。

次は、デッドリフトで無類の強さを発揮する同期の岩崎にバトンを回します。
とても真面目な彼ですが、自動車学校での技能教習には苦戦しているそうです。

ピカソの絵

 written by 山口 恭平 投稿日時:2019/06/21(金) 19:58

部内随一の行動力を誇り、凄い先輩なのになぜかいつも一部の二年生にいじられている濃野さんからバトンを受け取りました、三年の山口です。



 



 



僕は子供のころ、絵というものが好きだった。おえかき教室に通わせてもらっていたこともあり、もちろん絵を描くのも好きだったが、絵画のもつ不思議な魅力や雰囲気が面白く、絵を見るのもそれ以上に好きだった。



 



そんなこともあって、美術館に行ったり、子供向けのアートブックを買ってもらったりして色々な絵を楽しんでいたが、その中でも少年の頃の僕が好きだったのはピカソの絵だった。



 



カクカクの顔や、へんに散りばめられた顔のパーツ、独特の色使いなどピカソの絵は奇妙なものが多かったが、他の画家とは違う独特さが幼い僕には面白かった。そしてピカソは、僕の中で変てこな絵を描く画家として記憶されていった。



 



それから数年後、たまたま見ていた美術の教科書で久しぶりにピカソに出会った。絵が好きだった子供の頃を懐かしく思いながら作品を見ていると、ピカソらしいあの奇妙な絵に混じり、ピカソらしからぬ写実的な、いわゆる上手い絵が掲載されていた。説明を読むとその時の自分と同じ年齢くらいに書いた絵だという。ピカソは変な絵を描くというイメージとのギャップもあり、このピカソの”普通の上手い絵”は強く記憶に残った。また、普通の絵を描ける上であの奇妙な絵を描くピカソを改めて面白いと思った。



 



そして最近。何事もまず基本がなければ応用していけないと言う、守破離の話を聞いていた時にふと、この”ピカソの普通の絵”を思い出した。ただ変てこな絵を描き続けただけでは、世界的な画家になれるはずがない。ピカソの、他に類を見ないような奇妙で独特な絵というのも、普通の上手な絵を描くことが出来る基礎的な技術力の上にあるものなのだ。



 



春シーズンももう終盤。秋シーズンになったら基礎だけに注力できない時期がくる。一見つまらない基礎練習にこそ未来の成功、オリジナリティにつながる可能性が詰まっているのかもしれない。そう信じて基礎を積み重ねていきたい。



 



最後まで読んでいただいてありがとうございます。



次は最近あまり似ていると言われなくなった二年の杉浦にバトンを回します。



 

チームを作る側

 written by 濃野 歩 投稿日時:2019/06/16(日) 19:00

ぼくに羨望の眼差しを向けてくれる下條からバトンを受け取りました。濃野です。

 

「チームを作る側」になるというのは難しいなあという話を書きます。

 

 

 

 

4年生になってから圧倒的に後輩と過ごす時間が増えた。単純に後輩が増えたからというのもあると思うけど、それを差し引いてもかなり増えたと思う。

 

大抵はしょうもない話をするけど、たまに真面目な話をしたりもする。練習メニューのこととかチーム状況のこととか、試合後の反省とか。

 

そこで1番感じるのは、後輩に支えられてんなぁということで、この場を借りて感謝したい。1年生は元気はつらつやし、2年生は自分が2年の時よりチームのことを考えてるし、3年生は本当に頼れる集団だと思っている。

 

うちのチームは本当に下級生がたくましいと思う。別に他のチームと比べたわけじゃないから主観でしか語れないけど、今年の後輩たちは「4年生っぽい」。「4年生っぽい」ってのは要するに「チームを作る側」ということで、今年の下級生は「こっち側」が多いと思う。

 

「チームを作る側」になるのはめちゃくちゃ難しいと思う。チームの課題が露わになった時、チームが上手くいかない時に自分にベクトルを向けて「自分にできることはなんだろう」と問いかけることが出来る人間は、そんなに多くないし、人は弱い生き物だからついつい自分以外の誰かにベクトルを向けて、誰かを批評してしまうし、オレなんかしょっちゅう「お前もちゃんとやれよ~」と他人にベクトルを向けてしまう。

にもかかわらず、今年の下級生は「いまの自分たちに出来ることはなんだろう」と一生懸命考えてくれる。これ以上ないくらい頼もしい。節々から「チームを作る側になる」というメンタリティで取り組んでくれているのが分かる。その中で、オレの1番好きなエピソードは5月中旬のレクリエーションのことだ。

 

毎年うちのチームの課題として1年生と2.3.4年生との間に壁があるということが挙げられていて、なんとかしたいなぁという話を3年生の山口と話してた。原因は明確で、1年生は「ジュニア」として、上級生の「シニア」とは別々に練習するからというのは分かっていた。普段の関わりがないから自然に壁が出来てしまっていた。そこでまずは、1年生の歓迎も兼ねてレクリエーションをしようと思いついて、チームビルディング係のオレが率先して企画して「みんなが盛り上がるレクにしよう!」と気合い入ってたら、山口に「いや、ここは3年生にやらせてください」と止められた。

 

山口は「3年生だけでレクを0から作ることで、3年生も上級生として何ができるか考えて、上級生の意識をより高く持つ機会にしたいです。」と言ってくれて、オレは心の底から山口ってすげえなと思ったし、「3年生も“チームを作る側”になれるように頑張ります」とまで宣言してくれた時には「今年はまじで良いチームになるぞ」と嬉しくなった。実際レクも楽しくて1年生との壁が小さくなったと思うけど、それ以上に3年生の「チームを作る側になる」という気概が伝わってきてめちゃくちゃ嬉しかった。山口中心に3年生が一丸となって取り組んでたのが手に取るように分かったし、周到な準備を積んできたんやなというのがひしひしと伝わってきた。

 

実際このレクの後にチームの中で「チームを作る側」の人間が増えたと思う。練習への取り組み方とか練習後のフィードバックの質とかリレー日記の内容とか、全てにおいて感じる。「チームを作る側」の人間は誰かを批評するんじゃなくて、自分にベクトルを向けるからすぐに見分けがつく。山口以外にもここには書ききれないくらいたくさんいる。オレももっと「チームを作る側」になれるようにもっと自分にベクトルを向けよう。

 

特に根拠はないけど、なんとなく今年もいけるんじゃないかとふと思う時がある。練習プランとか戦術プランから湧いてくる自信とは別に、チームの雰囲気に関する自信がたまに湧いてくるときがある。「学生スポーツにおいてチームを作るのは4年生」と一般論で語られるけど、オレらは「チームを作る側」が下級生にもたくさんいることが強みであり、そういうチームの方が上手くいきそうな気がする。もちろん4年生も引き続き頑張るけど、それに加えて下級生の成長が頼もしい。だから、なんとなく自信が湧いてくる。

 

次のリレー日記を書く頃には「なんとなく自信が湧いてくる」が、「自信が確信に変わった」みたいなことになってれば良いなぁと思う。というか、そうなるようにオレは「チームを作る側」として“チームビルディング”する義務がある。だから、もっと自分にベクトルを向けていかないといけない。

自分にベクトルを向けてると「こんなにやってるのになんで上手くいかんねん!」って叫びたくなる時が何度もあるし、大抵そういう時はやってる「つもり」に過ぎないことに気づいて情けなくなるし、「ちゃんとやってない人がいるからじゃね?」って誰かに原因を探し始めそうになるし、そんな自分が嫌になってくるし、「オレってしょうもない人間やなぁ…」って悔しくなる時もある。全部放り出して誰かに任せて、自分は第三者目線でヤイヤイ外野から口出しするだけのポジジョンになりたいと思う時もある。そりゃそうだ。だって、そういう「こうするべきだ!」と正解を振りかざすだけなら誰だってできるし、めちゃくちゃ楽だし、自分の身を安全に保てる。だって正解だけを言っておけば、誰も反論できないから。でも、本当にオレがやるべきなのは「どう正解へ持っていくか」であり、それこそが「チームを作ること」だと思う。自分を第三者的ポジションではなく、渦中に置くことが大事だと思う。
いやあ、分かってるんだけど、これがやっぱり難しいんだなあ。

 

あと半年でオレはどこまで成長できるだろうか。

こんなしょうもない人間でも、どんなときもちゃんと自分にベクトルを向けて「チームを作る側」としてチームに貢献できる人間になれるだろうか。

 

逆にいうと、今が1番成長するチャンスやなぁ、と書きながら思った。これはこれで楽しいような気がしてきた。半年後の自分にちょっとわくわくしてきた。

 

 

ちなみに次は2年生中心に「スタッフとプレーヤーの垣根を無くす」というテーマで夏にレクを開催してもらいます。2年生にはスタッフがいなくて、スタッフの大切さを1番分かっている代です。めっちゃ期待してます。一緒に「チームを作る側」になりましょう。

 

次は、山口にバトンを渡します。彼の紹介はもう十分だと思います。

Rugby will refresh the world

 written by 下條 裕人 投稿日時:2019/06/12(水) 22:58

最近ボクササイズで結果にコミットしたらしい同期のあやのちゃんからバトンを受けました4年の下條です。

いつもキラーパス的紹介をされるので今回もかとヒヤヒヤしていましたが、機嫌が良かったのか普通の紹介で安心しました。







僕はとても影響されやすいタイプである。鶏胸肉がいいのだと言われるとほぼそれしか食べなくなるし、周りに関西のやつが多いとなんかエセ関西弁的なのを喋ってしまうし、面白い映画を見た後そのBGMを当分口ずさんでいるし、好きな芸人をつい真似することもあるし、よく一緒にいる友達の口癖をいつのまにか話しているなんてこともある。

「批判的に物事を捉えることこそ知性」的なことを誰かから聞いたけど、そういう意味では僕は全くもって知性的ではないことになるので少し悲しい。





それはそれとして、そんな僕だから東大ラグビー部という強い個性を持つ人や組織に影響されないわけがなかった。



Rugby will refresh the world



これがラグビー部に入って影響を一番と言っていいほど受けた言葉だ。

言ってることはとてもシンプル。「rugby」は「world」を「refresh」するということ。だけど未だに訳せない。



そもそも「rugby」というなんとも泥にまみれたイメージのある言葉と「refresh」というなんとも爽やかなイメージの単語が全く結びつかないという、それこそ偏見にまみれた理由でこの文に関心を持ったわけであるが、四年目にして未だ日本語にすることができず、四年間ずっとその意味を追い求めてラグビーをしているといっても過言ではない。



ただ四年間考えてわかったこともあった。「world」とは所謂「世界」を指すものとは限らないということだ。僕がラグビーをしたところで「世界」が変わるわけではない。僕がラグビーをして戦争がなくなり平和が訪れるみたいなことは絶対に起きない。



世界とは自分の見える範囲にしかないのだ。見えない、想像もつかないような範囲は「world」なんていえない。その意味で世界は神視点の大規模スケールのジオラマなんかではなく、ただただ自分の内部にしかないもののはずだ。



ラグビーは自分と向き合いその弱さを変えうるスポーツだ。厳しいトレーニングや自分より一回り大きい相手にタックルする時の恐怖を乗り越えた時に新たな自分と出会えるはずだ。



ラグビーで自分を変える。

Rugby will refresh the world



泣いても笑ってもあと半年。これを胸にあと半年全力で駆け抜けよう。







かなり意気込んだ文章を書きましたが、ラグビーをやらないと話にならないのでまずはラグビーをちゃんとやりたいと思います。







次は聞いても話さないのに聞いてもいない時に彼女との惚気話をする濃野に回します。
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