ラグビー部リレー日記

虫が嫌い

投稿日時:2021/06/03(木) 17:44

 光から日記を引き継ぎました、同じく3年の笹俣です。「狂気じみた私生活」というのが何を指すのか、私自身も気になるところであります。同期イチのギャグセンスを誇る光とは勉強面での境遇が似ていることもあって(?)、最近より絆を深めています。



 



 私は虫が嫌いだ。とくにいも虫や毛虫の類は大の苦手だ。季節柄、彼らの活動はまます盛んになっており、生活が脅かされて辟易している。



 そんな私だが、唯一と言ってもよい好きな昆虫がいる。とんぼである。とんぼは純粋にかっこいい。種類によっては昆虫の中でもトップクラスの飛行速度で(時速70km以上にもなる)、スピードを追求するためか見た目も洗練された美しいフォルムを持っている。



 ただ、もともと虫嫌いである私がとんぼを好きになったのにはわけがあった。父方の祖父の影響である。名古屋在住の祖父は生業としていた絵描きを引退して以来、とんぼの収集に没頭している。シーズンに入ると毎日のように郊外の山に繰り出し、とんぼをお手製のタモで捕獲する。オフシーズンになるとトンボを標本にするべく、これまた毎日、深夜まで作業に明け暮れる。それはもはや趣味の域を超えており、研究発表の場にお呼びがかかるほどである。



 私もたまにトンボ捕りに連れて行ってもらうのだが、なるほど実に奥が深い。ヤンマがいそうな沢に張り込み、普段はるか頭上を飛んでいるヤンマが地上に降りてくる一瞬を狙い、網を素早く回して捕獲する。動体視力や忍耐力がものをいう。



 とんぼを標本にする作業は手先の器用さが求められる。数週間かけて羽や脚の角度を調整し、場合によっては本来の鮮やかな色彩が落ちないように、絵の具で色を付ける。不器用な私にはとてもじゃないができない。



 80歳を超える祖父は、このような作業を懲りずにひとりで黙々とこなす。いわく、トンボ捕りは運動不足とボケ防止によいのだという。頭が下がるばかりである。



 祖父のおかげでとんぼに魅了される私だが、相変わらず虫嫌いは治らない。このじめじめした季節が一刻も早く終わってほしいものだ。



 



 次は同期のゆきちゃんに日記を引き継ぎます。品性と知性を兼ね備えたゆきちゃんとおしゃべりしていると、不思議と荒んだ心が浄化されるような気がします。今年もスモブラで同じ班になったこともあり、いろいろ話が聞けると思うと今からわくわくです。

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