ラグビー部リレー日記

北の国ラグビーあるある

投稿日時:2022/09/28(水) 18:37

 
ボールを持ったら真っ直ぐ突っ込む怖いもの知らずの永安からバトンを受け取りました、4年の佐川です。彼は國枝キャプテンの前では普段よりスクワットを20kg重く挙げられるそうで、成長が楽しみです。是非、毎回國枝キャプテンの前でスクワットしてほしいものです。

今回のリレー日記のネタは何にするか非常に悩みました。そこで過去の自分が書いたリレー日記を読み返すと、北海道に関する話題に全く触れていないことに気づきました。東大ラグビー部で北海道出身の人は非常にレアで、ここ最近では3年に1人しか入部していません。北海道にまつわる話をここに残したいと考え、せっかくなら北海道のラグビー、北の国ラグビーあるあるという形で残したいと思います。私が高校生の頃に経験した冬のラグビーあるあるをいくつか紹介します。

1.転ぶの危険
雪の上でラグビーをするため転んでも痛くないと思う人がいると思いますが、実は全くの逆です。雪上ラグビーとは言っても、積もりたての雪(新雪)の上ではラグビーはおろか走ることすらできません(新雪を踏むと膝まで埋まることも)。そのため、雪が降り積もった日の練習は毎回踏み固めることから始まります。踏み固めるとその部分はほぼコンクリートのように硬く、転んで膝を打ったり、腰骨を打ったりすると激痛です。すなわち雪上ラグビーはほぼコンクリート上ラグビーと同義です。タックルを受け倒されるとほぼ100%腰骨を打つので、ボールキャリアーは簡単に倒れないような身のこなし方を覚えます。

2.手袋必須

雪上ラグビーの際は手袋が必須です。外気温がマイナスなのに加え、プレー中に手に雪が付着するため手袋なしでは冷たいどころではありません。下手すれば手が壊死します。手袋と言っても毛糸の手袋は全く意味を成しません。すぐに雪で濡れ、使い物にならなくなるためです。そのため、少しでも雪上ラグビーを心得ている人はスキー用の手袋をはめます。しかし、これもあまり得策ではありません。なぜなら、スキー用の手袋はその目的上冷たさから手を守ってはくれますが、ノックオンを促進させます。スキー用手袋は表面がツルツルしているのでハンズキャッチなど到底不可能で、ボールを全身で包むようにしてキャッチしなければなりません。大変不便です。そのため、十分雪上ラグビーを心得ている人は厚手のゴム張り手袋をはめます(下の写真)。これだと物理的に冷たさから手を守ってくれるだけでなく、手のひら全体に広がる滑り止めでハンズキャッチが可能となり、思い通りのプレーができるようになります。
出典:ジャンブレ

3.窒息死の恐れ
これは雪上ラグビーで最も恐ろしいことです。やったことがある人なら分かると思いますが、新雪の上にダイブすると、穴という穴に雪が入り込みます。口もその例外ではありません。口一杯に雪が入り込むと、その雪が邪魔をして空気を取り入れることができなくなり、一時的な呼吸困難に陥ります。このような状態になった場合は落ち着いてまず息を吐き気道を確保します。それから雪を手づかみで口から出すと同時に口内の温度で雪を溶かし水に変えます。このようなマニュアル的指導はいくらでもできますが、実際にこの状態に陥るとパニックになりそういった手順など忘れて無我夢中で口内から雪をひたすらかき出すことになります。私もプレー中に何度も新雪に頭から突っ込み、呼吸困難に陥ったことがあります。その度にいつか本当に死んでしまうのではないかと恐れていました。

一見過酷に見える雪上ラグビーですが、たとえ相手に抜かれても相手が新雪に足を取られ走ることができなくなれば自分は追いつくことができたり、ボールに雪が付着しすぎて通常の2倍ほど大きくなったり、ノックオンしても許されたりと一風変わったラグビーができるため非常に面白いです。ぜひ東大ラグビー部で冬季に北海道合宿をし、雪上ラグビーをしたいものです。

次は、天才のリサちゃんにバトンを渡します。リサちゃんは、脳も筋肉であるという親の指導方針のもと、プロテインを飲み見事推薦入試で東大に合格したそうですが、私もプロテインをもっと飲むべきだったのでしょうか。

 

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