受験生応援企画

雲のあなたは

投稿日時:2020/01/14(火) 15:17

あけましておめでとうございます。新2年スタッフの榎園琴音です。本年も東大ラグビー部の応援をよろしくお願いいたします。

 

さて、最後のセンター試験まで残すところもわずかとなりました。東大ラグビー部は、シーズンインまでの約1ヶ月の間、受験生の皆さんを応援するリレー日記を繋ぐことにしました!書くのは主に新2年生となります。読んでいる受験生のモチベーションが上がるような内容となるよう一同頑張りますので、勉強時間の合間にでも読んでいただけましたら幸いです。

 

 

塾で大変お世話になった先生のお気に入りで、それに感化されてわたしも大好きになった短歌に、次のようなものがあります。

 

 

冬ながら 空より花の散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ

 

 

古今和歌集に収録されていて、清少納言の曽祖父である清原深養父という人が詠んだものです。

 

空から降ってくる雪を花に見立て、空に重苦しく広がる雲の向こう(=あなた)は、花咲きみだれる暖かな春なのかなあ…?と、春への憧れをうたったものだそうです。

 

この歌を皆さんにご紹介したかった気持ちもさることながら、今回は、実際にわたしがたどり着いた春について詳しく書かせていただこうと思います。


 

受験勉強がつらくなったとき、わたしはよく自分の大学生活を妄想していました。
 

まず、大学生といえば幅広い人脈。広大なキャンパスで知り合うたくさんの友達。様々な人間関係を育み、毎日色んな友達と遊びに行く、そんな大学生活を想像していました。
 

 

確かに、大学生になってから、驚くほど多くの人との出会いがありました。1日でラインの友達が100人近く増えたこともあります。様々なバックグラウンドを持つ個性的な人達の出会いはとても眩しいものでした。しかし、その人たちとの交流が今続いているかといえばそんなことはなくて、せいぜいすれ違った時手を振るぐらいです。大学での人間関係は意外と希薄なものでした。
 

 

受験直前期、社会がまったく間に合っていなかったので、死守していた最低睡眠時間は5時間程度でした。受験が終われば思う存分寝れる!と日々自分を励ましていました。

 

ラグビー部は基本的に朝練なので、神奈川の実家から大学に通うわたしの起床時間は4時!しかも、就寝時間はほぼ変わらなかったので、死守したい最低睡眠時間は4時間に後退しました。受験生の頃の方がよっぽど寝ていました。

 

そして、東京大学の前期教養課程について。1、2年生の間様々な学問に触れ、その上で進む学部を決められるカリキュラムに魅力を感じ、あんな授業やこんな授業を受けてみたいな!とワクワクしていました。
 

 

たしかに前期教養課程では進む学部の専門分野に縛られず、様々なことを勉強できるのですが、進振りは点取り合戦。受けてみたい授業よりもいい点数が出やすいと噂の、正体のよくわからない授業を履修登録してしまうことが、1年を通してよくありました。

 

 

 

なんだか思い描いていたのとちょっとちがっていました。


 

 
 

でも、春は思い描いていた以上のものをわたしにくれました。

 


 
 

広い代わりに思ったよりも希薄なコミュニティの中心部にある、狭くて深い部分。そこで出会った人たちは、高校生の時には想像することさえできなかった高いポテンシャルを持つ、とても魅力的な人たちでした。彼らとの交流の中で、日々刺激を受けているのもまた事実です。東大に来なければこのような人たちに巡り会えたか定かではありません。そして、広すぎるコミュニティを持て余し、日々をなんとなく過ごす時間よりも、限られた人たちとの交わりを大切にし、強い信頼関係の中で笑って、泣いて、全力で生きる。そんな時間の方を愛したいとも思います。
 

 

しんどい早起きをするからこそ、朝早くから充実した意義ある時間を過ごすことができ、そのあとの長い1日の中でたくさんのやりたいことができるのもまた事実。10時にひと仕事終えて、そこからまた1日が続いていくのと、10時にやっとベッドから起きだして1日を始めるのとではだいぶ訳が違います。正直なところ、冬オフ中の今は惰眠をむさぼっていて、起床時間が9、10時になってしまうこともしばしばなのですが、やっぱりわたしは4時起きの自分の方が好きです。
 

 

楽に単位が取れると聞いて、内容もよく把握せずにとりあえず取った、割とどうでもよかった分野の授業になんと大ハマりしました。高校時代に、こんなことが勉強できたら楽しいかもしれない、なんて思っていたことが段々どうでもよくなってきて、急に目の前に現れたその分野を専門とする学部に行くことを考え始めた、なんていうこともまた事実です。これは、初めから学部が決まっていて、自分の学部に関する勉強を1年目から中心的に行う他大学ではきっと起こりえなかったことであって、進振りの意義はこんなところにもあるのかなあと勝手に思っています。
 

 

なんやかんやで、今とても充実しています。東京大学に合格できて、そして入学して良かったと心から言えます。

 

春はすぐそこです。本当に、手を伸ばせば届くようなところまでやって来ています。でも、まだ雲の向こうです。雲があるからまだよく見えなくて、どんなものなのか実態が掴めません。だから、春にたどり着いたとして、思い描いていたのとまったく同じ春になるかはわかりません。
 

 

でも、間違いなくそれは春なのです。素晴らしい春です。長かった受験勉強のつらさを少し忘れてしまうぐらいに、世の中にこんな世界があったのかと感動するほどに、心震えるような暖かい春です。

 

東大に合格したあとに起こる様々な出来事を楽しみにしていてください。わたしは毎日が、「えーーー!」と叫びたくなるような驚きと興奮の連続でした。東京大学は、いい意味で皆さんの期待を裏切ってくれるような、そして、皆さんの想像を上回る収穫を与えてくれるような大学だと思います。


 
 

皆さんが本番で実力を出し切れることを心からお祈り申し上げます。

 

 

次は、同期イチ存在感のある笹俣にバトンを渡します。その大柄な体格と強面がアウトレイジ系であると評判になったり、ある局面で女子スタッフの用心棒役に強制指名されるなど、途中入部にも関わらずエピソードに事欠かない笹俣ですが、話してみるとその優しい声と柔らかな物腰に拍子抜けします。SNSのプロフィール画像はとても可愛らしいワンちゃんです。

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2020年1月

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