ラグビー部リレー日記

鼻骨骨折整復術

投稿日時:2016/07/14(木) 14:45



 先日、3,4年ほどやり続けたスマホアプリを全クリして虚無感に襲われているという同期の稲垣からバトンを受け取りました、4年の井上です。
 私はここ数年リレー日記で真面目な内容しか書いてこなかったので、今回は、4年間怪我が絶えない私が、今負っている怪我について書きたいと思います。痛みに弱い方は読まないことをお勧めします(笑)。

 
 6月25日に行われた定期戦vs明治大学に、私はスタメンとして出させていただいた。この試合の1プレー目で味方と顔面正面衝突をして鼻を強打したが、出血が止まらないだけで痛みがなかったので、試合はそのまま約80分間出続けた。しかし、試合後3,4日経っても腫れが引かず、鼻が曲がっている気もする。もしかしたら折れているのでは?と思い、鼻骨骨折経験者の後輩達に話を聞くと、彼らは口を揃えて、「その鼻は折れてますって(笑)鼻骨骨折だったら、手術がとにかく『えげつない』ですよ。」とのこと。痛みに弱く、怖がりである私は、その言葉だけで恐れ慄いていた。そしてその様子を見て楽しむ後輩達。
 その後輩達に強く促されるまま病院に行くと、診断は非情にも鼻骨骨折で、そのまま当日手術だと言い渡された。手術待ちの間、後輩に診断結果を報告すると、嬉々として、鼻骨骨折手術の体験談ブログや後輩自身の体験談を送りつけてくる。緊張のあまり、手術直前の私の脈拍は優に100を超えていた。
 
 そして手術の時間がやってきた。麻酔は局所麻酔で、鼻の外から2箇所に注射をし、鼻の内側には麻酔薬の染み込んだガーゼを鼻の奥に(喉の近くまで)3回も4回も突っ込まれる。これがまず痛い。無理やり海水を鼻から飲まされているような感覚。そして麻酔が効くまで5分ほど放置され、いよいよ治療開始。「痛いかもしれないけど、すぐ終わるからね~」と看護士さん。『痛い』という言葉に敏感になっている私は、緊張がピークに達した。フックのついた鉄製の棒のようなものを両鼻に差し込み、お医者さんが「いきますよ~」という。棒を入れられる感覚がやけにはっきりしている。麻酔がちゃんと効いているのか不安に思ったその瞬間、「メリッ…メリメリメリィ!!」という音が頭蓋骨に響き渡り、裂けるような痛みが走った。「あ…がっ…」と勝手に声が出るのと同時に、大量の涙がこぼれる。「あと3回ぐらいいきますね~」という言葉に心が折れそうになりながらも、3度の同じ苦痛をなんとか耐え抜いた。術後は、涙で目の周りがびしょ濡れだった。
 
 しかし、本当の地獄はここからだった。手術が終わり、家に向かっていると、眉間のあたりが異様に痛くなってきた。麻酔が切れてきたのだった。家に着く頃には頭全体が痛くなっていた。鼻を手術しただけなのに頭蓋骨全体に割れそうな痛みが響く。処方された痛み止めを飲んでも痛みは治まらない。インフルエンザや蜂窩織炎で40度超の高熱が出た時よりも遥かに辛かった。一晩中、文字通り頭を抱えながら耐え続けた。しかし、この苦しみも翌日には大分治まった。
 
 あたかも拷問を受けて死の淵を彷徨ってきたかのような表現をしてきたが、今では元気そのものであり、復帰に向けて尽力している最中である。自分が引退までは怪我なく過ごせることを、そして今後東大ラグビー部内で鼻骨骨折者が出ないことを祈って、このリレー日記を締めたいと思う。
 
 
 
 次は、医者の卵ながら、3度にわたる誤診で部員からの信頼を失いつつある同期の上田にバトンを回したいと思います。

 

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