受験生応援企画

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ここがロドスだ、ここで跳べ。

投稿日時:2021/02/02(火) 17:21

合格最低点+0.5点くらいで合格したという同期の関戸からバトンを受け取りました、新2年の手島です。今、かなりハードルを上げる紹介文をいただきました~。ありがとうございます~。こんなんなんぼあっても良いで…、いや困ります。
確かに数学はほぼトップの成績を取ったわけですが、合計すると合格最低点+2点になってしまいます。ただ、+2点だろうが、+0.5点だろうが、もっと言えば合格最低点ピッタリだろうが、合格は合格です。受験とはそういうものです。わずかな点差で泣くことがないよう、1点の重みを意識しながらあと3週間頑張ってください。


この場で、そしてこのタイミングで、受験生に何をアドバイスできるだろうととても考えました。これを読んでくださっている受験生の中にはいろいろな人がいるでしょうし、今何かアドバイスをされても、行動に移せることは限られているはずです。全ての受験生に今伝えたいこと、と考えると書くべき内容が絞られてきます。ですから、今回僕からは試験当日の精神面について書きたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。


ここがロドスだ、ここで跳べ。


イソップ寓話の中にこんな言葉があります。
古代ギリシアのアテネで、ある男が「俺はロドス島の競技会の幅跳びで大変な記録を出した。ロドス島に行けば誰もが知っているから聞いてみると良い。」と人々に自慢していました。それを聞いた別のある男が、「そんな遠くに行く必要はないだろう。ここがロドスだ、ここで跳べ。」と言うのです。わざわざロドスに行かなくても、その場で跳べばその男が本当に素晴らしい幅跳び選手なのかわかるということです。

この言葉を紹介したのは、この言葉が受験にも当てはまると思うからです。

「模試はいつもA判定だった」「過去問は毎回合格最低点を軽く超えていた」そういう人もたくさんいるでしょう。ですが、試験当日に実力を出せず、合格最低点に届かなければ、不合格になります。「俺は秋の模試で全国1位を取った。塾に問い合わせればデータが残っているから聞いてみると良い。」と言ったところで、合格にはなりません。試験当日に跳べなければ、跳べることにはならないのです。

逆に、「模試はずっとD~E判定だった」「過去問の出来は良くないし…」という人もいるでしょう。もし実力が不十分だったとしても、試験当日にとても調子が良く、合格最低点に届けば合格になります。入試において重要なのは、試験当日、試験会場で、合格最低点をとることです。つまり試験当日に跳べてしまえば、跳べることになるのです。

物語の中の男は「ホラ吹き男」で本当は跳べないのでこの解釈にはやや強引なところがあるのですが、僕が伝えたかったことは、入試において大事なのは過去より試験当日だということです。


では、どうすれば試験当日に跳べるのでしょうか。その答えの1つは、試験を受けに行くのではなく、受かりに行くことだと思います。

受けに来た人と受かりに来た人、より受かりやすいのはどちらでしょうか?答えはきっと後者でしょう。東大の二次試験は記述式ですから、気持ちの強さは答案に現れます。そして採点するのは毎年採点している採点のプロであり、答案から受験者の気持ちの強さを読み取る力を持っているはずです。ですから、試験に「受かりに行く」ことを強くお勧めします。


受かりそうだと思っている人は決して油断することなく、受からないかもしれないと思っている人は最後まで可能性を信じて残り短い時間も頑張ってください。そして、試験当日は受かりに来てください。これを読んでくださった全ての受験生の合格を心から願っています。


次は、同期で同い年の陸人にバトンを渡します。(自分の書いたものが皆さんの参考になったかはわかりませんが)不合格と合格をどちらも経験している人のアドバイスは、現役合格した人のものに比べて、より参考になることが多い気がします。陸人もきっと参考になるものを書いてくれるはずです。
 
 

手違いを起こす方法

投稿日時:2021/01/30(土) 00:15

 こないだ、「東大は100回受けたら95回くらい受かったと思う。」と自信満々に言っていた前川からのバトンが飛んできました、新2年の関戸悠真です。僕はおそらく100回受けたら95回くらい落ちていたかもしれません。実際は合格最低点プラス0.5点でビデオ判定によるギリギリ合格を果たしたわけなのですが、最近は同期の中で「大学側の手違いで入学したキャラ」が定着してきて、いくばくかの手応えを感じております。

 前川も言っていたように、僕の受験は彼のそれとは真反対です。高三の七月までひたすら野球をやり、部活引退後に勉強を始めたものの、文化祭の夜祭で披露する漫才や大喜利のネタ合わせ、ビデオの撮影、出店の準備等色々あって、勉強に本当に打ち込めるようになったのは九月の初め頃からでした。始めた当初の有様はひどいもので、英文法の参考書はまるきり新品で、英単語帳のターゲット1900も200単語くらいしか覚えてませんでした。僕自身、東大を目指す気なんて微塵もありませんでしたし、八月中旬にはドラクエ3を始めました。ですが、勉強を続けるうちに問題が解けるようになってきて東大受験が頭をちらつき始め、東大を受けるんだと心に決めたのは十一月下旬だったと思います。年明けまでは、模試の判定もだいたいEで、D判定も2、3回でした。その後、年末くらいから成績が飛躍し、受験直前にはそこそこの勝負ができるくらいにはなっていたと思いますが、本当にギリギリの戦いでした。

 受験に向けてなかなか感触は良くなってきていましたが、やはり受験期の不安というのは大きいもので、「落ちたらどうしよう」「俺には東大は無理かもしれない」みたいな感情が頭をもたげることもありました。しかし、そんな時は、高三の運動祭で優勝した時に味わった快哉、最後の夏の大会でメンバーから外れ、死ぬほど惨めで辛かった時にチームメイトがくれた励まし、文化祭の大喜利で「老人ホームの運動会で一番盛り上がる競技は?」のお題に「1500m徘徊」と答えた時の会場の盛り上がり、などなど僕の高校生活の様々な思い出が負の感情に潰されそうな自分を支えてくれました。受験の時も、「受験科目がキックボクシングだったら俺は間違いなく合格圏内だ」「俺は部活引退からの半年でここまで成績を伸ばしてきたんだ」のように自分を全力で奮い立たせ、実力を出し切ることができました。

 受験期に、そして受験に負けないためには誰しも何かしらの支えが必要なのかもしれません。それは、高校時代の思い出でも構いませんし、誰かのくれた言葉、恩返しの気持ち、絶対に見返してやるという意地、自分の頭脳への自信、プライド、何でもいいんだと思います。何か支えがあれば、きっとうまくいくはずです。皆さんが、各々の支えと共に受験を乗り切り、来るべき二月二十六日の日に清々しい表情で受験会場を後にされることを願っています。頑張ってください。

 次は、文系なのに、入試の数学で理系の僕より10点以上高い点を取った手島にバトンを献上したいと思います。彼の、灰色の脳細胞と確かな受験知識が織りなす文章を読めば、受験生の皆さんの目から滝のように鱗が溢れ出るに違いありません。

モチベーション

投稿日時:2021/01/28(木) 18:01

年齢では最高学年の岩下から引き継いだ新二年の前川です。僕は彼の空白の二年間の内容を知らないので春休みにでも話してくれるとうれしいです。

 

さて、受験生のみなさんは、共通テストも終わり、そろそろ願書を出す頃でしょうか。締め切りまではまだ時間があると思いますが早めに出してしまいましょう。かくいう僕は今試験期間中です。みなさんより一足先に大学で対面試験を行っています。そして、この試験期間が終われば僕たち大学生は二か月ほどの春休みを得ることができます。例年なら、遊びやバイト、部活に充実した春休みだったのでしょうが、今年は何をしようか、何ができるのかまったく見当がつきません。とはいうものの二か月という時間を何もせず過ごすのはもったいないので有効活用したいなとぼんやり思っています。受験生のみなさんも入試まであと一か月ありますが、皆さんは時間を有効活用できていますか?

勉強に集中したいと思う一方で、この時期は勉強に集中できない状況でもあると思います。共通テストが終わったんだからちょっとゆっくりさせてくれよとか、卒業間近だから友達としゃべりたいとか、感染症が怖いから家で勉強するけど一人で勉強するのは集中が続かないとかいろいろ要因はあると思います。かくいう僕もそうでした。センターは大きく失敗することもなく、模試もほとんどA判定だったのでもう合格するやろと思って、全然勉強しない日が何日もありました。受験は結果として合格はしましたが、得点も思ったより良くなくガッカリした記憶が残っています。僕の失敗の一番の要因は家で勉強が続かなかったことです。たぶん多くの人は僕と同じように家で勉強することに慣れておらず、家で集中できないはずです。集中を維持するにはモチベーションが必要ですが、入試が終わった後も遊びまわることのできない皆さんにとってあまり入試終わったら遊ぶぞみたいなモチベーションは貴台できないと思います。なので僕からのアドバイスとして、集中を維持するためのモチベーションがない人は入試でいい点をとることを目標にしてみてください。なんやかんや入学後でも結構入試時の点数は話題になりますし、何か一つでもずば抜けた点数の科目があるとそれだけで一目置かれたりします。今、もう受かるやろと思っている人も気を抜かず、最高点を目指して頑張ってください。

 

次は、宮城の公立高校の野球部から現役合格を果たした関戸に回したいと思います。僕とは真逆の受験だったようなので彼の話の方が参考になると思います。

落ち着け落ち着け

投稿日時:2021/01/24(日) 18:30

同じスモブラの五島さんからバトンを受け取りました、新二年の岩下です。五島さんは人柄の良さ、ノリの良さからとても人気で接しやすく、スモブラが同じになった時は、ラッキーだなと思いました。自分が受験終わった時は、特に後輩に対して何か文章を残すということをしなかったので、受験に関する文章を書くのはたぶん初めてですが、少しでも助けになれば幸いです。

受験に関して、新二年生の中で自分が特徴的なのはやはり失敗経験の多さでしょうか。よく「時空のゆがみ」と評されますが、自分は失敗の多さから無駄に年くってます。それぞれの失敗について、その要因について話します。

現役時は普通に実力不足でした。皆さんはそんなことにならないように十分に準備しましょう。
二回目、合否の分かれ目は数学でした。東大の数学は6問あり、試験開始後全体を軽く読み通した後、解けそうなものから手を付ける、というのがセオリーとなっています。そうして最初に手を付けた一問目、おそらく一生忘れないであろう積分問題。複雑な計算から、解いてる途中に自分の計算に対して疑心暗鬼になり、そのあとの問題も一問目が気になってしょうがありませんでした。結果は散々で、一問目は結局間違えてたし、現役より大幅に点が落ちてました。で、落ちました。
三回目。結果から言うと受かったのですが、精神的な問題を完全に解決した状況で挑んだとは言い難いです。試験後、「絶対落ちた…」とか思いながら、突然解法を思いついて悔しがったりして、気づいたら上野まで歩いたりしていました。傍から見たらおそらく完全に変人だったでしょう。

結局何が言いたいのかというと、「落ち着きましょう」これだけです。よく言われることですが、いざそれを実践しようと思うと難しく、実際自分も「落ち着け落ち着け…」とか思いながら、心拍数爆上がりでした。具体的な方法を準備しておくといいでしょう。例えば、「めっちゃ勉強したから落ちるわけない」とか、「自分が難しいと思うんだから、どうせみんな解けない」という確固たる自信や心構え。あるいは息を吐くことを意識するとか。(緊張すると息を吸いすぎる傾向があるので、深呼吸より効果的らしいです)受験生の皆さんはそういった精神的な準備もしておくといいと思います。頑張ってください。

次は同じ新二年の前川にバトンを渡します。彼のプレー中の反応やスピードには驚かされています。そういえば彼から受験の話とか聞いたことがなく、出身地域も文理も違うので、なんとなく新鮮味のある話を書いてくれそうな気がしてます。

あなたがいま試験を受けているキャンパス

投稿日時:2021/01/21(木) 11:16

ラグビー歴が僕より十倍くらい長い橋野からバトンを受け取りました、新三年の五島です。自分よりかなり大きい相手にも怯まずに鋭いタックルで仕留める彼の思い切りの良さはいつも見習いたいと思っています。しかし僕はいまだにタックルが怖くてよくびびってしまうので、彼みたいに躊躇なくタックルができるように今年は頑張ろうと思います。

さて、僕の受験の思い出を少し話そうと思います。僕が現役生だった時の東大の二次試験の話です。最後の科目は英語でした。今考えるとこれが僕の合否を決めるものとなりました。英語において苦手意識があったのが自由英作文でした。東大の過去問には変わった問題が多かったからです。例えば、一見ありえないような、ミステリアスな絵や写真があり、それを見て思ったことを書かせるような問題が出ます。思ったことを書けと言われても、そもそもこの絵なんやねんとしか思わないのです。「もっと普通の問題出してくれればいいのに。東大の先生は意地悪だなあ。」とよく思っていました。そんな自由英作文への苦手意識から、今年はどんな問題が出るのだろうと身構えていたのですが、蓋を開けてみるとこのような問題が出ていました。

あなたがいま試験を受けているキャンパスに関して、気づいたことを一つ選び、それについて60~80語の英語で説明しなさい。

問題はかなりシンプルになっており、厄介な絵や写真もなくなっていて、ラッキーだと思いました。でもこれが実は罠でした。よく考えてみれば、キャンパスについて気づいたことなど特にありませんでした。僕は会場に着くまでなるべく自分の世界に入り込み、あまり周囲のことに気を取られないようにしていたのですが、それがかえって裏目に出てしまいました。そのせいでキャンパスの情景がなかなか頭に浮かんできません。何も書くことが思い浮かばなくて焦りました。本当にどうしようもないので、内容は妥協してとりあえず何か書こうと思って、試験直前に行ったトイレが綺麗だったと書こうとしましたが、さすがに内容がなさすぎて字数を稼げないうえにしょうもなすぎて掘り下げることもないと思ったのでやめました。そうこうしているうちに時間だけが過ぎていき、焦りはどんどん増していくのですが、一向にアイデアは出てきません。メンタルはすっかり負のスパイラルに陥り、なんでこんな問題出すんだとか、せめてキャンパスの写真を余白に載っけてくれよとか、事前にもっと観察しておけばよかったなとか余計なことまで考えてしまい、時間を浪費した挙げ句にろくなことも書けず崩壊しました。

今思えば、キャンパスの情景がはっきりと思い浮かばなくても、それほど間違ったことを書きさえしなければいくらでも書けることはありました。「このキャンパスはとても広く、自然も豊かで素晴らしい。様々な大学の文化祭に行ったことがあるが、これほど立派なキャンパスは今までに見たことがない。きっとたくさんの国民の税金が使われているのだろう。」などと適当に書いておけばよかったのですが、その時は動揺、焦りなどから頭が硬くなっていて筆が止まってしまいました。結局英語の点数が悪くて入試に落ちたのですが、教訓としてどんな問題が出ても冷静に対処することの重要性を学びました。一年浪人して迎えた二回目の二次試験ではそのことを意識して臨みました。そして再び英語の時間がやってきました。自由英作文の苦手意識はそれなりに克服していたので、今回はリベンジしようと意気込んでいました。しかし東大はまた自分の予想をしっかりと裏切ってくれました。なんと今度は自由英作文の問題がなくなっていました。(笑) ちなみに英作文以外にも、リスニングの選択肢が四つから五つに増えていたりと色々変化していたのですが、今度はそんな変化に動揺せず、むしろ変化を楽しみながら落ち着いて解くことができました。結果合格を掴み取ることができたのですが、そんなポジティブなマインドが功を奏したと思っています。

以上の僕の経験から言いたかったことは、受験は心の余裕が大事だということです。出題傾向ががらっと変わっていたり、見たことがないような問題が出ていても動揺せず、むしろ新鮮な気持ちで楽しんで解けると良いと思います。なかなか難しいとは思いますが、これを意識するだけで点数は結構変わるかもしれません。受験生の皆さんはよかったら参考にしてみてください。

次はスモブラが一緒の、新二年生の岩下にバトンを渡します。彼は通学もバイトも大変そうなのですが、ラグビーへの熱い思いから入部を決めてくれたそうです。大学からラグビーを始めた同じ未経験者としてどんな選手になるのか楽しみです。そして彼の受験エピソードも非常に楽しみです。
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