ラグビー部リレー日記

それでも

投稿日時:2018/12/13(木) 23:43

試合中の顔もいつの間にか自信に満ちていた清水からバトンをもらいました。4年の藤平です。
 
結局最後も怪我から抜け出すことはできなかった。今更その詳細を文字にして振り返るつもりはない。
 
その代わりに、自分の原動力となっているある言葉を最後に紹介したいと思う。
この文章が人生に悩んでいる人たちの一助になれば、幸いである。
それは私が高校生の時、倫理の授業で出合った言葉である。
 
「それでも人生に然りと言おう」
trotzdem Ja zum Leben sagen
 
第二次世界大戦下、アウシュヴィッツでの収容所生活を生き抜いた精神科医V.E.Franklの言葉である。
 
生きるには少なすぎる食糧、ポーランドの凍てつく寒さの中行われる過酷な労働、ナチスによる拷問、それらがいつまで続くのかわからない絶望感。
そんな状況を生き延びる唯一の方法が、それでも人生に然りと言うことだった。つまり辛く苦しくとも、悲惨な運命であろうとも、いまふたつとない在り方で存在している自分自身に価値を見出すことが重要だったのである。
 
彼はこうも記している。
 
「人生から何を与えてもらうかではなく、人生に何を与えることができるか。」
 
自分はこの言葉のおかげで今まで頑張って来れたし、上手くは行かなかったが、復帰に向けて最大限の努力をしてきたことを誇りに思っている。
共感した人は是非「夜と霧」という本を読んでみてほしい。
 
 
少し話は変わるが、今年掲げた東大ラグビー部の理念「ラグビーに対して真摯に取り組むことによって人生を豊かにすること」も根底には共通する部分があるのではないか。厳しい環境に身を置くことを万人に受け入れてもらうためには、そのことが人生を豊かにするという逆説的な捉え方が必要だったのである。
「人生を豊かにする」という言葉に引っかかる人は、拡大解釈して「人生に意味を見出す」と捉えてもいいかもしれない。そこには人生に対して主体的に働きかけるという姿勢が見てとれる。
 
 
そんな東大ラグビー部での生活も京大戦で一区切りがつく。プレイヤー人生に何かを与えることができるのも、あと1週間余りとなった。最後の最後まで目の前のことに真摯に取り組んでいきたい。
 
 
お読みいただきありがとうございました。次は対抗戦の勝利を裏で支え、レフリーとしては花園の試合も吹くことが決まった前川にバトンを渡したいと思います。
 

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