ラグビー部リレー日記

コンバート

投稿日時:2018/03/14(水) 23:48

   昨年に引き続きリレー日記のトップバッターを託されました、いつのまにか4年の浦山です。僕は東大ラグビー部で3年間センターをやっていましたが今年からフォワードのバックローにコンバートすることになったので、自分のポジションとその周辺的な話をしようと思います。初めて真面目な内容の文章を書こうと思うので応援してください。

   僕のラグビー人生は、高校入学時80kg超という恵まれた体格で入学した僕に一目惚れしたラグビー部の顧問の先生が熱烈な勧誘を施してきたことによって始まる。その顧問は僕が入部するなり「お前をNo.8に育てる」といい、僕は1年の頃はフォワードのロックとして試合に出ていた。2年になるとその顧問は「No.8になるためにバックスも経験しておいた方がいい」と言って僕をセンターにコンバートさせた。これが僕のセンター人生の始まりである。当時(?)パスやキックはおろかステップさえきれなかった(今とは比べものにならないほどという言葉を付け加えておく)僕は13番の背番号をつけ、ただただボールを持って(キャッチできた時に限っての話だが)直線的な猛ダッシュを披露し必ずゲインを切った。そんな僕には戦車やらロケットやら名誉と不名誉が相混ざった称号を与えられたが、気づいたら最後まで僕はセンターで、東大ラグビー部に入ってもそれは変わらなかった。

   そんな中今年度が始まる時に僕はフランカーに転向した。僕以外の人にとってはシーズンが始まったらいつのまにかフランカーになってたようにしか見えなかったと思うが、自分のなかでは一応色々な葛藤があったのだ。シーズンが始まる前に今年度の主将である石川と面談した時、フランカーやらないかと切り出された。今思えば石川の中ではかなり前から考えていたことなのかもしれないし他の同期も小耳に挟んでいたようだが、僕にとっては心底驚きで(今考えてみると自分のこのプレースタイルでフランカー転向に心底驚く方が客観的にはおかしいかもしれないのだが)完全に頭が真っ白になってしまった。石川に今年度のプレイヤーのポジション内訳を見せてもらうと、なるほどフランカーの欄は少なく、心許なかった。

   僕にとってフランカー転向は全くネガティブなものではなく不安と希望が入り混じったもので、フランカー転向にあたって僕が考えたことは3つあった。センターを去る恐怖、フランカーに行く不安、そしてフランカー転向に対する希望である。まず僕はセンターをかれこれ5年やってきたが、結局センターというポジションが気に入っていた。それはセンターをやっているとパスやキックをしたり激しいタックルなどのコンタクトもあり“ラグビーをしてる感”が満載だからだ。(それ以外はラグビーじゃないのかという異論は認めます)そして一番大きかったのは4年でセンターからフランカーという大幅なコンバートをしてやっていけるのかという不安だった。フォワードはやったことがあるがそれも5年前のことでフランカーは一度もやったことがない。またフォワードはセットプレーに対する比重が高いので新しくやることにかなりの完成度も求められる。しかしその一方でフランカーをやってみたい気持ちも少なからずあった。この3年間バックスとしてフォワードのプレーを見てきて、自分だったらこういうプレーをしてみたいとかこんなサインプレーができるとか色々と想像を膨らませてきた。それを実現するチャンスが目の前にあると思うとフランカーに転向することがかなり魅力的に見えてきたのだ。

   こうしてフランカー転向を果たした僕であるがここ数週間フォワードの練習をしてみると自分がフォワードに向いているという事実をひしひしと感じる(多くの部員はおそらくずっと感じていたであろう)。フォワードはやったことがあるので基礎的なことはわかるし、自分で言うのもなんだが飲み込みもそこそこ早い。飲み込みが早いと褒められるし、僕は褒められるのが好きなのでとても嬉しい。まあそんなことはともかく、新しいことに挑戦して文字通り昨日できなかったことが今日できるようになるような成長を4年になって体験するとは夢にも思わなかったし、もう一度ラグビーを始めているみたいな感覚でとても新鮮であり、とても充実している。とは言ってもいつまでもコンバートしたてのような気分ではいられない。4年FWとして下級生に背中を見せられるように、そしてフィットネスでも誰かに背中を見せられるように精進(世界一自分に似合わない言葉かもしれない)していきたい。

   最後までお読みいただきありがとうございます。拙い文ではありますが頭が回転しなくなるほどハードな練習とトレーニングを重ねていると思ってお許しください。次は僕の中で密かにフランカーも向いているんじゃないかと思っている、ウィングの小田にバトンを渡したいと思います。

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