ブログ 甲斐 豊さんが書いた記事

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ゴールを目前にして[ラグビー部リレー日記]

 written by 甲斐 豊投稿日時:2021/12/23(木) 15:32

  今年1年主務として部を支えてくれた津田からバトンをもらいました、今年度副将の甲斐です。主務になる際に「試合をたくさん組みたい」と言っていたのを見事に有言実行してくれました。津田のおかげで充実したシーズンが過ごせました、ありがとう。引退したらまた鍋パしましょう。

 

  今シーズンを振り返るにあたって、2月に自分が書いた”Voice”を読み返してみた。結果だけに拘らず、ラグビーを楽しむ気持ちを持とう。自ら楽しもうと思うことでラグビーはいくらでも楽しくなる。楽しみ続けるためにもきついことを乗り越えて強くなろう。要約すると、そんなことを書いた。

  正直、考えが甘かったと言わざるを得ない。今年1年、本当にきつかったし、しんどかった。自分の下手くそさ、内面の弱い部分と嫌というほど向き合わされた。特に夏以降はほぼ義務感だけでプレーしていた。楽しもうとしても全然楽しめなかった。

  8月の慶應戦、杉浦の怪我によりゲームキャプテンを務めた。この状況を想定していなかったわけではなかったが、責任の重さに飲まれて何もできなかった。自らのプレイヤーとしての拙さ、リーダーとしての未熟さを痛感した。そこから対抗戦開幕までの1ヶ月はそんな自分からの脱却に必死だった。上手くなって楽しいラグビーをするためというよりも本番で失敗しないために練習していたような気がする。

  そうしている間に対抗戦が開幕し、一試合一試合負けられないプレッシャーと戦っている内にあっという間に終わっていた。勝って嬉しい、負けて悔しいを沢山経験したが、心から楽しめた試合は一つもなかった。

  そんな中、先日の京大戦は”Voice”を書いた頃の気持ちを思い出させてくれる、非常に幸せな時間だった。秩父宮という人生で一度の大舞台に、シンプルに勝ちたい欲求、湧き上がってくる高揚感を覚えた。上手いことやらなきゃ、失敗したらどうしようなんて後向きな気持ちはひとつもなく、ただ身体が反応するまま夢中でプレーしていた。結果として勝利を収められたことは非常に嬉しかったが、負けてたとしても悔しさよりも清々しさの方が上回っていたのではないかと思うほどに楽しかった。

  7試合負けられない長丁場の対抗戦と一発勝負の定期戦を単純に比較することはできない。しかし、対抗戦で自分に、自分たちに足りなかったものはまさしくこの感覚だったと今では思う。

  ラグビーではちょっとの実力差が大きな点差となることが多々ある。偶発的なプレーが大崩れの原因となったり、少しのフィジカルの差がプレー中の余裕に現れたり、そんな些細なことが、大きな差となる。本当にラグビーに没頭していたら気にならないくらいの、些細なことが。大一番だった明学戦も41点差をつけられての敗北となったが、戦い方や試合に入るマインドセット次第で結果は違ったはずだ。自分たちに一番足りなかったものは、目の前のラグビーに没頭することではなかったか、そんな気がする。対抗戦は全力を尽くしたし、結果は結果で受け入れるしかないけど、開幕前に戻って何か変えられるとしたら「もっと肩の力抜けよ」って自分に言ってやりたい。

  精神論的なことはあまり好きではないが、ラグビーって結局気持ちが大きなウェイトを占めるスポーツだ。7年もかかってやっと気付いた。ラグビーとの向き合い方は人それぞれだと思うから、後輩たちにこの考えを押し付けるつもりは毛頭ない。だけど大学ラグビーを終えた一人の意見として、「こういう考え方もある」くらいの感覚でいいので、頭の片隅にでも記憶しておいてもらえると嬉しい。

 

  最後になりますが、この場をお借りして4年間関わってくださった全ての方に御礼申し上げます。厳しくも温かく声援をくださったOBの皆様。共に戦い、卒業後も沢山励ましてくれたジュニアコーチや各学年の先輩方。馬鹿ばっかりやってる僕らの学年についてきて、支えてくれた後輩の皆。本当は怪我とか心配だろうに好きなこと最後までやらせてくれた両親。月並みな言葉しか出てきませんが、本当にありがとうございました。

  特に同期の皆には感謝してもしきれません。高校時代は相手チームにスクールからの経験者がいっぱいいるとか、デカイやつがいるとか、そんなつまらないことばかり気にしていた自分が、本気で入替戦に出たい、強豪校に勝ちたいと言えるようになったのはポジティブなエネルギーに溢れた皆のおかげです。これからも仲良くしてください。

 

  次は生粋のリーダー、我らが主将杉浦にバトンを渡します。共にチームを引っ張る立場でありながら、目の前の自分のことに一杯一杯になってしまい大きな負担をかけた気がします。が、同時に杉浦はそんなことは全く気にしていなかったような気もします。とにかく力強くチームを引っ張ってくれました。杉浦がキャプテンでよかったです。

たい。[ラグビー部リレー日記]

 written by 甲斐 豊投稿日時:2021/07/12(月) 20:18

僕のフランス語より数倍も流暢な日本語を操る1年のデルからバトンをもらいました、4年の甲斐です。デルが入るまでは同期の永山が東大ラグビー部が誇る高身長ハーフとして君臨していましたが、今は完全にそのポジションを奪われています。
 

自分がリレー日記を書くのも今回を含めて残り2回となった。普段から自分なりに色々なことを考えているつもりではあるが、いざバトンが回ってくると何故か書くことがない、という状態のことが多い。しかし何故か今回は書きたいことが幾つかあったので、ちょっとずつ色々書いていこうと思う。
 

今年のスーパーラグビーが面白かった。NZの国内大会であるアオテアロアは接戦が多く見応えがあったのと、自分の好きなハイランダーズに日本代表の姫野が加入し、王者クルセイダーズ相手にアウェーで勝利を挙げたりトランスタスマン大会では決勝に進出したり、非常に応援し甲斐があったので楽しいシーズンとなった。ハイランダーズはNZの5チームの中でもオールブラックスが少ない上主力に怪我が多発するなど苦しい状況の中でも結果を残しており、リクルートの面で決して恵まれていない東大ラグビー部としては見習うべきところが多いように感じた。特にトランスタスマンに入ってからのハイランダーズの躍進は、堅いDFと確立された得点パターンに支えられていた。タックル成功率は全チーム中トップクラスで、ラインアウト起点の設計されたサインでトライを量産した。チーム内の規律と一貫性が高く、試合前に良い準備をしていることが容易に想像できた。僕らも今年の春シーズンを全勝で終えられたことは素晴らしいことではあるが、ペナルティが多かったり、ターンオーバーボールへの反応が悪かったり、キックオフリターンに苦しんだり、まだまだ改善すべきところはたくさんある。夏もいい練習をして、ハイランダーズのようなタレントは多くないがチーム力で勝ちを掴むラグビーを目指したい。
 

スーパーラグビーが終わった後はツール・ド・フランスを追いかけるのが楽しい。時差もあるので中継は見れないが、今年は公式があげるハイライトのクオリティが高く十分に楽しめる。今年は有力選手が多く落車に巻き込まれた影響もあり総合優勝争いの方は差が開いてしまいあまり盛り上がっていないのが些か残念だが、それ以外で明るいニュースがあった。マーク・カヴェンディッシュの活躍だ。ツールでは2016年にステージ優勝をあげたのを最後に、落車などの影響で不調が続いており引退説も流れたカヴェンディッシュだが、今年のツールではここまでにステージ4勝をあげ、通算勝利数歴代最多タイの34勝に並んだ。不調を乗り越え大記録を打ち立てる復活劇に、これまで怪我が多かった自分もなんだか元気をもらった気がする。今怪我で長期離脱を余儀なくされている部員にも見てほしいなあ。カヴェンディッシュが優勝できる可能性のあるステージはあと2つほどあるらしいので、単独での最多通算勝利数を達成できるか、注目したい。
 

最後の春シーズンが終わった。思えば2年の春シーズンは勝ちなしだった上に後半怪我で離脱しており、3年のときはコロナで練習すらできておらず今まであまりいい思い出がない。今年は試合に勝てたことももちろん良かったが、大きな怪我なくここまで来れたことが自分の中で一番嬉しいかもしれない。思い返すと大学入学以降、怪我による長期離脱なしでプレーを続けた最長は3,4ヶ月だった気がする。去年の10月末に捻挫から復帰して以降、肩鎖とか小指の脱臼とか小さな怪我はあれど約8ヶ月継続してプレーをできている。自分基準だと8ヶ月はすごい数字なのだが、入部して以降DLに入ったことがない人なんかもいるわけで、やっぱこれまで怪我しすぎてたな、と思う。このまま引退まで無怪我で行けるように頑張りたい、なんて書くとフラグっぽくなってしまうので嫌だが、また怪我人が増えつつあるチームにおいて、プレーできる状態でいることは最大の正義と言っていいと思う。何をしてでも最後まで生き残りたい。
 

以上まとまりのない文章になってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
次は部室で誰かがイジられているときに一番嬉しそうに笑う2年の陸人にバトンを回します。

日記[ラグビー部リレー日記]

 written by 甲斐 豊投稿日時:2021/03/12(金) 18:31

なんだか不思議な魅力に溢れている岩下からバトンを受け取りました甲斐です。オンライントレーニングで岩下の画面がついているとついつい見てしまうのですが、何故だかわかりません。僕に興味を持ってくれているのは嬉しい限りですが、僕は現状の距離感に満足しているためパーソナルなことはまた別の機会に話すことにしたいと思います。

 

最近geoguessr(スペルミスではないです)というゲームにハマっている。google mapのストリートビュー上のどこかからスタートし、動きながら周りの風景を見て自分が世界のどこにいるのかを推理するというゲームだ。ヒントを求めて20分くらいストリートビューを彷徨うこともしばしばあり、家にいながらちょっとした旅行に行った気分になれる。
1ゲーム5ラウンドで行われるのだが、無料版は1日に1ゲームしかできないので1ラウンドずつかなり時間をかけじっくりとやる。今日もこれを書いている時点ではまだ3ラウンド目までしか行っていない。最初に降り立つ場所によって難易度が大きく変動するこのゲームだが、珍しく当たりの日らしい。最初の2ラウンドは比較的ヒントの多い文明的な場所からのスタートだったので正確な場所を当てることができた。ニュージーランドの住宅街とイギリスの工場地帯だった。3ラウンド目も誤差1kmまで当てることができた。愛知県西尾市の農業地区らしい。3連続でハイスコアを出せたのは初めてなので、ちょっとここで自慢したくなってしまった。自分以外の人にはどうでもいいことだろうが。後の2ラウンドもスタート地点に恵まれることを祈る。
最近Voiceを書いたばかりだったのでこれといって言いたいこともなく、絶望的に内容が薄いものを書いてしまった。リレー日記で本当にその日にあった出来事を書いた人、今までいたかな。次バトンが回ってきたときにはもうちょっとマシな文章が書けるように、ラスト1年濃い日々を過ごせたらと思う。

 

次は栄養セクションを中心として活躍する3年スタッフの若菜ちゃんに回します。僕らの代にはとある事情でスタッフが1人もいないため、若菜ちゃんをはじめとしたスタッフのみんなは3年生ながら最高学年となっていますが、みんな本当に仕事ができて頼もしい限りです。いつもありがとう。

苦手意識[ラグビー部リレー日記]

 written by 甲斐 豊投稿日時:2020/11/04(水) 20:03

2年生になって部員のおもちゃ化が止まらない原くんからバトンを受け取りました3年の甲斐です。裏番長として恐れられていたあの頃の貫禄は一体どこへ消えてしまったのでしょうか。
 

僕は「先輩」というものが苦手だった。これは過去僕が出会ってきた先輩たちが嫌な人たちだったということではなく、僕の方に原因があるものである。
 

そもそも僕は小さい頃から年上の友人が少なかった。兄妹で一番上だったこともあり幼稚園や小学校で遊ぶ相手は同い年か年下ばかりで、同世代の年上の人に対する漠然とした苦手意識はこの頃から少なからずあった。また、小学4年のときアメリカに引越し日本に帰ってきたのが中学2年の12月だったため対先輩デビューが高1と遅くなってしまったことも僕の先輩に対する苦手意識に拍車をかけたと思う。それでも高校ではラグビー部や体育祭のカラーの先輩などと交流があったため高2の終わり頃にはこの苦手意識はある程度克服できたように思っていた。
 

ところが大学に入って僕の先輩に対する苦手意識は自分で想像していたよりもはるかに根深いことを知った。1年生のときはジュニアとシニアで練習が別で先輩たちと接する機会がそもそも少なかったため、なかなか先輩と仲良くなる機会がなかったこともあるが、そこに僕は先輩苦手病を発症してしまい自分から先輩たちに絡みに行くことをあまりしなかったのである。自分からアグレッシブに先輩に話しかけ仲良くなりご飯に連れて行ってもらったりしている同期はすごいな、と思うと同時にちょっと羨ましくもあった。


そんな僕だったが仲良く接してくれる先輩たちやスモブラと呼ばれる縦割り班、そして2年生になり一緒に練習をするようになったことをきっかけにこの苦手意識をだんだんと克服することができた。特に今年はコロナ自粛中頻繁に行われたzoomミーティングや全体練習が再開する前の小グループでの練習などで部員とある意味密に接する機会が多かったこともあり、色々な先輩と仲良くなることができたと感じている。


今シーズンも残すところ3ヶ月ほどとなり、4年生になる時が段々と近づいてきている。最上級生になる。先輩と呼べる人が部からいなくなる。このことに気付いたとき、自分でも驚いたが本気で寂しくなった。あと3ヶ月もあっという間に過ぎていってしまうのだろう。一試合でも多く一緒にプレーできるように、そして一緒に最高の景色を見れるように、怪我に気をつけつつ残りのシーズン頑張って行こうと思う。今週の明学戦、絶対勝ちましょう。
 

最後までお読みいただきありがとうございました。次は僕とは反対に後輩に対してシャイらしい副将の山口さんに回します。去年は夏合宿中僕に絡んだ直後にわざわざ「甲斐のことイジれた」報告を当時の3年生にするくらい僕に対して距離感を感じていたようですが、あれから1年、今はどう思っているのかかなり気になります。

怪我の功名[ラグビー部リレー日記]

 written by 甲斐 豊投稿日時:2020/06/04(木) 19:33

学年が上がって益々頼もしくなっている2年スタッフのあしゃからバトンを受け取りました、3年の甲斐です。
未だに後輩にビビられているという事実を知り悲しい限りです。僕のような器の広い人間が後輩からイジられたくらいでキレるなどということは断じてないのでもっと積極的に絡みに来て欲しいです。
 

3月末にラグビー部が活動自粛に入ってから早くも2ヶ月以上が経ちました。2月のシーズンイン以来練習をしていた期間よりも自粛に入ってからの方が長いという事実に気付き、ショックを受けます。思えば僕は1、2年のときも怪我でDLに入っていた期間が長く、入部以降実際にプレーできていない期間が長いように感じます。理由が何であれプレーが出来ないのはもどかしいですしストレスもたまります。
 

しかし自分でも驚きますが、寧ろDLに入って良かった、と思った経験があります。去年末の左手首の舟状骨の骨折でのDL期間のことですが、結果としてあのままプレーしていた場合よりも自分にとってプラスになったと感じています。入部以降何回もDLを経験してきましたが心の底からこう思えたのは初めてのことです。その要因としてはシーズン残り2ヶ月で全治3ヶ月の怪我をしたため諦めがつき、復帰を急がなかったことでその時自分にできることにフォーカスしてトレーニングに集中できたことが大きいと思います。具体例を挙げると手の骨折でバーを持てないためウェイトでできる種目がかなり限定される中、手をあまり使わずに出来るヒップスラストに集中的に取り組んだことなどです。結果として下半身の筋力、フィッツ、柔軟性などの面でDL期間中に成長することができ、復帰後は増量にも関わらず怪我前よりも動きにキレが増したように感じましたし、高校時代からの大きな課題である捻挫癖も克服できました。怪我をした当初はもちろん「またDLか」と落胆しましたが、焦ることなく冷静にその時の自分に出来ることに目を向け、強化したことが結果として全体的にプラスに働きました。
 

コロナで練習ができなくなったときも同じメンタリティで臨もうと思えたから、過度に悲観することはありませんでした。勿論新しく大西さんをコーチに迎えこれから強くなろうという時期に活動ができなくなることに不安はありましたが、高いワークレートが求められるのでたくさん走ってフィッツのさらなる強化をしようとか、普段より時間があるからゆっくり試合動画をみてラグビーの勉強をしようとか、出来ないことではなく出来ることに目を向けて強化に取り組もうと思えたからこそ頭を切り替えることができました。この点でも去年末のDLは経験しておいて良かったと感じました。僕はまだ3年生だからこんな余裕こいたことを言っていられる面も否定はできませんが、焦ってもコロナ収束が早まることはありません。今、この時期だからこそ出来ることにフォーカスし、練習再開後に「寧ろコロナ自粛があって良かった」と言えるくらい強くなっていられるようにトレーニングに取り組むことが大切なのではないかと思います。
 

拙い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。「焦っても仕方がない」といった内容を書いておいてなんですが、夏合宿や秋シーズンのことを考えると一刻も早く活動休止期間が終わることを願うばかりです。何より早くラグビーがしたい。
次は同じポジションの後輩である表にバトンを渡したいと思います。彼は人をイジることに関してはタブーがなく、部内でも屈指のアタッカータイプで有名ですが、僕は1年生が新しく入ってきたら後輩にイジられて受けに回る表を見られるのではないかと、密かに楽しみにしています。コロナが明けたら新歓もしっかりやりたいですね。

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