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[ラグビー部リレー日記]

 written by 吉田 有佑投稿日時:2018/10/27(土) 11:28

 安心感のある笑顔で僕の膝の痛みを和らげてくださる2年スタッフの太田さんからバトンを受け取りました、1年の吉田です。今回初めてリレー日記を書かせていただきます。自己紹介になるように書かさせていただきますので最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 僕は、このリレー日記を二年半前、高3の4月から読んでいる。特に浪人時代には、勉強の合間にこの日記を読み心の支えとしていた。ついにこの日記を書くこととなり、個人的には非常に感慨深く思われる。



 僕は高3の10月で高校のラグビー部を引退した。その時すでに志望校調査書には東京大学と書いて提出していたが、ラグビー部を引退するまでは進路のことなど全く気にしていなかった。引退すると、本当に自分なんかが東大に受かるのかという不安があった。また、ラグビー部の監督から他のある大学でラグビーをすることを強く勧められ、その道に行く選択肢もチャレンジングでとても魅力的に感じていた。

 しかし、そんな将来に対する決断ができていない時期に読んだのが、今の3年(当時1年)野村先輩の書いたリレー日記である。



(http://www.turfc.com/blog_detail/blog_id=21&id=1093?SmartPhonePCView=2)



 この文章を読み終えた時、僕の決意は固まっていた。



 野村先輩(以下ノムさん)は僕が高1の時の高3の高校ラグビー部の先輩であり、僕とノムさんで花園予選は両ロックを組んでいた。

 高校ラグビーでは夢破れたノムさんが東大ラグビー部でまた新たな夢を追っているという事実、「対抗戦A昇格」という言葉の響きの良さに武者震いがした。

「俺もノムさんの夢を一緒に追いたい。」

 そう思って必死に勉強し、一年間余分に時間はかかってしまったが東大ラグビー部に入部することができた。

 

 ただ、入部して改めて、「対抗戦A昇格」の実現は簡単ではないことを実感した。これまでの東大の先輩方が誰も成し遂げられていない夢である。この夢を実現するには、高校以前から実績のあるプレーヤーをリクルーティングし、入部時点からラグビーに対するモチベーションの高いメンバーが集まったチームを負かさなければならない。口で言う何倍も難しい夢であることは自覚している。



 先月から今月にかけて、合計三週間膝の手術で入院していた時、一人でいる時間が長かった。その間、チームの練習ビデオや高校時代の試合などを見ていたのだが、その時これまでやこれからの自らのラグビー人生について考えていた。

 

 まず、大学入学からこれまでの時間でどれだけ「夢」に近づけたのだろうか、と考えた。考えた末、「本当に近づけたのだろうか?」という思考に至った。恥ずかしながら、夢に近づくための最善の選択肢を選んで来られた自信はない。ウェイトトレーニングでも、何か言い訳を作ってサボる時もあった。なぜ受験期にあれだけ燃えた夢を追える環境に居られているのに、サボってしまった自分がいるのか。すごく情けない気持ちになった。



 また、もう一つふと考えたことがあった。同期のほかの14人は、どのような目標を持って東大ラグビー部に所属しているのだろうか。三年後のこの時期にどんな自分たちの姿を想像しているのだろうか。自分たちの目標は共有されているだろうか。もちろん、今年の「対抗戦4勝」というチーム全体としての目標は共有されている。しかし、我々が4年生になった時の目標はまだ存在していない。僕は上で述べたように「対抗戦A昇格」を漠然と考えていた。他のものはもしかしたら、「入れ替え戦出場」または「楽しくラグビーをする」だったかもしれない。どんな目標が良い悪いということではない。自分たちの三年後の姿をこの半年間で語り合い、自分たちの将来像を共有することができなかったことが自分にとって大きな反省であると思った。それは、恥ずかしさや自分だけが空回りしてしまうのではないかという不安もあったからである。これも自分が情けなく感じた。



  先日、武蔵大に東大が勝利を収めた。僕はその試合を外から眺めることしかしていないが、勝利を告げるホイッスルが鳴り響いたとき、自然と涙が溢れた。僕の何倍も辛いことをしてきて何倍もの責任を背負っていた先輩方に申し訳ないので必死で涙を堪えようとしたが無理だった。夢の実現の希望が見えたことに体の芯から熱くなるのを感じたからであった。決して不可能な夢ではない。そのように思わせてくれるような試合だった。



 僕らの代の目標はまだない。しかし、「対抗戦A昇格」という目標を掲げても良いのではないかと思う。4年生になってから掲げる目標としては高いかもしれないが、あと3年あれば十分手に届く目標であると思う。そのポテンシャルが同期の15人にはあると自信を持って断言する。



 なぜ自分は東大のラグビー部を目指して必死に勉強したのか、その初心を忘れないように、目標を実現するための最善の選択肢を常に選んでいきたい。3年後、僕らが4年生となり、東大ラグビー部が100周年を迎える年を見据えて1日1日を100%で過ごしていくことが重要であると思う。





 頭で整理する前に思い浮かんだ順に書き連ねてしまったため、纏まりがなく読みにくい文章になってしまって申し訳ありませんでした。普段も頭で言うことを整理することが苦手なので、僕の思いの丈を書き留めておきました。特に同期には読んでもらいたいです。



 次は、元フランカーだったと聞いて衝撃を受けた、とても大きな巨体を持つ勇河さんにバトンを回します。

リベンジ[ラグビー部リレー日記]

 written by 太田 一岳投稿日時:2018/10/26(金) 21:20

合宿でおそらく部内一の増量を果たした期待の1年生北野からバトンを受け取りました、2年スタッフの太田です。
本人は気づいていないようですが、北野が増量できたのは僕がライバルとして出現したからです。


私事で恐縮ですが、航空宇宙工学科に進学することになりました。地球以外の星に移住したくて、航空宇宙を選びました。地球外に移住したいといっても、決して宇宙のロマンに魅せられているのではなく、SF映画の見過ぎかもしれませんが、地球は近い将来に寿命を迎えてしまう気がするのです。そう感じる理由は、地球温暖化や資源の枯渇などの問題が全く解決する気配がないからです。これらの問題を引き起こしているのは人間だとわかっているのに、状況を改善するためにエコな生活を心がけている人はどのくらいいるのでしょうか?僕の周りにはほとんどいないように思います。それどころか、諦めている人や自分には関係ないと思っているような人ばかりいます。温暖化による猛暑や異常気象に遭った時には、そのような人たちでさえ一時的に危機感を覚えます。ところが、問題が表出しなくなれば彼らの意識はすぐに元に戻ってしまいます。このままだと地球はいつか終わりますよね。笑

非常に情けない話ですが、かく言う僕も問題を後回しにしたり人任せにしてしまうことがあります。日々の部活動の中で改善すべきところを見つけても見なかったことにしてしまい、誰かに指摘されて初めてその解決に取り掛かることがあります。反省してます。
部としてもその傾向が見られることがよくあります。明らかに部にとってマイナスであることに対して誰も何も言わずに日々活動し、OBやコーチにお叱りをいただいて初めてその改善に乗り出すということが今シーズン何度かあったように思います。さらには、注意されてからしばらくは良い状態が続くものの、またどんどん悪い方向に戻っていき同じことで叱られるという大変情けないこともありました。

 

東大ラグビー部はまだまだ未熟な組織です。しばらく勝てていなかった武蔵一橋に勝利しましたが、まだまだ弱いです。叱られなければ修正できないような弱い組織では、これ以上の成長はあり得ません。僕含め部員全員が甘い心、人任せな心を捨て、東大ラグビー部の弱いところをどんどん変えていかなければなりません。

 

上智戦前に暗めな内容のリレー日記を書いてしまいましたが、僕がこのリレー日記で書きたかったことは、東大ラグビー部にはまだまだ伸びしろがあるということです。今年は様々な変革を起こしたことで確かに強くなりましたが、明学立教には勝てませんでした。やはり大きな壁があると感じた人は多いと思います。しかし、絶対に東大ラグビー部はまだまだ強くなれます。
「失敗は最高の師」
上智学習院成城に勝つことがまず一番の目標ですが、来年の明学立教に対するリベンジも始まっていることを忘れてはなりません。弱い部分から目を背けずに僕個人も東大ラグビー部もまだまだ成長します!!

自分でも驚くぐらいの拙文をお読みいただき、ありがとうございました。
次は、4年山田さんの2倍の手の大きさを持つ1年の吉田にバトンを回します。

不思議な東大ラグビー部[ラグビー部リレー日記]

 written by 北野 公一朗投稿日時:2018/10/23(火) 11:05

僕と原先輩の関係に嫉妬している濃野さんからバトンをもらいました一年生の北野公一朗です。

 

 

 

僕はアメフト部に入るつもりで東大に来た。テント列の時、ラグビー部になんかこれっぽっちも入る気は無かった。そこでのラグビー部の勧誘のしつこさに苛立ちすらも感じていた。その後も興味のなかったラグビー部の新歓を受け続けたのはタダメシを食べるためだけだった。しかし何故か不思議なことに今僕はラグビー部にいる。

 

 

 

僕はスポーツ観戦が大の苦手だ。試合を見て他人のプレーを見ても興味はあまり湧かない。むしろ自分がプレーしたいと感じるだけでただもどかしいものであった。中学・高校とやってきたサッカーの日本代表戦でさえも見ててあまり面白いとは思わない。大学から始めたラグビーならなおさらそうだ。ラグビー理解度を上げるためにプロや大学の試合を見てもやはり面白くない。しかし何故か不思議なことに東大ラグビー部の試合は我を忘れて見入ってしまう。対抗戦はもちろん、ラグビーのルールを全く知らなかった4月の対抗戦セブンズでさえ見入ってしまった。

 

 

 

東大ラグビー部には不思議な力があると僕は思う。 ラグビーに一切興味のなかった僕を魅了し、スポーツ観戦に一切興味のない僕を魅了する不思議な力だ。これが何から来るもので何なのかは僕にはわからない。しかしこの力が僕がラグビーを続けようとする気持ちの源であることは確かだ。左足を骨折し、ほかの一年生が上手くなっていき気持ちが落ち込んだ時でも、走り込みが辛くて休みたい時でも、ウェイトをサボりたい時でもその力は僕を前に突き動かす、何故か不思議なことに。

 

 

 

次はスタッフなのに合宿中に僕に増量勝負を挑んできて完敗するというよくわからない太田さんにバトンを回します。でも最近体重が増えているらしく追いつかれないか心配です。

4年のDNA[ラグビー部リレー日記]

 written by 濃野 歩投稿日時:2018/10/20(土) 21:25


副将としていつもチームを支えてくれているタケルさんからバトンを受けました、3年濃野です。




あと2か月しかない。
4年生から学べるのは、あと2か月しかない。

その事実が近頃の俺のケツを叩いて発破をかけてくれる。



3年生以下と4年生とでは大きく役割が異なる。
3年生以下は次の年度に向けて、4年生という見本を見ながらインプットを重ね、4年生に見守られながら組織運営を手伝う。

だが、4年生を守ってくれる学年なんてない。

それは当たり前のことだが、今年の4年生は特にそうだったはずだ。
というのも、今シーズンはそれまでの体制から大きく組織のありようが変わった。
学生主体を掲げて、自分たちで考え、自分たちで行動してくれた。
部の予算配分や組織構造づくりなど、あらゆるものをゼロから作り直してくれた。
特に、新コーチや新監督などの大人の方との話し合いの前にはかなり神経をすり減らしたと想像する。
大人側には大人の方々の考え方があるし、学生側には学生たちの主張がある。
そして、その中にはお互いに相容れないものもあるかもしれない。
年始1回目の話し合いに向かう4年生たちはきっと心配で仕方なかったと思う。
果たして、自分たちの意見を聞いてもらえるのか。
自分たちの考えを支持してくれるひとはいるのか。
...そんな保証はどこにもない。
でも、石川さんたち4年生はやってくれた。
特に監督の青山先生とは積極的にコミュニケーションを取り、いまでは誕生日を祝ってしまうほどの身近な存在にしてくれた。

4年生は大人たちと半年足らずでこんなに素晴らしい信頼関係を築いてしまった。
もちろん青山先生や深津さんをはじめいろいろな方のご理解ご協力があったことも忘れてはならないが、それを差し置いてもすごい。


内政的にも素晴らしい信頼関係を築いてくれた。
今年は激しく体制が変わって、ぼくたち後輩も少し戸惑うことはあった。
でも鎌田さんを中心とした4年生たちは、後輩の意見を面談などのヒアリングを通してしっかりと吸い上げ、組織運営に反映してくれた。
下級生は4年生に不満を訴えれば改善してもらえた。
そのおかげで今では一切不満はないし4年生に対して全幅の信頼を置いている。

だが、4年生は自分たちの意見を誰かに訴えても仕方がない。
最高学年だから自分たちで改善するしかない。






来年俺たち3年生はそういうポジションになる。





俺は組織論とか好きだし、今までたくさん組織運営に関する書物を漁ったり、チームビルディングのセミナーにもたくさん参加した。
中には、無駄にカタカナ横文字を多用して他の本のコピペばかりの質の低い本もあったし、
「こいつなに言うてんねん、、」って思うような変なおじさんの胡散臭い話も聞いた。
俺は3年間インプットしまくった。いや、高校のころから興味があったから6年間だ。
いっぱい考えた。死ぬほど考えた。
「どう運営すれば、チームは強くなるのか」
「良いチームにはなにが必要か」
「どんなリーダーシップが適しているか」
...
だけどまだ、俺はこのチームでは、現場の生の経験をしていない。
東大ラグビー部では、まだアウトプットを全然していない...
リレー日記にたらたら書き綴ったくらいだ...
経験不足かもしれない…


でも、全然不安じゃない。



今の4年生はシーズン開始当初に
「今後このチームが来年、再来年にも成長できるように下級生へのノウハウの引継ぎもやっていきます」
と、後輩のことも考えていくことを明言してくれた。
だから、練習を考える部門や戦術を考える部門、チームビルディングを担当する部門など、様々な役職に4年生だけでなくて、3年生も2年生も属している。

俺ら3年生は4年生に見守られながら来年を迎えることができるし、
来シーズンは4年生が積んだ経験を糧に運営することができる。

4年生からの、これ以上ない最高の贈り物だ。




あと2か月。
4年生から学ぶ期間は、あと2か月もある。

やってやろうじゃないか。
2か月学びまくって、良いチームを引き継いで、さらに来年昇華させて、またそれを再来年へ贈り...




いつか、
最高のチームが出来上がるのを見たい。



そのためにはまず、

「4年生のDNAを引き継ぐこと」

これが、インプットしまくった俺の3年間における最後のインプットであり、
ケガをして今シーズンプレーできない俺の残り2か月の目標であり、
この東大ラグビー部に一番必要なことである。

あと2か月ある。

この事実が近頃の俺の背中を押して勇気をくれる。



次は、髭に栄養が行き過ぎた1年北野へバトンを回します。

 

名詞化[ラグビー部リレー日記]

 written by 宮原 健投稿日時:2018/10/19(金) 09:05

 13画で紹介するとは何ともセンスのいい岩崎からバトンを受けました、副将の宮原です。

 ある有名な言語表現の研究の話。
 人物を紹介される際、「彼は野球をよく見る」と言われるより、「彼は野球ファンだ」と言われる方が野球好きの度合いはずっと高く評価されるというもの。

 こうした表現の違いは認知に違いを及ぼすだけでなく実際の行動にも影響を及ぼす。
 「今度の選挙で投票することは、あなたにとってどれくらい重要ですか?」と聞かれるより、「今度の選挙で投票者になることは、あなたにとってどれくらい重要ですか?」と聞かれた方が投票する可能性が大幅に高くなる。

 各実験の2つの質問は、内容的には同じことを聞いている。しかし、結果に顕著な差が現れる。なぜか。

 キーワードは「名詞化」だ。名詞化することの効果は、グループアイデンティティー(集団的同一性)を呼び覚ますことだ。「野球ファン」と聞くと、甲子園で六甲おろしを大合唱する群衆を想起する。「投票者になる」と聞くと、政治に参加する市民の一員であることを強く自覚し、投票しなくてはと思える。名詞的に表現すると、集団に所属しているという意識が生まれ、認識が強まり、行動が促される。

 つまり、人は誰しも何かに所属する必要性を感じている。何者かになりたくてもがきながら進んで行く。その轍が人生を表すのだろう。


 今週末には私の人生を決める試合がある。

 
 「一橋大学に勝ったチームの一員になろう」


 
 次は3年生でありながらより良い組織になるにはどうすべきか考え行動してくれる濃野に回します。
 
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