ブログ 奥山 敦裕さんが書いた記事

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Nontitle[ラグビー部リレー日記]

 written by 奥山 敦裕投稿日時:2022/08/02(火) 18:00

4年生スタッフのあしゃさんよりバトンを頂きました2年の奥山です。
あしゃさんは、部の運営に関する膨大な業務を行う姿はさることながら、戦術のミーティングも興味深そうに聞いていた姿が印象的です。

今回は僕が東京で一人暮らしさせてもらっている家について書こうかなと思います。

部員の多くはご存じかと思いますが、駒場キャンパスの正門から徒歩2分のとこにある僕のアパートには、3年生の安富さん、池田さん、1年生の千秋くんが住んでいます。2階建て8部屋の一般学生向けの賃貸アパートで4人も東大ラグビー部員ってすごいことですよね。
去年までは部員が僕だけだったのですが、今年から上の3人が入居しており、一気に賑やかになりました。

一部の部員にはこの環境をうらやましがられたり、一方ではオフの時も部員が近くにいて可哀そうなんて言われたりしますが、今の住まいについて思うことを書いていこうと思います。
・近さ
 これは言うまでもないです。特にラグビー部の練習は一日の始まり、もしくは終わりに近い時間帯で活動するので、その活動場所に住まいが近いのは、時間を有効に使えていると感じます。また、駒場キャンパス内で大学の授業が完結する2年生までは電車通学などをする必要がないこともgood point です。
・立地
駒場に家があるということは、渋谷と下北沢まで歩いて20分ほどで到着するという非常に恵まれた立地にあることを意味します。地方出身で東京の地理勘が全くない自分が、どこかへ用事があって移動するにしてもとりあえず渋谷まで行ければ何とかなるので、非常に助かっています。一方で、閑静なところにあるので、都会にいることを忘れるほど、家にいる時間はリラックスできます。
・友人を呼びやすい
グラウンドから近いので、アパートによく部員が遊びに来ています。時々、近くにある業務用スーパーマーケット「肉のハナマサ」で肉を大量に買って、焼いて食べる会を「ハナマサ会」と称して行っています。外食するより、安く済みますし、4,5人で騒いでも声量は(後述するように)森の中に殆ど吸い込まれていくので、多少は大丈夫な点をとても気に入っています。

ここまでは良い面を書いてきましたが、一点だけ気になる点としては、あまり綺麗ではないことがあげられます。
三方向を森に囲まれているため、アパートの廊下には虫が多発します。某先輩のように、散らかして、部屋に虫が出たなんてことにはなりたくないですが、最近は片付けを行うまでの体力が残されておらず困っています、、。
片付けをしなければならない段階に至ったときには母親の力を借りたいと常々思います。


ですが、先日体調を悪くした際に、池田さんがすぐにゼリーやOS1等を買ってきてくれ、頼れる人がすぐ近くにいるというありがたい思いをしました。僕も今度、3人のうち誰かが体調を崩したら、温かいうどんでも作って持って行ってあげようと思いました。

ちなみに自分は、中高6年間のうち、最後の2年間を鹿児島の下宿で暮らした経験があり、今の住環境は当時と良く似ているなと感じます。携帯を自由に閲覧でき、ネット環境も充実されている点や食事や洗濯を自分でしなければならない点などは異なりますが、親しい方々が自分のすぐ近くで生活していること自体を懐かしく感じます。
周りに知っている人が誰もいない中での一人暮らしも不安ですし、かといってラ・サール中学の寮みたいに、何をするにしても常に友人が隣にいてパーソナルスペースが欠片もないような環境も今では気が滅入ると思います。
なので、今の環境は両者のちょうど間にあるような感じがし、気に入っているのだと思います。当時も今も自由に残された時間や体力に余裕があるわけではないですが、とはいえ、昨年と比べると慣れが生じて時間の使い方も上手くなったように感じ、一人暮らしならではの自由さをある程度自分の中で享受できるようになってきたので、今後とも最大限自分が成長できるような生活を送っていこうと思います。

最後に、来年以降の更なる部員の入居を待っています!

次は4年生の玉代勢さんです。練習チームでもお世話になっていますが、去年の新歓でタッチフットを一緒にした時からかっこいい人だなと思ってました。残りの期間でかっこよさの秘訣を解剖していけたらなと思います。


 

最近思うこと2[ラグビー部リレー日記]

 written by 奥山 敦裕投稿日時:2022/04/28(木) 08:00

同期の辻よりバトンを受け取りました奥山です。
彼は成績優秀でクソ真面目な人間かと思いきや練習前後には彼を中心として爆笑の渦が巻き起こっており、そのギャップに幾度となくやられています。リレー日記にも表れているようにブレない軸を自分の中に持っており、そういった面に惹かれている女性も多いとよく聞きます。ですが、家にだけは来ないでほしいです。


紹介して頂いたように今回は完全合流まであと1か月以内ということで今、そしてこれまで考えたことを書こうかなと思います。


まず手術は本当に辛かった。ただの注射でさえ心の準備が必要な程に小心者なので先生に手術内容を説明してもらっている時は生きている心地がしなかった。いざオペが終わって看護師さんに起こされると気分が悪いとかいうより心の底からホッとしたような気がする。けれども手の甲に点滴の針が刺さっているのに気が付いたときには気持ち悪さが増してしまった。
さらに入院期間中は一週間に一度、採血があったことも本当に嫌だった。


東京に戻ると、チームは秋シーズンに本格的に入っており毎週末試合が開催されていた。本当は戦う同期や先輩の姿を見てリハビリのモチベーションを上げるべきだったし、試合中は嬉しかったり悔しかったりといった感情があったが、当面復帰の見通しが立たない当時は、いちいち熱くなっていては心がもたないと、当事者意識を捨てるとともに自分の体のことだけを考えて、少しだけ殻に閉じこもっていた。
こう書くと去年活躍されていた先輩方や同期に申し訳なく思うが、別にネガティブな意味で振り返っているわけではなく、当時としてはその心の持ちようのおかげで一日たりとも休むことなくリハビリを続けられたので良かったかなと思っている。
そんな感じで昨シーズンはメンバー選考に絡むことはおろか一試合も出場することなく、すっからかんの中身で終わった。
そういえば確か、シーズンが終わった年末の名古屋戦のあと、深津さんに声をかけていただいたときに上のような返答をしたら、「まだまだ一年生だし、これからだよ」と言ってもらった。深津さんにそう言ってもらえたおかげで年末年始も構わずにトレーニングに励むことができた。
深津さん、いつもありがとうございます。


2月頭に今シーズンが始まると、予想外のことが起きた。
それはとても簡単に言うと練習内容が、その70%くらいの時間ボールを触らずに、決められた動作をやり続けるメニューになったことだ。
去年普通にプレーしていた選手からしてみたらつまらないと感じる練習だろうし、実際仲間からそのような声が聞こえたりしたこともあったが、自分としては予定よりもかなり早く、しかも衝突の危険性など無く皆と練習ができるということでとても嬉しかった。
練習メニューはなかなかきついものだったが、今シーズン一発目の練習では本当に久しぶりにグラウンド上で気分が高揚したことを鮮明に覚えている。


けれどもとても当たり前のことですが上に書いた、手術の時の絶望にも近い気持ち、練習に久しぶりに入れた時のめちゃめちゃ嬉しい気持ちもちょっと時がたって、毎日代り映えもなく部活と授業がある生活を送っていると忘れてしまいます。
でも、だからこそ当たり前といえばそこまでですが、ふつうに楽しい生活を送れていることに対して常に感謝、というか常にベストの環境を整えてくれる両親を含め自分に関わってくれる人たちに「ありがとう」の想いを持っていなければな、と今回様々な困難や不自由を経験して再認識させられました。
そして、常にUpdateされていく「今」が楽しいと胸を張って言える人生を送っていきたい、そのためにどう過ごせばいいのかを考えながら生きていきたいと思います。



リハビリ期間中に本当に心のよりどころとなってくれた先生や仲間がたくさんいました。

お忙しい中、僕のために時間を使って手術をしてくれた若松病院の内田宗志先生という尊敬できる素晴らしい先生とご縁が出来ましたことには本当に感謝していますし、廣瀨先輩は自分より先に同じ怪我をしていたため、リハビリは常に先輩に追いつかんとサボらずに頑張ることができました。
先月から開始したコンタクト復帰のプロトコルに嫌な顔一つせず付き合ってくださるアシスタントコーチの方々には本当に頭が上がりません。
ほかにもたくさんいます。が、ここで一々名前を上げることはせずに今日からもまたびっくりするぐらいの長い時間、一緒にラグビーをするでしょうからちゃんと直接会った時に感謝の気持ちを伝えていこうかなと思います。


怪我した時には来るのかさえわからなかった復帰の時も、もうすぐそこまで迫っています。

最後になりますが、今回の経験は今後の人生に間違いなく、何かしらの形でプラスの作用をもたらすと確信しています。物事に対する考え方に幅が出てくると言い換えてもいいのではないでしょうか。それほど自分にとっては大きな経験でした。

とはいえ、昨年ほとんど全体練習に参加できず、試合経験を積めなかったことは明らかに自分自身の強化の観点からはマイナスなことなので早くゲーム勘を取り戻して、場数を踏んでいって、プレーに根拠ある自信をつけていきたいと思います。

読んでくださりありがとうございました。

次は4年生の笹俣さんです。口数が少ない方なのでお話しをする機会は多くはないですが、試合中に強度の高いスクラムやコンタクトプレーを繰り返す姿は、THE背中で語るプロップという感じがします。
グラウンドで一緒に練習できる機会を本当に楽しみにしています。


 

来年から、爆発するために[ラグビー部リレー日記]

 written by 奥山 敦裕投稿日時:2021/08/19(木) 18:00

いかつくて怖いタイプの巨体というよりは優しいオーラを醸し出すタイプの巨体の持ち主、いしけんさんよりバトンを頂戴しました1年の奥山です。いしけんさんには練習前後に僕が練習についていけているか声をかけてくださり、どれだけの安心感を与えて頂いたかわかりません。

明日から入院します。先月22日に前十字靭帯を断裂してしまったため、4日後の手術とリハビリのためです。廣瀨先輩しかり、前十を切った直後にリレー日記のバトンが回ってくるのはどうしてなのでしょうか。今回は地元での手術を目前に控えた今、想うことを書きます。部員のみなさんとはしばらく会わない日がこれからも続くので貴重な自己発信の場と勝手に捉えさせて頂きます。どうぞ最後までお付き合いください。


怪我をしたのはまだ練習を始めて3か月も経たないうちだったが、ここだけの話、高校ラグビー部で主将を務めていた時よりも真剣にラグビーに取り組んでいた。ラグビーは高校まででいいかなと思っていた受験期の自分からしたら考えられないほど夢中だった。実際、入部時の想像を遥かに超える質の高い強化体制のもと、ウエイトや食事にも拘り始めた結果、体はどんどんデカくなったし、技術面でも成長を感じられた。何より朝練がある日の前夜はワクワクが止まらず、今までで一番ラグビーを楽しめていた。より成長できる環境でプレーしたかったから、杉浦主将に「自信持って、早くシニアに上がって来いよ!」と声をかけて頂いたから、上級生との練習に合流することを決意し、スイカジャージを目指して歩み始めた。
けれどその矢先、先述の通り前十を切ってしまった。

怪我をしてしばらく東京に残っていた時は、積み上げてきたものが全て瓦解してしまった気がして何もかもがどうでもよくなった。人生初の一人暮らしで苦労しつつも着実に増やせていた体重は、たった1週間のうちにあきらさんに「奥山、ちっさくなったね。」と言われるほど減ったし、実際1週間で4kg痩せた。
たくさんの先輩方に期待を込めて頂いて、「怪我しないやつが一番成長する(から怪我するなよ)」とことあるごとに言われたことが脳裏をよぎり、自分を責めたて全く眠れず夜中に何度も目が覚めてしまった。
手術日が決まらず、先行きが真っ暗ななか、練習をサブグラウンドから見るだけの時間は思っていた以上にきつかったから、期末テストを全部受け終えて、早く実家に帰りたいと思っていたし、練習時間中もどうせ手術するからと術前リハを適当にこなして過ごしていただけだった。
カレンダーを見てまだ受傷して1か月も経ってない事実を知り、時の流れの遅さに絶望しそうになった。
実家で妹に勉強を教えることやリハビリをすることしか日課がない日々を自分が送っている今この瞬間も、上級生たちは対抗戦に向けて文字通り死に物狂いで強化集中練習に取り組んでいるし、同期、特に未経験で始めた奴らなんかは僕が復帰する頃には試合の経験値も積んで、見違えるほど強くなっているのだろうと思うと自分の無力さと共にやるせない気持ちでいっぱいになる。

でも。それは1週間ほど前までの話。

やるせなさは抱えつつも、ラグビーから完全に遠ざかった日々を過ごしていると、理由はわからないけれども少しずつポジティブな感情も生まれてきた。
AIG損保がTwitter上でALL BLACKSの選手らがどう怪我に向き合っているのかを紹介した動画に出会った。世界のトッププレーヤーである彼らは怪我をした時、ビデオ解析やプレーヤーへのアドバイスなどを進んでやるというのだ。そこには、ライバルが更に活躍できるよう、またチームが一番いい結果を出せるように少しでも貢献しようとする真摯な気持ちが垣間見える。僕もまだ今は、そして多分これからも同期が良いプレーをしたり、活躍したりしているのを見ると、嬉しさより、悔しい気持ちが勝ってしまうが、彼らが更に上達できるように、できるサポートはなんでもしていきたいという気持ちが芽生えた。
執刀医を務めてくださるお医者さまに手術の説明を受けた際、術後のリハビリがとても大事だと言われた。そして2日前、國枝さんがリレー日記で紹介されていた高校ラグビー部の先輩、廣瀨さんの行動。今まで一緒にプレーした記憶はないけれど、熱心に勧誘してくれたし、僕が今後取るべき行動を、身をもって示し続けてくれると思うととても心強く思えた。来シーズンこそは、火山灰が入り混じる土のグラウンドで大雨の日も練習した者同士、芝生のありがたみを感じつつ一緒にスイカを着て試合に出たいです。
この怪我も自分より体の強い先輩と衝突した結果起きたものだからある意味仕方なかったなと、開き直れるようになった。実際、体が強く機能性も高い先輩方の多くは全ての練習に参加し、試合でも活躍している。この期間はちょっと長すぎるかもしれないが、怪我を二度としない強く、しなやかな体を作り上げるために神様が与えてくれた時間かもしれない。
テレビを見ていると戦争やコロナで家族や友人を亡くした遺族の方々のこの上ない悲しい想いが伝わってくる。そのようなニュースを見た者が持つ感想としては不謹慎すぎるかもしれないが、前十を切っても生きている以上、それはかすり傷に過ぎないんじゃないかと思うようになった。それに加えて僕にはまだ大好きなラグビーをする時間が残されている。悲嘆にくれるのは、贅沢すぎる行為だ。前を向いて歩かなければならない。

目前には手術、リハビリという今まで経験したことのない大きな壁が立ちはだかっている。けれども、生まれてからここまで自分を支えてくれた方々。家が遠いのに夜練後、駅前のスーパーでの買い物を手伝ってくれ、今では僕を暇させまいと練習のフィードバックを求めてくる同期の辻。前十断裂の報告をした数秒後に慰めのLINEをくれた、僕と1年生の全く同じ日に前十を切るも今はスイカを背負う3年の財木さん。松葉杖をついてキャンパスから家に帰っている時にばったり会い、重い荷物を自身のチャリ籠に乗せてくれ、立ち寄ったスーパーでは昼食を奢ってくださり、そのまま家までついてきてくださった時、「代われるもんなら代わってやりたいけどなぁ」とポツリ呟いてくださったジュニアコーチの虎さん。二回も靭帯を断裂してもなおプレーヤーとしての道を諦めなかったジュニコの川端さん、4年の魚住さん。他にもあげるとキリがないがちょっとした気遣いや優しい言葉で僕を感激させてくれた先輩方、同期のことを思い出すとこの壁は破壊してでも、どんな形でもいいから乗り越えなければならないと強く思う。

乗り越えた先にある自分はどのような姿だろうか。高いモチベを持つ今の自分の想像より成長していないかもしれない。だけど、せめてラグビーできないという悔しさを誰よりも知り、ラグビーできる幸せを誰よりも感じられる人間になっていたい。それは、復帰時チームの最底辺にいる自分、チャレンジャーとして常に高みに手を伸ばし続ける自分を押し上げてくれる原動力となってくれるだろう。

もちろん、その過程でもう二度と一緒にプレーすることのない4年生が対抗戦で躍動し、目標を達成する姿が見たいです。数える日数しか一緒に練習してない1年の自分が言うのもおこがましいですし、勝手なことを言うようですが、今年のチームならいけると思います。華麗なプレー、泥臭く前進するプレー、熱いハート、全部瞼に焼き付けます。
そして最後に同期へ。先日、僕が通院のためにキャンセルしたミーティングで決めた俺らの代の目標、話し合いには全く関わらずあとから聞いただけだけど、心の底から一緒に成し遂げたいと思える目標だった。来年から爆発できるように、僕も皆の向上心を見習って、これからを過ごしていきます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次は同期スタッフのようこちゃんに回します。上では熱いこと書きましたが、今は素直にようこちゃん含め同期のみんなに早く会いたいです。
 
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2025年5月

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