ブログ 笹俣 凌さんが書いた記事

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ぶのぶぶん[ラグビー部リレー日記]

投稿日時:2022/12/05(月) 16:16

​​​​​​ 河内から日記を引き継ぎました、4年PRの笹俣です。彼とはこうして紹介をし合うのが思わず照れ臭いと感じてしまうほどの仲で、4年間で最も多くの時間を共に過ごしました。お互い元々寡黙なタイプなので、ここでは普段はなかなか言えないようなことを言わせてもらいます。ありきたりなことばではありますが、今まで本当にありがとう。そして、これからもよろしく。


 「なぜ東大ラグビー部にいるのか」

 そもそも、高校時に東大を目指した理由は東大アメフト部(Warriors)に憧れがあったというのが大きかった。中学・高校と野球を続けていたが、部活の4つ上の先輩が2人、東大アメフト部に入部し活躍しているという話を聞いた。東大に入って未経験のスポーツに身を投じ、およそ東大生には似つかわしくない体格になって私大を相手に奮闘している姿は、自分の目にはあまりにかっこよく映った。自分も運動部に入って、先輩方のように文武両道を成し遂げたいと考えるようになった。

 1年の浪人を経て、無事東大に合格した。高3で10キロ増やし、浪人時には週2~3で24時間ジムに通いながらさらに10キロ増量した。そのため、入学当時は既に90キロあり(今思えばあまりよろしくない太り方ではあったが)、新歓ではアメフト部や柔道部など、「大きな」人が活躍できるような運動部から多く声をかけていただいた。同クラに現主将の國枝、また上クラにルーシーさん、イシケンさんがおり、ありがたいことにラグビー部からも熱烈に勧誘いただいた。しかし、アメフト部の例の先輩2人にもお会いし、良くも悪くも自分の決意は揺らぐことはなく、かなり早い段階でアメフト部への入部を決意した。

 しかし、入部して早々、病んでしまった。東大生に多いいわゆる五月病で、原因は受験のストレスと大学という新しい環境への変化だった。一応断っておくが、アメフト部が原因では全くない。おかけで3ヶ月近く体調を崩してしまい、授業にも部活にも行けなくなってしまった。8月の頭から部活に復帰したものの、周りの1年生は既に身体的にも技術的にも成長しており、仲の良いグループもあるような感じだった。自分だけ取り残されている気持ちがあり辛かったが、まだまだ選手としては挽回できると思った。しかし同時に、理由がどうであれ、3ヶ月も休んでしまったことで失った仲間への信頼はどうやっても取り返せないと思った。苦渋の選択ではあったが、これ以上は部に迷惑をかけれないと思い、退部を決意した。

 しかし、文武両道を体現したいという夢はまだ消えていなかった。できることならどこかでスポーツを続けたい。そこですぐに思い浮かんだのがラグビー部だった。今考えれば身近に3人もラグビー部員がいるなど、縁がありすぎたのだ。8月末、すぐに練習を見学させていただいた。一人一人が熱い思いを持っている魅力的な集団だった。ルーシーさんがニヤニヤしながら言った。「お前は戻って来ると思ってたよ」。まさにその通りだった。

 「東大ラグビー部で何を学んだのか」

 未経験で、しかも途中入部。経験者との実力の差に焦りを感じつつも、逆にこれでレギュラーを獲れたら見返せる、という気持ちが常に自分の中にあった。毎練習後に教えてもらったこと、気付いたことをノートに書き留めた。技巧派でも頭脳派でもなかったので、身体と気持ちでとにかくがむしゃらにプレーすることを心がけた。1年生のシーズン末は急激な増量が祟って脛の骨を疲労骨折してしまった。おかげで半年近くのDL生活を余儀なくされた。

 しかし、2年生の前半はコロナ禍真っ只中で部活も自粛期間だったので、幸いにも他の選手との差を離されずに済んだ。2年生の秋、大きな転機が訪れた。同期の1人が部を辞めてしまったことがきっかけでLOからPRへコンバートしたのだ。スクラムはもちろん相手によって組み方は変わるが、それ以上にいかに基本に忠実に組めるかが大切だった。不器用な自分でも武器になると思った。その年はたまたまリザーブ入りすることはできたが、明らかに実力不足だった。他の選手の陰に隠れて試合を終えることがほとんどだった。

 3年生になって、またしても思いがけず、3番PRが自分1人しかいなくなってしまった。この頃からチームを代表して戦うことの責任を考えるようになった。スクラムは強力なバックファイブのおかげもあり、少しづつ形になっていった。リーグ戦績は目標には届かなかったが、相手をドミネーションする大西さんのラグビーを少なからず体現できた、個人的にも実りの多いシーズンだった。特に創部100周年を記念した秩父宮での京大戦の記憶は一生忘れないだろう。

 ラストイヤーはフロントパートリーダーをやらせていただき、至らない部分も多々あったと思うがなんとかやり遂げることができそうでひと安心だ。スクラムやモールで相手を圧倒する場面が増え、個人としてもフィールドプレーで少しづつ存在感を示せるようになった。対抗戦全勝というチーム目標は叶わなかったものの、全体で3位というあと一歩の成績を残せた。

 初めの話に戻るが、文武両道を成し遂げられたかどうか(ここでは「『武』の部分」)の答えは、引退までまだ1ヶ月弱あるので持ち越しておきたい。それに自信を持ってイエスと答えられるように、残りの期間はラグビーに全身全霊で取り組みたい。名大戦・京大戦で自分が今までやってきたことの証明をしなければならない。

 ただ一つ確かなのは、病んでいなかったら僕はおそらく東大ラグビー部にはいなかっただろう。しかしこの転機は結果として、他では代えられないような経験をもたらしてくれた。かけがえのない仲間。1人のラガーマンとして、それ以前に1人の人間として、いかに困難に立ち向かうのか。勝負に勝つということ。負けるということ。ラグビー部では、あまりにも多くのことを学ばせていただいた。この4年間を経て、性格が変わった、と度々言われることがある。冗談抜きで、人間的にも一回りも二回りも大きくなれたのだと思う。今まさに転換期にある東大ラグビー部には間違いなくその環境がある。

 書きたいことを書こうと詰め込んだら冗長なリレー日記になってしまったことをお許しください。最後にお世話になった方々にお礼を伝えてこのリレー日記を締めようと思います。

 同期。思い出すと恥ずかしくなるほどイキっていた途中入部の俺を温かく受け入れてくれたこと、本当に感謝しています。人数が多いために、ややまとまりのない代ではあったかもしれませんが、23人一人一人が自分の目標・やりたいことに向かって突き進む姿はとても刺激になりました。

 家族。部活が忙しいことを理由に家の手伝いをサボるなど、多くの迷惑をかけました。それでも日頃から応援をし、試合にも足を運んでくれてありがとう。家族の支えのおかげで部活を続けることができました。

 多種多様な先輩・後輩とは濃い時間を過ごせました。大西さん・青山先生をはじめとするコーチ陣の方々からの教えは深く心に刻まれました。OB・OGの方々の強力なバックアップのおかげで恵まれた環境でラグビーをすることができました。彼女は自分を最も応援してくれた存在で、試合を観に来てくれるたび力がみなぎりました。皆々様、4年間本当にお世話になりました。ありがとうございました。


 次はラストイヤーでFWに転向した財木に日記を引き継ぎます。僕が個人的にチームで1番のトライゲッターだと思っている財木ですが、彼なりの苦悩も多々あったことでしょう。彼は僕がラグビー部に転部してすぐ、右も左もわからないときに、特に声をかけて力になってくれたのを覚えています。困っているときの財木の存在は頼もしいの一言です。

明日晴れるかな[ラグビー部リレー日記]

投稿日時:2022/09/25(日) 00:12

 去年練習に付き合ってもらったときに華麗なパス捌きを披露してくれたのが印象的な2年スタッフのようこちゃんから日記を引き継ぎました、4年の笹俣です。ようこちゃんは部員、特に先輩に対してとても礼儀正しい印象を受けます。僕の方こそぜひ、込み入った話をさせてください。



 外で雨が降っている。不思議と落ち着く。


 近頃は季節柄、雨の日が多い。まさにこのリレー日記を書いている今日は台風15号が日本列島を直撃し、激しい雷雨となった。都内の河川は氾濫して電車は止まるし、どこかで落雷によって事故が起こっている可能性もあるだろうから、呑気なことは言えない。だが、僕は雨の音を聴くとなぜかリラックスできる。特に寝ているときは快眠できるので、窓辺が濡れるのを承知でわざと網戸にして雨音が聴こえるようにする。今年は梅雨明けが例年より早かったが、それすら惜しまれたくらいだ。



 この機会に気になって少し調べてみたが、雨によって落ち着く心理には主に以下の理由があるようだ。①ヒトの生体リズムと雨音の「1/fゆらぎ」が呼応する。②雨音に含まれる高周波によって、脳がリラックス効果のあるα波を発する。③心を洗い流してくれるような感覚を覚える、などなど。真偽のほどは分からない。



 雨が好きだと周りの人に話すと、たまに共感してくれる人もいるが、半数以上の人には理解してもらえない。気圧が低いと体調を崩す人も多くいるし、人それぞれということだろう。ちなみに、天気が悪い日に憂鬱な気分に陥りやすいのは、人類の祖先が狩りをしていた時代、天気が悪いと地面が滑りやすく、狩りができなくて鬱憤が溜まっていたことに由来するらしい(諸説あります)。



 こんなことを散々書き連ねたものの、試合の日に雨が降っているとなれば話は別だ。ボールが滑るのでノックオンが増え、結果スクラムも増えてフロントローの負担が上がる。味方のノックオンくらいでは動じないと胸を張りたいところだが、実際はなかなか応えるものがある。明日の成城戦は晴れることを切に願うばかりだ。



 次は期待の新星プロップの永安に日記を引き継ぎます。スクラムの基礎練で既に大器の片鱗を見せている彼の試合デビューが待ち遠しいです。スモブラも同じで、今度ご飯に連れて行って好印象を得ようと画策しているところです。

睡眠こそ至福[ラグビー部リレー日記]

投稿日時:2022/05/02(月) 22:41

 2年の奥山からバトンを受け取りました、4年の笹俣です。後輩、特に奥山には積極的なコミュニケーションを心掛けているつもりでしたが、甘かったです。奥山もどちらかというと物静かなタイプですが、さすがは元ラ・サール主将、端々にハートの熱さを感じます。



 



 最近、と言っても1ヶ月以上前の話ですが、ベッドを買いました。我が家はベッドではなく敷布団で寝るという少し不思議な慣習があり、僕も割と普通のことだと思っていました。その理由としては、床が近いことで適度に硬さが感じられる敷布団はかえって身体(特に腰)を痛めず、快適であるということでした。しかし、時々友人の家にお邪魔すると皆例外なくベッドなので、敷布団で寝るのが珍しいことに気づきました。ベッドは掃除や収納が楽だということもあり、遅ればせながらベッドを購入することにしました。



 1ヶ月程度ベッドを使った感想としては、やはり掃除や収納は格段に楽になりました。また、ベッドという場所は床や机などとはっきり区別されるので、気持ちがなんとなくスッキリします。そして肝心の寝心地ですが、これがなんとあまり良くないです。なるべく腰に負担をかけまいと高反発のマットレスを選んだのですが、それでも朝起きた時にたまに腰が痛くなっていることがあります。値段を少しケチってしまったせいでしょうか。しかしあくまで現段階の話なので、慣れれば問題ないかもしれません。今後のベッドくんの活躍に期待です。



 ところで、やはり睡眠の質というのは大切です。睡眠の質によって日中のパフォーマンスが左右されるのはもちろん、そもそも睡眠は一生の3分の1もの時間を過ごす行為なので重要でないはずがないです。しかし日本人の睡眠時間は世界一短いとされ、大きな社会問題となっています。睡眠は単なる休息や眠気をなくすことに繋がるだけでなく、自律神経やホルモンバランスの調整、免疫機能の増強、脳の老廃物の除去など、さまざま重要な役割を果たすそうです。逆に、適切な睡眠を取らないと生活習慣病や精神疾患、がんなどの発症リスクが高まります。僕もこうした事実を知り、やはりベッドの値段をケチるべきではなかったと今更ながらに後悔しています。せめて枕にはこだわりたいと考え、買い替えを検討しています。そして、明日からは山梨学院大学との合同合宿も控えているので、リレー日記は早々に切り上げて寝ることにします。おやすみなさい。



 



 次は2年の雪竹に日記を引き継ぎます。練習中の間食のパンを食べずに隠したり、未だに入試の模試を受験するほどの極度の学歴厨だったりとなかなかくせ者のようですが、彼のラグビーのセンスは確かで、目を見張るものがあります。

Scrimmage of Scrummage[ラグビー部リレー日記]

投稿日時:2021/11/20(土) 19:20

  同期の廣瀬から日記を引き継いだ3年の笹俣です。インドア派の彼と何処かへ遊びに行ける日を心待ちにしています。努力家の廣瀬にこんなことを言われるのは光栄の限りですが、僕は弱音は普通に吐きます(笑)。口数が少ない方なので聞き逃しているだけかもしれません。



 



 現在、スクラムは僕のラグビーの大部分を占めています。頼もしい後輩もおり、来年も3番をやらせていただくとも限らないので、今のうちに僭越ながらスクラムについて思うところを述べておきたいと思います。



 スクラムは非常に繊細です。16人で組体操のようなことをしているイメージです。ただし、どうしてこの形に落ち着いたのかと疑問に思ってしまうほどにアンバランスです。フットポジションを5センチずらすだけで、レフリーのコールで膝を浮かせるタイミングを1秒変えるだけで、より強固にもなるし、逆に途端に崩れてしまう可能性すらあります。そのため、下手に相手に合わせて組み方を変えるより、いかに自分の組み方をぶらさないかという方が大切なのだと思います。



 スクラムは体力的にも精神的にもキツいです。フロントの肩にはトン単位の負荷がかかるとも言われています。組みすぎると身長が縮まりそうなので、注意しようと思います。また、スクラムは精神力(闘争心)も求められます。目の前に相手がおり、勝敗もはっきりするので、真っ向勝負をしているという緊張感を味わえます。これは僕もまだまだ弱い部分なので鍛えなければなりません。



 そしてやはり、経験を重ねるごとにスクラムは試合を左右するほど重要なのだと気づかされます。スクラムのたった1メートルのゲインがバックスの攻撃に大きな勢いをもたらす。元早稲田大学監督の清宮克幸さんも「ラグビーはスクラムだ」とおっしゃっています。精神的にもスクラムの崩れは試合運びに大きな影響を及ぼしてしまう恐れがあるそうです。スクラムの重要性を肝に銘じつつ、これから僕もスクラムの、ひいてはチームの支柱(prop)になれるよう努力を重ねていきたいと思います。



 



 次は1年生の倉橋に日記を引き継ぎたいと思います。プロフィールを見ましたが、睡眠時間は多いに越したことはないと思います。実体験によれば「寝る子は育つ」は真理です(笑)。

虫が嫌い[ラグビー部リレー日記]

投稿日時:2021/06/03(木) 17:44

 光から日記を引き継ぎました、同じく3年の笹俣です。「狂気じみた私生活」というのが何を指すのか、私自身も気になるところであります。同期イチのギャグセンスを誇る光とは勉強面での境遇が似ていることもあって(?)、最近より絆を深めています。



 



 私は虫が嫌いだ。とくにいも虫や毛虫の類は大の苦手だ。季節柄、彼らの活動はまます盛んになっており、生活が脅かされて辟易している。



 そんな私だが、唯一と言ってもよい好きな昆虫がいる。とんぼである。とんぼは純粋にかっこいい。種類によっては昆虫の中でもトップクラスの飛行速度で(時速70km以上にもなる)、スピードを追求するためか見た目も洗練された美しいフォルムを持っている。



 ただ、もともと虫嫌いである私がとんぼを好きになったのにはわけがあった。父方の祖父の影響である。名古屋在住の祖父は生業としていた絵描きを引退して以来、とんぼの収集に没頭している。シーズンに入ると毎日のように郊外の山に繰り出し、とんぼをお手製のタモで捕獲する。オフシーズンになるとトンボを標本にするべく、これまた毎日、深夜まで作業に明け暮れる。それはもはや趣味の域を超えており、研究発表の場にお呼びがかかるほどである。



 私もたまにトンボ捕りに連れて行ってもらうのだが、なるほど実に奥が深い。ヤンマがいそうな沢に張り込み、普段はるか頭上を飛んでいるヤンマが地上に降りてくる一瞬を狙い、網を素早く回して捕獲する。動体視力や忍耐力がものをいう。



 とんぼを標本にする作業は手先の器用さが求められる。数週間かけて羽や脚の角度を調整し、場合によっては本来の鮮やかな色彩が落ちないように、絵の具で色を付ける。不器用な私にはとてもじゃないができない。



 80歳を超える祖父は、このような作業を懲りずにひとりで黙々とこなす。いわく、トンボ捕りは運動不足とボケ防止によいのだという。頭が下がるばかりである。



 祖父のおかげでとんぼに魅了される私だが、相変わらず虫嫌いは治らない。このじめじめした季節が一刻も早く終わってほしいものだ。



 



 次は同期のゆきちゃんに日記を引き継ぎます。品性と知性を兼ね備えたゆきちゃんとおしゃべりしていると、不思議と荒んだ心が浄化されるような気がします。今年もスモブラで同じ班になったこともあり、いろいろ話が聞けると思うと今からわくわくです。

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